32歳、都内で「年収400万円」って低いですか? 地元では「年収300万円」そこそこの求人が多いので、わりと稼いでいるほうだと思うのですが…
配信日: 2024.09.15
執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)
CFP、行政書士
大都市や関東圏の都道府県は年収が高めの傾向あり
転職・求人サイトのdoda(デューダ)が発表している、2022年9月から2023年8月の1年間でdodaに登録した約63万人の平均年収を都道府県別に集計したデータでは、東京都の年収は全国で最も高く、455万円(男性:514万円、女性400万円)でした。
一方、厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」でも、都道府県別にみた賃金で最も高かったのは東京です。このデータでは、月収は約37万円となっており、仮に賞与を年間100万円とすれば、年収は544万円となります。
図表1
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
この金額差は調査対象の違いによるものであり、どちらが正しいというわけではありません。東京は大企業が多いイメージから全体的に高収入なのではと連想しがちですが、実際には日本の99%以上は中小企業であり、東京でも大部分は中小企業が占めています。
また、東京、横浜を擁す神奈川などの大都市圏はもちろん、茨城県や栃木県なども含め関東圏は平均して賃金が高い傾向にあります。
年代別にみると、30歳年収400万円は平均的
次に年代別の年収を比較してみましょう。
同じく厚生労働省の資料によると、30~34歳男性の平均月収は約30万円となっています。男性の場合、収入は徐々に増えていき、50代後半にピークを迎えることが一般的です。32歳で年収400万円であれば、10年、20年後にはさらに年収が上がることも十分期待できそうです。
図表2
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
ただし、業種によって年収の推移には差があるようです。全ての企業が同じとは限りませんが、例えば運輸業・郵便業などは年齢が上がっても年収が増えにくい傾向があります。一方で、医療・福祉分野や、製造業は、高齢になっても年収が下がりにくいようです。
ただし、年収だけで判断はできない
ここまで、32歳で年収400万円は平均的という話をしましたが、同じ年収400万円でも実際の生活の印象は異なることがあります。
具体的に言えば、都内であれば生活費は地方に比べて高くなることが予想されます。また、配偶者に収入があるかどうかや、子どもの人数などによっても生活水準は大きく変わるでしょう。子育て支援の補助金などは自治体によって手厚さが異なります。
将来のライフプランを計画すると、年収400万円では足りないと感じるかもしれません。そのよう場合、年収アップの方法や、生活費を抑える工夫を考えなければいけません。「年収400万円は平均だから安心」で終わらせるのではなく、自身の価値観やライフスタイルにあった生活を考えることが大切です。
出典
doda 平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
執筆者:御手洗康之
CFP、行政書士