住宅ローンは一般的に、住宅の購入申込と同時に申し込み、審査・契約を経て、物件の引き渡しと同時に融資額が振り込まれます。
ここでは、住宅ローンの申し込みから融資実行までの詳しい流れと必要書類を解説します。また、注文住宅や借り換えなどの特殊なケースについても紹介します。住宅ローンの申し込み前に全体の流れをチェックしてください。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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目次
住宅ローン申し込みから借り入れまでの流れ
まずは、どの住宅ローンに申し込むかを決める必要があります。不動産会社やハウスメーカーと提携している住宅ローンを紹介される場合も多いですが、もちろん自分自身で選んだ金融機関の住宅ローンに申し込むことも可能です。
金融機関に相談したりインターネットで情報を集めたりして、条件を比較したうえで利用する住宅ローンを決めるとよいでしょう。
申込先が決まったら、必要書類をそろえて審査に申し込みます。住宅ローンの申し込みをしてから融資が実行されるまでのおおよその流れは、次のとおりです。
1.申し込み
2.仮審査
3.本審査
4.契約
5.融資実行
仮審査から融資実行までは、金融機関によって異なりますが、平均としては約1ヶ月半を要します(申し込み時期や申込者の状況などにより前後します)。各段階でやることや必要な書類が異なるため、以下でひとつずつみていきましょう。
仮審査
仮審査は、本審査の前に行われる簡易的な審査です。金融機関によっては、インターネットで事前審査に申し込める場合もあります。
仮審査では、金融機関の求める次のような情報を申告します(項目は金融機関により異なります)。
●氏名
●生年月日
●年収
●会社名
●勤務形態
●勤続年数
●他社借入残高
●自己資金
●借入希望額
●希望返済期間
以上のような情報をもとに、「この人に住宅ローンを貸し付けても問題がないかどうか」を判断することが、仮審査の目的です。
仮審査に申し込むタイミングは、購入を希望する物件が決まった段階であるのが一般的です。仮審査を通過しなければ、物件の売買契約などの手続きを進められないこともあるため、注意しましょう。事前審査の結果が通知されるまでには、一般的に申し込みから3日~1週間程度の期間がかかります。
なお、仮審査を通過した場合でも、本審査に落ちるケースもあります。仮審査の結果はあくまでも「仮」であることを頭に置いておきましょう。
■必要書類
必要書類は、金融機関や申し込む住宅ローンの内容(収入合算、連帯債務など)によって異なります。必ず詳細を確認のうえで、書類を準備しましょう。主な必要書類には、次のようなものがあります。
●申込書
●本人確認書類(運転免許証、個人番号カード、健康保険証など)
●収入証明書類(源泉徴収票、住民税決定通知書、確定申告書、納税証明書など)
●物件確認書類(資金計画表、間取図など)
本審査
本審査は、仮審査よりも詳細な資料をもとに行われる正式な審査です。本審査時に、団体信用生命保険の加入審査も行われます。金融機関によって申告項目は異なりますが、次のような情報を求められるのが一般的です。
●仮審査時に提出した書類の内容が証明できるもの
●購入を希望する物件の詳細情報
●健康状態(団体信用生命保険の加入可否を判断するため)
審査に必要な期間は仮審査よりも審査よりやや長い傾向にあり、多くの場合1~2週間程度かかります。
■必要書類
本審査では、仮審査で提出した書類に加えて、保証会社や団体信用生命保険の申込書、物件の情報を確認するための書類などが必要です。主なものは、次のとおりです。
●住宅ローン借入申込書
●保証委託依頼書(保証会社を利用する場合)
●団体信用生命保険申込書
●健康診断結果証明書(必要な場合)
●本人確認書類(住民票、印鑑証明書など)
●収入証明書類
●物件確認書類(売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書、検査済証、登記事項証明書、公図、地積測量図、間取図など)
契約
本審査を通過したら、金融機関との間に金銭消費貸借契約を締結します。また、次のような契約も同時に結ぶ必要があります。
●抵当権設定契約:住宅ローンの担保となる物件に金融機関を債権者とする抵当権を設定する契約
●保証委託契約(保証会社を利用する場合):万が一返済が滞った際の金融機関に対する債務の保証を保証会社に委託する契約
●団体信用保険の契約:死亡や特定の疾病などで住宅ローンの返済ができなくなった場合に、保険金で残高が完済される保険の契約
■必要書類
契約締結時には一般的に、次のような書類が必要です。
●金銭消費貸借契約書
●抵当権設定契約書
●保証委託契約書(保証会社を利用する場合)
●本人確認書類
●融資金の入金口座の確認書類(入金口座の通帳やオンラインの入出金履歴など)
融資実行
契約書類を提出すると、指定の日時に融資額が振り込まれます(融資実行)。融資額を利用して不動産会社や工事請負業者などへの支払いを完了すると、物件が引き渡されます。
住宅ローンの返済がスタートするのは、融資実行の翌月または翌々月です。一般的には、毎月決められた返済日(約定返済日)に、指定した口座から返済額が自動引き落としされます。そのため、口座の残高が不足することがないよう、気をつけておきましょう。
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注文住宅の場合は住宅ローンの流れが違う?
一般的には、住宅ローンの融資の実行と物件引き渡しは同じタイミングです。
しかし、土地を購入して建てる注文住宅の場合は、建物を建てる前に土地代金を支払わなければなりません。また、注文住宅では、物件の引き渡しより前の段階で、工事の着手金や中間金が発生する場合もあります。
このようなケースにおいて、物件引き渡しまでに複数回発生する支払いのための資金を調達する手段に「2本立て」「つなぎ融資」という方法があります。
●2本立て:土地の代金の住宅ローン(1本目)と建物の代金の住宅ローン(2本目)を別に契約し、並行して返済する方法
●つなぎ融資:土地の購入代金や工事の着手金、中間金を支払うための一時的なローンを組み、住宅ローン実行時までに完済する方法
2本立てやつなぎ融資を利用すると、それぞれのローンに申し込むたびに審査⇒契約⇒融資実行⇒返済という流れが発生するため、全体の流れは通常より複雑になります。
住宅ローン借り換えの申し込みから借り入れまでの流れ
住宅ローンを借り換える場合も、審査・契約を経て融資が実行されるという基本的な流れは新規借入の場合と変わりません。
しかし、借換先の金融機関で借り入れた住宅ローンで借り換え前の住宅ローンを完済するため、新規借入の流れに加えて、次のような手続きが発生します。
●全額繰上返済:借り換え前の住宅ローンを完済する手続き
●抵当権の抹消・設定登記:借り換え前の住宅ローンで設定されていた抵当権を無効にし、借換先金融機関に抵当権を設定する手続き
借り換えの際の一般的な流れは次のとおりです。
1.申し込み
2.仮審査
3.本審査
契約・借り換え前金融機関に全額繰上返済申し込み
4.借り換え実行・全額繰上返済・抵当権の抹消・設定登記
新規借り入れの実行日と全額繰上返済日は同日である必要があることに注意し、日程に余裕をもって手続きしましょう。
住宅ローンの流れを理解してスムーズに手続きしましょう
住宅ローンの申し込みから融資実行までのスケジュールは、住宅の購入契約や引き渡しのスケジュールと密接に関係しています。そのため、予定通りに新居に住み始めるためにも、住宅ローンの流れを理解し、余裕をもった日程で動くことが大切です。
注文住宅の場合や借り換えなど、ケースによって全体の流れや必要な書類などが異なることもあります。事前に詳細を確認して、スムーズに申し込み準備や契約手続きを進めましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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