課長に「昇進」したのに手取りが減った? なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

配信日: 2025.02.20

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課長に「昇進」したのに手取りが減った? なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
昇進は給料アップのチャンスですが、「課長に昇進したのに手取りが減った」という話を聞いたことはありませんか? 役職が上がることで基本給は増えるはずなのに、なぜ手取りが減ってしまうのでしょうか?
 
実は、昇進によって増えるのは「額面給与(総支給額)」であり、「手取り額(実際に受け取る金額)」は税金や社会保険料の影響を受けるため、思ったほど増えないことがあります。
 
そこで本記事では、課長昇進後に手取りが減る理由と、それに対する対策について解説していきます。
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課長昇進後に手取りが減る理由とは?

「昇進=給料アップ」と思われがちですが、手取り額が減る理由はいくつかあります。主に、以下の3つが影響しています。
 

1. 社会保険料の負担増

給与が上がると、厚生年金保険料や健康保険料の負担額も増加します。これらの社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて計算されるため、給与が一定額を超えると、保険料のランクが上がり、結果として控除額が増えてしまうのです。
 

2. 所得税・住民税の増加

給与が増えると、その分所得税や住民税の税率も高くなります。特に、所得税は累進課税制度のため、課税所得が一定額を超えると税率が上がり、税負担が大きくなることがあります。
 

3. 役職手当は増えたが、残業代がなくなった

一般的に、課長以上の管理職は「管理監督者」とみなされ、残業代が支給されないケースが多くなります。その代わりに「役職手当」が支給されますが、もともと残業代を多くもらっていた人の場合、昇進後に収入が減ることがあります。
 

課長昇進後の手取り減少を防ぐための対策

昇進後に手取りが減るのを防ぐには、いくつかの方法があります。
 
まず、自社の給与体系を確認し、役職手当の金額や残業代の有無を把握しておくことが重要です。特に、これまでの残業代を役職手当で十分に補てんできる水準かを事前に確認しましょう。
 
また、手取りが減る場合は、副業や資産運用で収入を補うのも一つの手です。最近では、副業を認める企業も増えており、ブログや動画配信、フリーランス業務などで収入を得る人も増えています。
 
ただし、副業には会社規定や労働契約上の制約がある場合もあるため、事前に確認することが重要です。さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用し、税制優遇を受けながら資産形成を行うことで将来的な負担軽減にもつながります。
 
さらに、昇進後に税金が増えることを見越し、ふるさと納税や医療費控除などの節税対策を活用することで、税負担を軽減できます。特に、ふるさと納税は上限額が収入によって決まるため、昇進後に上限額が増える可能性があることを確認しておくとよいでしょう。
 

昇進が手取り減少につながらないように準備をしよう!

課長に昇進しても、手取りが減る可能性がある理由は、社会保険料や税金の負担増、そして管理職に伴う残業代の廃止などが挙げられます。
 
特に、給与の増加によって厚生年金や健康保険の負担が増えると、昇給分のほとんどが控除されてしまうことも珍しくありません。さらに、所得税や住民税の増加によって、思ったほど手取りが増えないケースもあります。
 
また、課長以上の管理職になると、残業代が支給されない企業も多く、役職手当だけでは以前の収入を維持できない場合もあります。そのため、昇進前に自社の給与体系を確認し、役職手当が十分かどうかを事前に把握しておくことが大切です。
 
手取りが減ることが予想される場合は、会社の規定を確認したうえで副業や資産運用を活用して収入源を増やしたり、ふるさと納税などの節税対策を活用したりすることで、負担を軽減することができます。昇進はキャリアアップのチャンスですが、思わぬ落とし穴がないように、しっかりと事前準備をしておきましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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