更新日: 2021.12.13 年収
年末まであと少し。主婦の年収と税金についておさらい
主婦の年収が一定額を超えると、住民税や所得税がかかります。また、自身が年金保険料や社会保険料を負担しなければいけない可能性も出てくるため注意が必要です。
主婦の年収ごとにかかる税金について、知識を身につけておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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働く主婦に関わる税金問題
「子どもの教育費や住宅ローンがかかるから働きたい」「自分でお小遣いを稼ぎたい」などの理由で働くことを考えている主婦の方も多いようです。
しかし、主婦が働くときに注意しなくてはならないのが、税金の問題です。主婦が働いて一定以上の収入を得ると、所得税や住民税などの税金が発生します。また、夫の所得控除が減り、世帯全体の税負担が増えることもあります。
家庭と仕事を両立するだけでも大変なことですが、税金についてもよく考えなくてはなりません。
主婦の年収ごとにかかる税金
主婦でもパートなどで稼ぐ金額によっては税金がかかります。例えば、年収100万円を超えると住民税がかかり、年収が103万円を超えると所得税も課税されます。さらに、年収が130万円を超えると夫の扶養から外れ、年金保険料や社会保険料も妻自身での負担が必要です。このように、妻の年収が高くなると、税金などの負担が発生します。
ここでは、主婦の年収ごとにかかる税金について紹介します。
年収が100万円を超える
主婦の年収が100万円を超える場合は、住民税(所得割)が課税されます。年収が100万円以下の場合、給与所得控除55万円を差し引いた所得(給与所得)が住民税(所得割)の非課税限度45万円以下になるからです。ただし、年収が100万円以下であっても、住民税(均等割)が課税される場合があります。
住民税は「所得割+均等割」で計算します。所得割は所得に応じて課税され、税率は10%です。均等割は一定以上の所得がある方に一律5000円課税されます。年収が100万円を超える場合は、住民税が課税されることを理解しておきましょう。
年収が103万円を超える
年収が100万円を超えると住民税が発生しますが、年収が103万円を超えると所得税もかかります。給与所得控除55万円と所得税の基礎控除額48万円を足した額を超えるためです。「103万円の壁」ともいわれており、年収が103万円を超えないように調整をして仕事する主婦の方は多いです。また、夫は、配偶者の所得金額が48万円以下(年収103万円−給与所得控除55万円)であれば、所得税の配偶者控除を受けられますが、103万円の壁を超えると受けられなくなります。
所得税は、図表1のように課税所得額によって税率と控除額が変わります。
【図表1】
課税所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円から194万9000円 | 5% | 0円 |
195万円から329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万円から694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万円から899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万円から1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円から3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
40000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
※国税庁サイトより
このように、年収が103万円を超えると住民税と所得税を負担するようになります。
年収が130万円を超える
主婦の年収が130万円を超えると、夫の扶養から外れるため妻自身で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しなければなりません。
「130万円の壁」といわれており、毎月の給料から年金や健康保険、40歳以上なら介護保険も天引きされるようになります。勤務日数などの要件が満たせず、パート先の社会保険に加入できない場合は、自身で国民健康保険や国民年金に加入しなければなりません。
年収が150万円を超える
妻の年収が150万円以下の場合は、満額38万円の配偶者特別控除を受けられますが、年収が150万円を超えると配偶者特別控除が段階的に減額され、年収が201.5万円以上となると控除額は0円になります。配偶者特別控除が減額されることで、夫の税負担が増すので注意してください。これは「201万円の壁」や「201.5万円の壁」といわれています。
また、所得が増えるほど、妻自身の所得税や住民税も高くなります。
主婦の年収が一定額を増えると税金が増える
主婦の年収が100万円を超えると住民税、103万円を超えると所得税が発生します。また、年収が130万円を超えると夫の扶養から外れ、年収が150万円を超えると配偶者特別控除が減額されます。
「どれくらい稼ぐといくら税負担が増えるのか」を事前にシミュレーションし、計画的に働くことが大切です。働き方を決める際は、世帯全体の収入や税負担も考えましょう。
出典
国税庁「給与所得控除」
国税庁「所得税の税率」
国税庁「配偶者特別控除」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー