更新日: 2024.04.29 年収

社会人1年目で、決算賞与が「10万円」しかもらえませんでした。「50万円」くらいもらえると聞いていましたが、実際こんなものなんですか? 会社がケチなだけでしょうか…?

社会人1年目で、決算賞与が「10万円」しかもらえませんでした。「50万円」くらいもらえると聞いていましたが、実際こんなものなんですか? 会社がケチなだけでしょうか…?
「自分が働いている会社の待遇は他の会社と比べてどうなんだろう?」というのは、社会人なら多くの人が気になるところでしょう。特に社会人1年目だと、給与や賞与の相場がよくわからない場合も少なくなく、知りたいと思う人も多いかもしれません。
 
本記事では、決算賞与はいくらぐらいもらえるものなのか、相場を解説していきます。
沢渡こーじ

執筆者:沢渡こーじ(さわたり こーじ)

公認会計士

決算賞与の平均はどれくらい?

転職サイトdodaの調査によると、20代の決算賞与の平均支給額は約5万円です。一方で、夏と冬のボーナスは約32~33万円となっています。 勤めている会社の業種や規模にもよりますが、今回のケースのように決算賞与で10万円もらっているのは比較的多くもらえている部類に入ります。
 

年間賞与の平均はどれくらい?

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2022年の賞与平均額は、夏季賞与額が約38万円、冬季賞与が約39万円になります。 決算賞与と合わせると、年間賞与の平均は約82万円です。
 
会社によっては、夏季賞与は多く出して、冬季賞与は固定といったところもあります。また、決算賞与は会社の業績によって調整されるものなので、もらえる賞与の多い少ないは1年を通してのトータルで考えた方がよいでしょう。
 

業界や事業規模でもらえる賞与に差がでる

もらえる賞与の額は、勤めている会社の業界や事業規模によっても差が出ます。例えば、事業規模500人以上の会社の年末賞与だと、もらえる賞与の平均額は約64万円です。しかし、その中でも業種別にみると、建設業の場合は約110万円と高額で、業種により差があることが分かります。
 
賞与平均が高い会社は決算賞与も同様に多くなると考えられるため、自身の勤めている会社がどのレベルなのかは、勤めている会社の規模や業種で考えてみるとよいかもしれません「同業他社の○○社はボーナスがうちより10万円多く出たらしいよ」というウワサが流れてくることもありますので、そういった状況と比較してみるのも1つの手です。なお、そのウワサが信頼できる情報かどうかはしっかり確認しましょう。
 

賞与にも所得税や社会保険料がかかる!

気をつけたいのが、賞与にも所得税や社会保険料がかかっているという点です。支払われる賞与額はそれらを差し引いた後の金額になります。
 
詳しく知りたい人は会社から渡される賞与明細を確認するとよいでしょう。ざっくりとした支給金額が知りたい場合は、手取り金額を0.8で割り戻すとおおよその金額がわかります。例えば手取り額が10万円であれば、額面金額は約12万5000円になります。
 

まとめ

決算賞与は通常あまり多く支払われず、平均額は5万円ほどです。今回のケースのように社会人1年目で決算賞与を10万円もらえたのなら、かなり良い方だと思われます。 なお、夏季賞与や冬季賞与は一般的に、各会社の就業規則や賃金規定に定められた方法で算出され、個人の業務実績や評価、基本給によっても変わってきます。
 
一方で、決算賞与は決算時点での会社の業績によるという違いがあります決算賞与は会社の業績によって臨時で支給されるボーナスであるため、夏季賞与や冬季賞与に比べ、毎年のもらえる額がかなり変わってくるものととらえましょう。決算賞与を支給しないという会社も多いです。
 
また、個人の評価によっても賞与の金額に差が出ますが、どれくらい差が出るのかは、会社ごとの方針や勤めている部署にもよりけりです。決算賞与額だけで会社の良しあしを判断するのではなく、トータルの年収や社員の平均賞与額などにも視野を広げて考えてみましょう。
 

出典

総務省統計局 毎月勤労統計調査 全国調査 年末賞与 2022年
doda ボーナス平均支給額の実態調査【最新版】(冬・夏、年代別、職種別の賞与)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等
 
執筆者:沢渡こーじ
公認会計士

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