今回は住宅ローンの借り換えをしたい場合に、年齢制限や借り換えをする際の注意事項などを解説していきます。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローンの審査に年齢制限はあるのか?
住宅ローンを利用したいと考えているなら、利用先の金融機関の審査に通過しなければなりません。金融機関側としては住宅ローンを借りる人が融資した額を完済できる能力があるかどうかを見極めるために、審査を行います。
したがって、審査基準は金融機関の間で共通の基準が設けられているわけではありませんが、おおよその項目は似通っています。その1つが年齢です。一般的には若い方が完済時年齢までの期間が長いことから有利となります。
完済時の年齢は80歳未満
実際に、国土交通省の「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(※)によると、9割以上の金融機関で審査項目のうち上位に挙げられているのが「完済時年齢」「健康状態」「担保評価」「借入時年齢」「年収」「勤続年数」「連帯保証」等です。
中でも、完済時の年齢は重視されています。借り入れ条件として、完済時の年齢は80歳の誕生日までとされている場合が多いです。一方、多くの金融機関では借入時の年齢は満20歳以上満71歳未満、20歳以上70歳の誕生日までなどとされています。
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住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、今借り入れている金融機関とは別の金融機関で新たに住宅ローンを組みなおして、現在返済中の住宅ローンを一括返済することをいいます。
2016年のマイナス金利政策の導入により、住宅ローンの借り換えを検討する人が増加しました。実際に、住宅ローンを借りたときと比較して、以下の条件を満たしているほど、総支払額に対する利息の額を大きく減らすことができます。
●借り換え後の金利差が1%以上ある
●住宅ローンの残高が1000万円以上ある
●残りの返済期間が10年以上ある
これらの条件に該当する場合には、一度住宅ローンの借り換えを検討してみてもよいでしょう。ただし、借り換えの際にも住宅ローンを利用したときと同様に、新たに借り入れする金融機関に対して、登記費用、印紙代、事務手数料、保証料など諸費用がかかります。これらの諸費用は金融機関によって異なりますので、借り換えをする前にしっかりと確認することが大切です。
住宅ローンの借換時に上限年齢はあるのか?
住宅ローンを利用する場合に年齢条件として、「申込時の年齢」と「完済時の年齢」の2つが考慮されます。それは借り換えをするときも同じと考えましょう。そこで気になるのが年齢制限です。
住宅ローンを始めて借り入れる際にも、金融機関によって微妙な違いがあるものの、「申込時の年齢20歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日まで」など年齢制限があります。そこから、実際に借り換えしたいときには何歳までなら可能なのかを考えていきましょう。
住宅ローンの借り換えの完済時の年齢は80歳の誕生日まで
住宅ローンを利用する際には新規・借り換えともに、団体信用生命保険に加入することが基本的には必要となります。生命保険のようなもので、住宅ローン債務者が死亡した場合に、住宅ローンの残債が保障される制度です。団体信用生命保険に加入しないで借り換えることは残された家族にとっても好ましいことではありません。
一般的に、借り換えするときには、借り換え前の団体信用生命保険を継続できません。借り換えの際には新たな団体生命保険に加入する必要があります。この団体信用生命保険が保障されるのは住宅ローンの完済時もしくは80歳の誕生日の属する月の月末までとなっており、借換時に求められる完済時の年齢の上限は80歳の誕生日までとなります。
また、住宅ローンの借り換えは住宅ローンの債務者と申込者が同じであることが前提で行われます。したがって、親子リレー返済式のように、債務者に後継者の子どもを追加して申し込むことも可能です。
その際、親が80歳の誕生日を迎えて、保障期間を終了している場合には、70歳未満の子どもが団体信用生命保険に入ることができます。ただ、親子リレーローンは全ての金融機関で実施されているわけではないので、注意が必要です。
借り換えができないケースとは?
借り換えができないケースとは、借り換えの審査に通過しないことを意味します。
例えば、借り換えを希望する人が直近に大病を患って手術をしたり、何らかの病気で通院していたりするなど健康状態に問題がある場合には団体生命信用保険に加入することができません。そうなると当然、新しい金融機関への借り換えの審査に通らない可能性が高くなりますので、健康状態の変化には特に注意する必要があります。
その他、共働きの夫婦が収入合算もしくはペアローンで住宅ローンを利用していて、何らかの理由で共働き世帯でなくなっているときには、1人分の収入では借り換えができないということも十分に起こり得ます。
あるいは、住宅ローン以外に教育ローンや自動車ローンなどさまざまな借り入れしている場合、返済負担率が高いという点から借り換えが難しいと判断されてしまうこともあるでしょう。
また、借り換えの審査に通過しやすい条件として、「住宅ローンの残高が1000万円以上」「残りの返済期間が10年以上」があることを考慮すると、一般的に50歳以上など年齢の高い方の場合、借り入れができないケースもあります。
年齢の高い人が住宅ローンの借り換えをする際の注意事項
実際に、借り換えを希望する際には、年齢が若い人の方が返済期間を長く見積もることができるため有利となります。それでは、年齢が高くなると住宅ローンの借り換えを受けられないのかというと、必ずしもそうとは限りません。
年齢の高い人が住宅ローンの借り換えをするときには、どのようなことに気を付けたらよいのかを、解説していきます。
審査に通過しやすいように「完済時の年齢」を低めに設定する
借り換えの場合も新規の住宅ローンの申し込みと同様に、金融機関の審査に通過しなければなりません。審査項目で「完済時年齢」が最も重視されている現状を考えると、完済時の年齢を少しでも低めに設定することができれば、審査に通過する可能性が高くなると考えられます。
ただし、審査の内容や条件は金融機関によって、異なります。したがって、借り換えの審査に申し込む金融機関が重視することなどを事前に確認し、どの金融機関に申し込むかを検討するとともに、返済計画についても見直してみましょう。
老後の生活を視野にいれてプランを立てる
定年退職をしてからも、住宅ローンの返済に延々と追われている状態が続くと、いつまでたっても気が抜けません。幸せで豊かな老後を送るためにも、住宅ローンは早めに完済するように計画を練る必要があります。
例えば、退職金を住宅ローンの返済にあてようと考えていると、老後の生活資金が不足してしまうこともあります。これでは豊かな老後とは程遠い生活を送らなければならなくなるため、少なくとも退職前までには住宅ローンを完済できるような返済プランを立てるのが理想的でしょう。
住宅ローンの借り換え審査には年齢が関係する
今回は住宅ローンの借り換えを利用する場合、年齢制限はあるのかという点について解説しました。新規の住宅ローンと同じように、借り換えの審査では返済能力の有無が重要な判断基準になります。中でも年齢は重要なポイントであり、若い方に比べて高齢になるほど不利になるケースが多いと考えてよいでしょう。
一般的に、年齢の上限は最長でも「完済時は80歳の誕生日まで」とされています。返済中のローン以外にも生活費やもろもろの出費があります。老後の生活に支障をきたさないよう、このようなことを意識して、無理のない返済プランを練ることが大切です。
出典
(※)国土交通省「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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