住宅ローンの審査期間は金融機関や申し込み内容によって異なるのが普通ですが、申込者側の問題から必要以上に長引くケースもあります。
ここでは、住宅ローンの審査について、一般的な期間や長引く原因、長引かせない対策をまとめました。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローンの審査の流れ
住宅ローンに申し込むと、まずは仮審査(事前審査)、次に本審査という2段階で審査が行われるのが一般的です。
本審査の前に行われる簡易的な審査です。年収などの情報を申告し、それをもとに承認・否決が判断されます。
購入した物件が決まったタイミングで実施される場合が多く、仮審査を通過しなければ物件の売買契約などの手続きができないケースもあります。
仮審査を通過したのちに行われる、正式な審査です。売買契約書類や団信加入のための健康状態の申告など、仮審査よりも詳細な資料を求められるのが一般的です。
事前審査を通過しても、本審査で否決となる場合があることに注意しましょう。本審査を通過すると、最終的に住宅ローンの契約を締結する流れとなります。
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住宅ローンの審査にかかる期間
住宅ローンの審査にかかる時間は、仮審査よりも本審査のほうが長いのが一般的です。
仮審査は3日~1週間程度、本審査では1~2週間程度を要する金融機関が多いですが、なかには最短60分で仮審査の結果が出る金融機関もあるなど、申込先によってバラつきがあります。また、同じ金融機関でも、受付状況や申し込みの内容によって審査の所要時間が変化します。
さらに、申し込みや書類提出を郵送で行う場合には、発送から到着までに要する時間も計算に入れておきましょう。
住宅ローンの審査期間が長くなる理由は?
住宅ローンの審査が長引く原因としてまず考えられるのは、申込件数が多く金融機関の処理が遅れているケースです。この場合は申込者側に問題があるわけではないため、気長に審査結果を待つしかないでしょう。
申込者に原因があって住宅ローンの審査が長引く場合もあります。考えられる主な原因として次のようなものが挙げられます。
●書類に不備がある
●信用情報に問題がある
●申込者の状況が大きく変化した
以下で詳しくみてみましょう。
書類に不備がある
書類に不備があって再提出が必要となると審査の進行が滞り、結果が出るまでの期間が長くなります。提出する書類によって必要な年数が定められていたり、発行からの有効期限があったりするため、不備がないように用意しましょう。
また、審査の過程で追加の書類が必要と判断されることもあります。追加書類の提出が遅れると、その分審査が長引くため注意してください。
信用情報に問題がある
本審査では、個人信用情報のチェックが行われます。個人信用情報からわかるのは、他社での借り入れや返済の状況、過去の信用事故などです。
消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど、住宅ローン以外の借り入れがある場合、金融機関は住宅ローンの審査に慎重になる傾向があるようです。住宅ローン申し込み前に他社の借り入れを減らし、信用情報をきれいにする努力をするとよいでしょう。
申込者の状況が大きく変化した
事前審査に申し込み本審査に進むまでの間に、転職をしたり、勤務形態の変化や退職などで収入に大きな変化があったりした場合には、審査に時間がかかる可能性があります。
審査期間中に大きな状況の変化があった場合、金融機関から問い合わせが入ることもあります。その際は速やかに正確な情報を伝えることで、審査をスムーズに進められるでしょう。ごまかしたり虚偽の説明をしたりすると、審査を無事に終えられたとしても、のちのち融資取り消しとなることもあり得ます。
住宅ローンの審査期間を短縮するポイント
審査期間が長くなると、住宅購入のスケジュールにズレが生じて困るだけではありません。
不動産売買契約のなかには、「設定した期限までに融資不成立の場合は自動的に契約が失効する」という条項(解除条件型ローン条項)を設けたものがあります。つまり、不動産売買契約の内容によっては、住宅ローンの審査期間が長くなりすぎると契約解除となる可能性があるということです。
このような事態を回避するためにも、ポイントを押さえて、住宅ローンの審査期間をできるだけ短縮する努力をしましょう。
主なポイントは次の4つです。
●提出書類に不備がないようチェックする
●転職、退職・新たな借り入れをしない
●WEB申し込みを利用する
●仮審査がない金融機関を探す
以下でそれぞれ解説します。
提出書類に不備がないようチェックする
書類の再提出によるタイムロスを防ぐため、審査時に提出する書類は、種類や発行時期など要件を確認して確実に用意しましょう。必要な書類の種類や要件は、金融機関ごとに異なります。早とちりによるミスがないよう、申込先の要項をしっかり確認することが大切です。
書類をそろえたら、金融機関が用意しているチェックリストなどを活用して、本当に抜け漏れがないかどうか最終チェックをしてから提出しましょう。
また、金融機関から追加書類を求められた場合は速やかに対応することも、審査期間を短縮するコツです。
転職、退職・新たな借り入れをしない
住宅ローンの審査に申し込んだら、自身の状況が大きく変化しないようにすることが重要です。
審査期間中には転職や退職など、勤務先や収入の状況が変わることは控えましょう。特に収入の減少があると、審査が長引くだけでなく、仮審査には通過したのに本審査で落ちる事態にもつながりかねません。
また、新たな借り入れをして他社借入残高が増加することも、避けたほうがよいでしょう。こちらも、審査期間だけでなく審査結果にも影響する可能性があります。
WEB申し込みを利用する
審査を急ぐときは、WEB申し込みを利用すると、郵送に要する時間をカットできます。
住宅ローンによって仮審査のみWEB申し込みが可能なものや、融資までWEBで完結できるものなど、手続きの流れが異なります。できる限り急ぎたい場合は、融資まで来店不要なタイプの住宅ローンを選ぶとよいでしょう。
ただし、申し込み内容によっては書類の郵送が必要となるケースもあります。WEB申し込みをする場合も、ある程度の時間的余裕をもつことが必要です。
仮審査がない金融機関を探す
住宅ローンのなかには、仮審査がなく本審査のみで融資の可否を決めるものもあります。仮審査なしの住宅ローンを探して申し込むことで、仮審査に要する時間を短縮できるでしょう。
ただし、一般的に本審査のほうが仮審査より時間がかかるため、本来なら仮審査で否認されるケースについては、仮審査を経るよりも結果がわかるまで時間がかかることも考えられます。メリット・デメリットを考慮して申込先を検討しましょう。
住宅ローンは審査期間を考慮し余裕をもって申し込みを
審査期間は金融機関や申し込み内容などに左右されるため、想定よりも時間がかかる可能性を考慮して、余裕をもって申し込みましょう。WEB申し込みを利用するなど、審査にかかる期間が比較的短い方法を選択するのも、よい方法です。
また、書類の不備や仕事や収入などの状況の変化など、申込者側に理由があって、審査期間が延びるケースもあります。審査を必要以上に長引かせないためには、申し込み前にできる限りの対策をとっておくことが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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