更新日: 2023.09.15 年収

「月給24万円」でも最低賃金以下に!?「固定残業代」が払われている人は要注意! 給与が最低賃金以上かどうかを確認する方法を解説

執筆者 : 平原あかり

「月給24万円」でも最低賃金以下に!?「固定残業代」が払われている人は要注意! 給与が最低賃金以上かどうかを確認する方法を解説
都道府県別の最低賃金は毎年10月に改定されます。
 
最低賃金は年々上がっており、2023年度の改定では各都道府県で39円~47円引き上げられ、全国加重平均額は1004円(昨年度は961円)と初めて1000円を超える結果となりました。今回の改定により東京・神奈川・大阪・埼玉・愛知・千葉・京都・兵庫の8都府県で最低賃金が1000円を超えています。
 
時給制の人は一目瞭然ですが、月給の人の場合、月給を月の労働時間で割ると実は最低賃金を下回っていることに本人も会社も気づいていない場合があるかもしれません。本記事では、自身の給与が最低賃金以上かどうかを確認する方法を解説します。
平原あかり

執筆者:平原あかり(ひらはら あかり)

社会保険労務士・FP2級

最低賃金以上かを確認する方法(月給の場合)

時給の場合は、時給の金額が最低賃金以上かどうかを確認するだけですが、月給の場合は計算が必要になります。具体的には、(月給-最低賃金の計算に含まれない手当)を月の所定労働時間で割り、時給換算した金額が最低賃金以上かどうかをチェックします。
 
最低賃金の計算に含まれない手当には、以下のようなものがあります。
 

●通勤手当
●家族手当
●皆勤手当
●時間外・休日・深夜割増手当
●固定残業手当
●結婚手当等の臨時に支払われる賃金
●賞与

 
中でも通勤手当・家族手当・皆勤手当・固定残業手当は基本的に毎月同額が支給されるため、誤って計算に含めてしまいがちなので注意が必要です。
 
月の所定労働時間は会社や労働契約の内容によって異なります。自身で計算する場合は「年間労働日数×1日の所定労働時間÷12ヶ月」で計算できますが、正確な時間数を知りたければ会社の就業規則を確認するか、総務担当者に聞くのが確実です。
 

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月給の場合の計算例

それでは、東京都で働くAさんの例で考えてみましょう。

●勤務先は東京都(東京都の最低賃金:1113円)
●給与23万円(内訳:基本給16万円 職務手当3万円 通勤手当5000円 残業手当3万5000円)
●月の所定労働時間は170時間

 
Aさんの賃金が最低賃金額以上となっているかどうかは次のように調べます。
 

(1)23万円から最低賃金の計算に含まれない手当を引く
23万円-(5000円+3万5000円)=19万円
(2)月の所定労働時間で割って時給換算する
19万円÷170時間≒1117円

  
1117円は東京都の最低賃金(1113円)以上のため、Aさんの給与は最低賃金以上であるとわかります。

額面24万円でも最低賃金を下回っている場合がある?

 
額面給与の金額が低ければ疑いを持つ人もいるかと思いますが、給与の合計金額が高くても実は最低賃金を下回っているという場合もあります。
 
例えば毎月の固定給が24万円の場合。一見すると、最低賃金以上の給与が支払われているようです。確かに24万円全てが基本給であれば問題のない金額です。
 
しかし、24万円の内訳が以下のような場合、上記の通り家族手当・固定残業手当は最低賃金の計算に含むことができません。
 

●基本給 17万円
●家族手当 1万円
●固定残業手当 6万円

 
月所定労働時間を170時間とすると、時給換算では17万円÷170時間=1000円となります。住んでいる地域によっては最低賃金以下の給与になってしまいます。給与明細を見ると、給与の項目ごとに何円ずつ支払われているかを確認することができます。特に例のように基本給が低く固定残業代が高い人は要注意です。
 

最低賃金を下回っていることに気づいたら?

最低賃金を下回る給与での労働契約は無効であり、最低賃金額で契約したものとみなされます。また、最低賃金以上の給与を支払わないことは違法であり、違反した会社は50万円以下の罰金が科せられます。
 
最低賃金を下回っていることに気づいたらすぐに会社に報告しましょう。もしも会社が対応してくれない場合は、最寄りの労働基準監督署へ相談しましょう。
 

出典

厚生労働省 2023年度の最低賃金決定額について

 
執筆者:平原あかり
社会保険労務士・FP2級

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