更新日: 2023.02.19 年収
【クレヨンしんちゃん】野原ひろしの年収は「600万円」! みさえと夫婦2人でいくら年金をもらえる?
本記事では、ひろしが65歳になったときどれくらいの年金を受け取れるのかについて解説します。なお、現在ひろし(35歳)、みさえ(29歳)と仮定し、ひろしは64歳まで働き、65歳から年金を受け取ることとします。
執筆者:田邉史(たなべ ふみ)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
野原家の収入について
アニメの中では安月給といわれるひろしですが、想定年収は約600万円です。1994年に放送された「ひさんな給料日だゾ」の中で、月給の手取りが30万円という場面が出てきます。
一般的に手取りは額面の75%から85%になるため、手取り30万円の額面は約38万円です。ボーナスを夏と冬でそれぞれ2ヶ月分をもらっていたとして、38万円×16ヶ月=608万円です。年収は約600万円ということになります。
65歳になったひろしがもらえる年金額
次に、年収600万円の会社員ひろしの年金額について見ていきます。
ひろし(65歳)の年金額
ひろしは会社員ですから、65歳になると国民年金に加え厚生年金を受け取ることができます。年収は600万円、22歳から64歳まで42年間(504ヶ月)、厚生年金に加入したとします。国民年金について未納期間や免除期間はないとして、満額の77万7800円(2022年度)を受給できます。
厚生年金の報酬比例部分の計算式は、2003年3月までと2003年4月以降では計算式が異なります。なお、今回は1994年の水準で標準報酬を再評価して年金額を計算する従前額保障を使用します。
クレヨンしんちゃんの連載開始は1990年ですが、ひろしの年齢は2023年現在35歳とします。入社は13年前の2010年になりますので2003年4月以降の以下の式で計算します。
平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の厚生年金加入期間
平均標準報酬額とは、厚生年金の被保険者期間の標準報酬月額と標準賞与額の合計を被保険者期間の月数で割った額です。ひろしの年収は一律600万円と仮定していますから、単純に600万円を12ヶ月で割り、平均標準報酬額は50万円です。
50万円×5.769/1000×504ヶ月=145万3788円
従って、ひろしの年金は以下のとおりとなります。
国民年金77万7800円+厚生年金145万3788円=223万1588円
加えてみさえはまだ59歳なので、加給年金の対象になります。厚生年金の被保険者期間が20年以上ある場合、65歳未満の配偶者または子どもがいる場合に支給されるのが加給年金です。ひろしは20年以上厚生年金の被保険者ですから、22万3800円が支給されます。
よって、公的年金の総額は223万1588円+22万3800円=245万5388円になります。
年金の手取りは?
ひろしの公的年金の総額を算出しましたが、これが全部支給されるわけではありません。ここから、所得税と住民税、国民健康保険料、介護保険料が差し引かれます。
所得税はいくら?
まず、所得税から算出します。
年金は雑所得として課税されますが、公的年金控除を受けられます。図表1をご覧ください。ひろしは65歳以上で年金を受け取り、年金の総額は245万5388円なので110万円が控除されます。よって、雑所得は、245万5388円-110万円=135万5388円です。
【図表1】
出典 国税庁 No.1600公的年金等の課税関係
さらに、基礎控除48万円と配偶者控除38万円を受けられるので、雑所得135万5388円-基礎控除48万円-配偶者控除38万円=49万5388円になります。
図表2より、税率は5%+復興特別所得税2.1%です。よって、所得税は49万5388円×7.1%=3万5173円になります。
【図表2】
出典 国税庁 No.2260所得税の税率
住民税はいくら?
次に、住民税について計算します。
図表3は、給与所得の速算表です。前年の収入金額から給与所得控除額を引いた金額になります。まずひろしの給与所得は、(600万円÷4)×4×80%-44万円=436 万円です。
【図表3】
出典 春日部市 個人の市民税・県民税
給与所得の436 万円から基礎控除43万円と配偶者控除38万円を引いて、355万円が住民税の課税対象になります。春日部市は市民税が6%、県民税が4%です。1000円未満は切り捨てられ、以下のとおりになります。
市民税が、355万円×6%=21万3000円
県民税が、355万円×4%=14万2000円
国民健康保険料はいくら?
次に、国民健康保険料についてです。春日部市の国民健康保険料は、前年の所得から基礎控除額を引いた額×6.80%です。よって、以下のとおりとなります。
(436万円-基礎控除43万円)×6.8%=26万7240円
介護保険料はいくら?
春日部市の介護保険料は、前年の所得から基礎控除額を引いた額×1.5%で、以下のとおりとなります。
(436万円-基礎控除43万円)×1.5%=5万8950円
手取りはいくら?
以上より、65歳のひろしが受給する年金額は以下のとおりです。
年金総額245万5388円-(所得税3万5173円+市民税21万3000円+県民税14万2000円+国民健康保険料26万7240円+介護保険料5万8950円)=173万9025円
ひろしの口座に振り込まれるのは、173万9025円です。なお、59歳のみさえにはまだ年金は支給されません。
まとめ
65歳のひろしと59歳のみさえは、2人合わせて受け取れる年金が173万9025円となりました。1ヶ月にすると14万4919円です。退職金や金融資産など他の収入もあるでしょうが、年金だけでは厳しそうという結果が出ました。
しんのすけやひまわりが大きくなったらみさえも仕事をしたり、現役時代から貯蓄をしたりする必要があるでしょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 No.2260 所得税の税率
春日部市 個人の市民税・県民税
春日部市 介護保険料
春日部市 国民健康保険税の計算方法
執筆者:田邉史
二級ファイナンシャルプランニング技能士