結論から言えば、複数の住宅ローン審査に同時に申し込みをすることは可能です。
この記事では、複数の住宅ローン審査に同時に申し込みをすることの是非や、適切な件数、複数同時申し込みのメリット・デメリットなどをまとめました。複数の住宅ローンの審査に申し込みをしたいと考えている方は、申し込み方を考える際の参考にしてください。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
複数の住宅ローン仮審査に同時に申し込める?
住宅ローンの仮審査に、複数同時に申し込んでも全く問題はありません。
住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なります。したがって、金融機関Aで審査に落ちても、金融機関Bの審査には通るということが起こり得ます。複数の仮審査に同時に申し込むことで、いずれかの審査に通る可能性が高まるわけです。
住宅ローンの審査に通過し資金のめどが立たなければ、物件の売買契約ができません。そのため、借入先を確保するために、不動産会社が主導して複数の金融機関に同時に仮審査を申し込むことも、一般的に行われています。
複数の仮審査に申し込めるのは、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」でも同様です。
フラット35は多くの金融機関が独自の条件のもと取り扱っています。複数同時に申し込むことで、仮審査に通過したなかから、同じフラット35でもより条件の良いものを選択することが可能です。
同時に申し込む場合何社くらいがよい?
仮審査に複数申し込む場合は、3社程度にとどめるのがおすすめです。
「滑り止めとしてできるだけたくさん申し込めば安心!」と考える方がいるかもしれませんが、そうとも言い切れません。なぜなら、審査の申し込み履歴が個人信用情報に登録されるためです。
あまりにも多くの金融機関に申し込みをしていると「審査を通しても自社で借り入れる可能性は低いのではないか」と判断されて、審査でマイナスに働く可能性があります。
何社までなら申し込んでも大丈夫という明らかなラインがあるわけではありませんが、第一希望から第三希望までの3社程度に絞るのが無難でしょう。
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本審査も複数同時に申し込んでいい?
本審査も、複数の金融機関に同時に申し込みできます。仮に本審査を複数通過したとしても、金銭消費貸借契約書を結ばなければ、融資が実行されることはありません。
ただし、本審査に申し込むためには、仮審査と比べて多くの書類を用意したり、健康状態などよりプライベートな情報を申告したりしなければなりません。また、審査をする側も、仮審査よりも手間をかけて情報を精査します。
余計な手間ひまを省くという意味では、本審査には仮審査に通ったなかから最も条件の良い1社に絞って申し込むほうがよいでしょう。
住宅ローンの仮審査結果は、60~180日程度の有効期限が設定されているのが一般的です。そのため、本審査の申込先を1社に絞った結果、万が一審査に落ちてしまったとしても、有効期限内であれば仮審査に通ったほかの金融機関に改めて申し込みできます。
複数の住宅ローン審査を一度に申し込める「一括審査」とは?
複数の住宅ローンの仮審査に同時に申し込む手段のひとつに「一括審査」があります。一括審査とは、必要な情報を一度入力するだけで、加盟している複数の金融機関の仮審査に申し込めるオンラインサービスです。
利用料金は基本的に無料で、新規借入のほか借り換えの審査にも申し込めます。
一括審査を利用する最大のメリットは、情報入力の手間を1回に集約できることです。また、一括審査のサービスを使うと、1つのサイトで複数の金融機関を比較できるため、リサーチの効率も向上するでしょう。
また、一括審査サービスのなかには、同時に火災保険の見積もりができるものなどもあります。
一方で一括審査には、申し込めるのが加盟金融機関に限られる、というデメリットもあります。申し込める金融機関が自動的に絞られるため、頼りきると、もっと条件の良い金融機関を見逃す危険性があることには、注意したほうがよいでしょう。
メリット・デメリットを理解して利用するのであれば、一括審査は効率よく住宅ローンの比較や申し込みができる便利なサービスです。
複数の住宅ローンに同時に申し込むメリット・デメリット
「取りあえず、複数の住宅ローン審査に申し込んでみようか」と考えている方もいるかもしれません。しかし、安易に申し込むのは危険です。なぜなら、複数の住宅ローン審査に同時に申し込む方法には、メリットとデメリットの両面があるためです。
メリット・デメリットの両方をしっかり理解したうえで、自分自身にとってどちらがより影響が大きいのかをよく検討しましょう。
メリット
住宅ローンの審査に複数同時に申し込むと、次のようなメリットがあります。
●時間的なロスを軽減できる
●条件を比較検討して借入先を選べる
住宅ローンの審査に複数同時に申し込みをすると、1社でも通れば手続きを進められます。そのため、1社申し込んで結果を待ち、落ちたら次の金融機関に申し込むという方法と比べると、時間のロスを大幅に削減できるでしょう。
住宅ローンの審査に時間が長くかかるほど、融資実行も遅れます。そうすると、物件の引き渡し時期が予定よりも遅れる、申し込みから融資までの間に金利が上昇する、といった不利益が生じる可能性があります。
さらに、期限までに住宅ローンの契約が成立しない場合には、物件の売買契約が解除となる場合もあるため、審査結果が早く分かるに越したことはありません。
また、複数の住宅ローンの審査に同時に通れば、通ったものを比較して、より条件の良い住宅ローンを契約できます。結果的に、1社ずつ申し込んで最初に通ったところと契約するよりも、良い条件で借り入れできる可能性は高くなるでしょう。
デメリット
複数の住宅ローン審査に同時に申し込むと、次のようなデメリットが生じる可能性があります。
●信用情報に短期間で複数の履歴が残る
●全て落ちた後の選択肢が少なくなる
住宅ローンの審査では、個人信用情報がチェックされます。金融機関が個人信用情報を閲覧したという履歴は一定期間残ります。そのため、同時に複数の住宅ローン審査に申し込むと、「短期間に多数の履歴がある」つまり「何か問題があって審査に落ち続けているのでは?」 という印象を与える可能性は否めません。
審査に複数申し込んだことが、必ず審査でマイナスに働くというデータがあるわけではありませんが、申込件数をある程度絞るなどの対策をとったほうがよいでしょう。
また、複数の金融機関で同時に審査を受けると、仮に全滅した後に、対策を講じて改めて挑戦しようとしても、選択できる申込先が少なくなってしまいます。「審査に落ちるかもしれない」という不安要素がある場合は、あえて1社ずつ申し込んで、落ちるたびに対策するというのも手です。
住宅ローンの複数同時申し込みをして賢く検討を
複数の住宅ローンに同時に申し込む方法は、住宅ローンの審査における時間的なロスを削減するための手段として有効です。
住宅ローンの審査に時間がかかりすぎると、融資実行までのスケジュールに遅れが出る、金利上昇の危険性があるといった不利益が生じる可能性があります。そのため、できるだけ早く借入先を決めたいと考えている場合は、複数の住宅ローンに同時に申し込んだり、一括審査サービスを利用したりするとよいでしょう。
ただし、複数の住宅ローン審査に同時に申し込むことで、個人信用情報の観点から審査に悪影響が及ぶ可能性は完全には否定できません。安易に多くの住宅ローンに申し込まず、件数をある程度絞るなどよく検討することが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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