更新日: 2024.06.24 年収
交際中の男性の年収が「400万円」でした。専業主婦になりたいので「年収600万円」はあってほしいのですが、難しいのでしょうか? しばらくは“共働き”すべきですか?
本記事では年収の平均値や中央値といったデータをみながら、20代で年収400万円は少ないのか、結婚相手に年収600万円は高望みしすぎなのか考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
20代後半で400万円だと平均年収以下
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、男性の年代別の平均年収は図表1のとおりです。
図表1
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
結婚相手の男性が20代前半であれば年収400万円は平均年収以上ですが、20代後半であれば平均年収を下回ることが分かります。ただし、20代後半であっても平均年収を大きく下回っているわけではありません。
一方で、平均年収が望んでいる600万円に到達するのは40歳を超えてからです。20代で600万円は、職種にもよりますが高望みであるといえそうです。
中央値で見ると400万円は妥当かもらっているほうに入る
次に年収の中央値をみていきましょう。国税庁の調査では中央値は言及されていませんが、大手転職・求人情報サイト「doda」の調査によると、20代男性正社員の給与の中央値は350万円です。
中央値とは20代の年収を上から並べた時にちょうど半分になる値です。年収数億円といった極端に高年収の人の値に影響を受けやすい平均値に比べて、中央値のほうが実情をより示しているといわれています。
つまり20代男性の半分は年収350万円以上もらっており、もう半分は350万円以下であるということになります。これから見ると年収400万円は上位50%に入るので平均以上になります。同調査での20代後半男性の年齢ごとの年収の中央値を見ると図表2のとおりです。
図表2
パーソルキャリア株式会社 doda 正社員の年収中央値は? 男女別・年齢別・都道府県別にも解説を基に筆者作成
年収400万円は26歳以下なら中央値より上、27~28歳であれば中央値と同じ、29歳なら中央値より下です。
年収400万円が高いのか低いのかは、同じ20代でも年齢によって印象が変わりそうですが、少なくとも極端に低いとはいえません。
なお男性の給与の中央値が600万円に達するのは50代になってからです。中央値から見ると、20代で年収600万円は少数であるといえるでしょう。
年収400万円で生活できる?
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」によると、2人以上の勤労世帯の家計支出の平均額は非消費支出11万6740円と消費支出32万627円を合計して43万7367円となっており、年間にすると約525万円です。
この平均水準で生活をしていきたいのであれば、年収400万円では足りない可能性もあるため、節約や共働きを考えたほうが良いといえるでしょう。
20代で年収400万円は決して低くはない
同世代の年収に関する平均値や中央値といったデータを見る限り、年収400万円は決して悪い額ではありません。一方で、希望する年収600万円は一般的には40代や50代の人が到達する年収額であり、20代男性に求めるには少し酷な数字といえます。
ただし、20代で400万円をもらえていれば、順調にいけば40~50代には年収600万円に到達する可能性は十分あり得ます。そうなるように結婚相手を支えつつ、お金が足りないときは自分が稼ぐなど、夫婦で助け合っていくとよいでしょう。
出典
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
パーソルキャリア株式会社 doda 正社員の年収中央値は? 男女別・年齢別・都道府県別にも解説
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士