更新日: 2024.01.11 年収
彼氏の手取りが「18万円」と聞いてショック!「公務員」だから付き合ったのに、これくらいが普通なのでしょうか?
本記事では公務員の給与の平均について解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
地方公務員の初任給はどれくらい?
公務員と一言でいっても、国家公務員なのか地方公務員なのか、技能職なのか、役職は何か、最終学歴などによって収入は大きく異なります。本記事では、最も身近な都道府県や市町村で働く「地方公務員」を例に挙げてみましょう。
地方公務員には次のようにさまざまな職種があり、給与もそれぞれ異なります。
●一般行政職
●薬剤師・歯科医師職
●看護・保健職
●福祉職
●教育職
●技能労務職・消防職
●警察職
総務省の統計「令和4年 地方公務員給与の実態」によれば、初任給の平均は県職員の一般行政職の大卒で18万7686円、高卒で15万4142円となっています。
一方、市の一般行政職の場合、初任給の平均は大卒で18万4582円、高卒で15万2887円となっています。そこまで大きな差はないものの、県職員の方がやや高いことが分かります。
仮に手取りを収入の8割だとすると、新卒であれば大卒は約15万円、高卒は約12万円になります。決して収入が多いとはいえないのではないでしょうか。
地方公務員の30歳の給与はどれくらい?
結婚を考えている相手がいるのであれば、収入は大事な決め手の1つですよね。令和3年の平均初婚年齢は男性で31.0歳、女性で29.5歳ですので、30歳での地方公務員の給与がどれくらいなのかを見てみましょう。
県の一般行政職の場合、28~31歳の平均給与月額は大卒で32万1049円、高卒で29万4741円です。同じく市の一般行政職の場合、平均給与月額は大卒で30万5130円、高卒で28万3455円です。
このように公務員は一般的に若いうちは給料が高くありませんが、年功序列の制度も根強く残っているため年数を重ねるごとに昇給していく傾向にあります。
ちなみに定年前の50代後半には、平均給与月額は50万円程度になります。
民間企業の給与はどれくらい?
では民間企業の給与はどれくらいなのでしょうか。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、民間企業に勤める30~34歳の男性の平均給与は485万円、女性は338万円となっています。
令和4年は公務員の期末手当・勤勉手当は給与の4.4ヶ月が目安であるため、30歳前後の市の一般職員の場合、年収は次のように予想されます。
大卒:30万5130円×12ヶ月+30万5130円×4.4ヶ月=500万4132円
高卒:28万3455円×12ヶ月+28万3455円×4.4ヶ月=464万8662円
このように公務員の方が民間企業よりも収入が上回っていることが分かります。
しかしこれはあくまでも単純計算であり、勤める民間企業によってはより多くの収入を得られる可能性、逆に少ない収入になる可能性があることも覚えておきましょう。
まとめ
公務員だからといって、必ずしも収入が多いわけではありません。特に就職したばかりの新卒者であれば、手取りが10万円台というのは一般的です。その後、年齢を重ねるにつれて給与は高くなっていきますが、職場で活躍して結果を出しても、給与には大きく反映されづらいのも公務員の宿命といわれています。ただし、解雇される心配が小さく安心して働けるのは公務員の利点です。
もし20代から年収の多い人と結婚を視野に交際したいのであれば、能力が給与に反映されやすい民間企業に勤める人がいいかもしれません。細く長い安定を求めるならば公務員がいいかもしれません。どんな人を選ぶかはあなた次第。よく考えてみてください。
出典
総務省 令和4年地方公務員給与の実態
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
執筆者:山田麻耶
FP2級