そこで住宅ローンの審査期間や審査のポイント、審査をスムーズに進めるコツをご紹介します。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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住宅ローンの審査の流れ
住宅ローンの申し込みから借り入れまでは、一般的には次のような流れです。
1.住宅ローンの申し込み
2.仮審査
3.本審査
4.契約
5.借り入れ
手続き方法は金融機関によって若干異なる場合がありますが、住宅ローンの審査は「仮審査」と「本審査」に分かれます。住宅ローンを利用するためには、どちらの審査にも通過しなくてはなりません。それぞれの審査の特徴やどんな点をみられるのかを詳しく解説します。
仮審査
仮審査は金融機関によっては「事前審査」とも呼ばれ、本審査の前におこなわれる簡易的な審査です。申込者が申告した年収などをもとに、住宅ローンの返済能力があるかどうかを判断します。
本審査の前に簡易的な仮審査をおこなうことで、ローンの申込者と金融機関、どちらの手間も省けます。例えば年収が低く、収入が安定していない申込者は本審査に通るのは難しいでしょう。
そのような条件で、時間や手間のかかる本審査をいきなりおこなうと、申込者と金融機関双方の時間を浪費するだけになってしまいます。そのため、仮審査で住宅ローンを組む最低限の基準を満たしているかの判断をおこなうのです。
仮審査を通過しなければ、物件の売買契約などができないこともあります。仮審査に通ると、金融機関から審査結果の連絡があり、本審査へと進みます。
本審査
仮審査を通過すると、正式な審査となる本審査がおこなわれます。本審査を前にあらためて住宅ローンの正式申し込みをしたり、必要書類を提出したりします。その上で申込者の返済能力や健康状態、物件の担保としての価値などを慎重に評価するのです。
国土交通省住宅局が発表した「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」では、金融機関が融資をおこなう際に考慮する上位の項目は次のとおりです。
●完済時年齢(99.1%)
●健康状態(98.2%)
●担保評価(98.2%)
●借入時年齢(97.8%)
●年収(95.7%)
●勤続年数(95.3%)
●連帯保証(95.1%)
●返済負担率(92.1%)
住宅ローンの審査では「完済時年齢」や「健康状態」などが重要視されていることが分かります。また、仮審査を通過しても、必ずしも本審査に通るとは限らない点に注意しましょう。
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住宅ローンの審査期間はどれくらい?
住宅ローンの審査期間は、一般的に仮審査で3日~1週間、本審査で1~2週間程度です。本審査では申込者の返済能力や物件に関してより詳しく、慎重に審査をおこなうため、仮審査よりも日数がかかるのが特徴です。
また、金融機関での受付状況や申し込み内容によって、審査にかかる期間は変わります。おおよその期間を住宅ローンの申し込みをするときに各金融機関で確認しておくとよいでしょう。
本審査に通れば、契約手続きを経て借り入れができます。また、審査通過後は契約手続きとは別に、抵当権設定のために司法書士との面談が必要です。そのため、実際に借り入れできるまでは何日間か日数がかかります。
住宅ローンの審査期間を短縮する方法
住宅ローンの審査では、さまざまな項目を考慮して返済能力の有無を判断されるため、審査期間はどうしても長くなります。住宅ローンの申込件数が多いと、金融機関での処理が追いつかずさらに長引く可能性もあります。
しかし気をつけたいのが、住宅ローンの申込者の行動が原因で審査期間が長くなるケースです。あまりにも審査が長引くと、物件購入のスケジュールに支障が出る可能性があります。審査期間を短縮するポイントは次のとおりです。
●仮審査をWebでおこなう
●審査期間中に新たな借り入れをしない
●審査に必要な書類をそろえておく
●仮審査のない金融機関で住宅ローンを申し込む
それぞれについて詳しく解説します。
仮審査をWEBでおこなう
Webでの仮審査の申し込みは、多くの金融機関で取り入れられています。Webの場合、24時間365日都合のよい時間帯に申し込みができ、金融機関によっては仮審査の結果が最短で翌日に得られるところもあります。
平日の昼間に銀行窓口に行くのが難しい人でも、Webなら効率よく住宅ローンの申し込みができるのです。金融機関によっては、仮審査の時点で収入や物件に関する書類が必要になります。事前に申し込みに必要な書類を確認しておきましょう。
審査期間中に新たな借り入れをしない
住宅ローンの審査中に他の金融機関や貸金業者から新たな借り入れをすることは避けましょう。住宅ローンの審査では、申込者の返済能力を確認するために他社からの借り入れがあるかも重要なポイントになります。審査期間中に新たに借り入れをすると、審査が長引くだけでなく、審査自体に通らない可能性があります。
さらに審査期間中にローンの遅延などがあると信用情報に傷がつき、審査にも影響を及ぼします。クレジットカードの支払いや携帯電話の機種代金の支払いなどに遅れないよう十分気をつけましょう。
すでに他社からの借り入れがある場合は、金融機関側も審査に慎重になる傾向があります。クレジットカードのキャッシングやカードローンなどの借入残高がある人は、住宅ローンに申し込む前に完済しておくとよいでしょう。
審査に必要な書類をそろえておく
住宅ローンの本審査では、さまざまな書類が必要です。審査を円滑に進めるためにも、必要書類はあらかじめ用意しておきましょう。書類に不備があったり、不足したりすると審査が長引く要因になります。本審査では次のような書類が必要です。
●本人確認書類……運転免許証・パスポート・個人番号カードなど
●住民票の写し
●収入証明書類……源泉徴収票・住民税決定通知書・課税証明書・確定申告書など
●物件に関する書類……物件のパンフレットやチラシ・不動産売買契約書・重要事項説明書・工事請負契約書など
本人確認書類や収入証明書類は、住宅ローンを申し込む時点で最新のものが必要です。有効期限が切れていないかなども含めて確認しましょう。物件に関する書類は、住宅ローン独自のものが多いため、不備がないよう提出前には慎重にチェックをしましょう。
また、書類に不備があった場合や追加の書類が必要な場合には、金融機関から連絡が入ります。すぐに正しい書類を再提出できるようにしておくことも、審査期間を短縮するために必要です。金融機関からのメールや電話はこまめにチェックしておくとよいでしょう。
仮審査のない金融機関で住宅ローンを申し込む
金融機関によっては、仮審査や事前審査がなく、住宅ローンの申し込み後すぐに本審査に入るところがあります。仮審査の手間や審査期間を短縮したい人は、仮審査のない金融機関を探しましょう。仮審査にかかる日数が大幅に短縮できます。
ただし、仮審査のない住宅ローンの場合、本審査に通常よりも時間がかかる場合があるため、一概に審査期間が短いとはいえません。本審査にかかる日数などをふまえて、複数の金融機関を比較検討しましょう。
住宅ローンの審査期間を考えて余裕をもって申し込もう
多額のお金を借りる住宅ローンは、審査に一定の期間を要します。審査期間を短縮するポイントなども活用しながら、スムーズに審査が進むよう気をつけたいものです。ただし、無理なスケジュールを立てるのは避けましょう。住宅ローンは審査期間をある程度、考慮して余裕をもって申し込むのがよいでしょう。
その他、信用情報や他社からの借り入れなども考慮して、住宅ローンに申し込むのがベストです。
出典
国土交通省「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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