更新日: 2024.05.31 年収
夫婦で高卒ですが、子どもは「大学」に行かせるべきですか? これまで世帯年収「600万円」で生活に問題なかったのですが、将来の収入も考えると“進学のメリット”は大きいでしょうか…?
自身は高卒だけれど子どもを育てられる程度の年収は稼いでくることができた親は、学費のことを考えると子どもを大学に進学させるべきかどうか、悩む人もいるかもしれません。
本記事では、大学への進学率や大学4年間でかかる平均費用のほか、大卒・高卒の初任給・生涯賃金の比較についても解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
大学への進学率はどのくらい?
文部科学省の2023年度の学校基本調査によると、進学率は以下の通りとなっています。
・大学進学率:57.7%
・短期大学進学率:3.4%
・専門学校進学率:21.9%
専門学校・短大への進学率が減少傾向にある中、大学進学率は半数を超え、前年から1.1%上昇の過去最高を記録しました。今後も大学進学率は伸び続けると推測されています。
大学4年間でかかる費用
2023年度の大学進学率が過去最高となっており、大学に行く人が多いことが分かりましたが、実際に大学にかかる費用がどれほどなのか気になる人もいるでしょう。一般的に大学の費用は、私立か公立か、そして進学する学科によって異なります。
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」のデータによると、令和3年度の入学金・授業料は図表1の通りとなっています。
図表1
大学 | 入学金 | 1年間の授業料 | 4年間でかかる費用合計 |
---|---|---|---|
国立大学 | 28万2000円 | 53万5800円 | 242万5200円 |
公立大学 | 39万1305円 | 53万6363円 | 253万6757円 |
私立大学 | 24万5951円 | 93万943円 | 396万9723円 |
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移より筆者作成
国立大学が最も費用が抑えられていますが、それでも4年間で約250万円かかることが分かります。また私立の場合は約400万円の費用がかかり、国立・公立と比べて100万円以上も費用が多くかかることが分かるでしょう。
さらにテキスト代や施設利用料、学科によっては実験費用や制作物にかかる費用などがかかると想定されます。あくまで最低限の参考値として捉えておきましょう。
大卒・高卒の初任給・生涯賃金など比較
大卒と高卒で初任給や生涯賃金がどれほど変わるのか、気になる人は多いでしょう。
まずは生涯賃金について比較していきますが、それぞれ学校卒業後フルタイムで正社員を60歳まで続けた場合を想定します。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表しているユースフル労働統計2023「生涯賃金など生涯に関する指標」によると、退職金を含めない生涯賃金の差は図表2の通りです。
図表2
性別 | 高卒の生涯年収 | 大卒の生涯年収 |
---|---|---|
男性 | 2億円 | 2億5000万円 |
女性 | 1億5000万円 | 2億円 |
独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2023 生涯賃金など生涯に関する指標より筆者作成
会社の規模や業種などによっても異なりますが、高卒・大卒の生涯年収の差は男女ともに5000万円となっています。生涯賃金の差を考えると、大学卒はかなり有利になっているといえるでしょう。
また初任給の差も比較してみましょう。一般財団法人 労務行政研究所の「2024年度 新入社員の初任給調査」によると、以下の通りです。
・高校卒(事務・技術)一律:19万3427円
・大学卒(事務・技術)一律:23万9078円
高校卒と大学卒で5万円近い差がついています。初任給の時点でも高校卒と大学卒では収入差が出ていることが分かります。初任給からみても、大学卒は有利だといえます。
大学への進学率は過去最高の57.7%! 年収差も比較しながら子どもを大学に行かせるか検討しましょう
大学への進学率は57.7%で過去最高の割合となっています。生涯賃金も大学卒のほうが高く、男女ともに約5000万円の差が出ます。大学にかかる費用は250万円以上かかることや高卒・大卒とでは年収差が大きいことを加味しつつ、子ども本人の希望も踏まえて大学に行かせるかどうかを検討してみましょう。
出典
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2023 生涯賃金など生涯に関する指標
一般財団法人 労務行政研究所 2024年度 新入社員の初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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