大学教授の「年収」は高いと聞きますが、どれくらいでしょうか?「国立」と「私立」で違いはあるのでしょうか?

配信日: 2025.02.21

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大学教授の「年収」は高いと聞きますが、どれくらいでしょうか?「国立」と「私立」で違いはあるのでしょうか?
「大学教授は高収入」というイメージを持つ人は多いでしょう。しかし、実際にはどれくらいの年収があるのでしょうか。また、国立大学と私立大学では給与に違いがあるのかも気になるところです。
 
本記事では、大学教授の平均年収について解説するとともに、国立大学と私立大学での給与の違いや、教授の収入の仕組みについても紹介します。さらに、教授が得られる副収入についても触れ、大学教授という職業の収入面の実態を探ります。
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大学教授の年収はどれくらい?

まずは、大学教授全般の年収について見ていきましょう。
 
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、大学教授(高専含む)の給与は月額66万6300円、年間賞与その他特別給与額は275万1500円で年収にすると1074万7100円となります。
 
また、年齢や経験によっても差があります。厚生労働省の同調査による年齢別の平均年収は以下のとおりです。

20~24歳:426万3600円(月28万200円、年間賞与90万1200円)
 
25~29歳:551万1000円(月35万9600円、年間賞与119万5800円)
 
30~34歳:637万8100円(月41万2100円、年間賞与143万2900円)
 
35~39歳:745万1400円(月46万8700円、年間賞与182万7000円)
 
40~44歳:944万400円(月59万8900円、年間賞与225万3600円)
 
45~49歳:1021万円(月63万1100円、年間賞与263万6800円)
 
50~54歳:1082万1900円(月66万5900円、年間賞与283万1100円)
 
55~59歳:1111万8400円(月68万4600円、年間賞与290万3200円)
 
60~64歳:1114万1800円(月68万4200円、年間賞与293万1400円)
 
65~69歳:1007万8300円(月64万9800円、年間賞与228万700円)
 
70歳以上:785万1100円(月56万4600円、年間賞与107万5900円)

ただし、これらはあくまでも平均で、年齢のほかにも大学の種類や規模、教授の経歴や役職などによって異なります。
 

国立大学と私立大学で年収の決め方はどう違う?

大学教授の年収は、国立大学と私立大学で異なる傾向があります。
 
文部科学省の「学校教員統計調査 令和4年度(確定値)結果調査」によると、大学教授の給与の平均月額は55万7000円です。国立大学の平均月額は53万4400円、私立では57万100円となっています。こちらの調査では賞与のデータはありませんが、この結果から国立と私立では給料額に若干の差があることが分かります。
 
次に国立・私立で給与の決め方など、それぞれの特徴を見ていきましょう。
 
国立大学の教授は、公務員に準じた給与体系で給与が決まります。教授の給与は年齢や勤続年数によって上がる仕組みになっており、特に安定しているのが特徴です。
 
一方、私立大学の教授の給与は、大学ごとの財政状況や給与規定によって決まるため、国立大学よりも年収の幅が広いのが特徴です。また、研究費や各種手当が充実している場合があり、給与以外の収入も期待できることが多いです。
 

大学教授の収入の仕組みとは?

大学教授の収入は基本給だけでなく、副収入の影響も大きいのが特徴です。主な収入源には、以下のようなものがあります。
 
1. 給与(本給)
 
大学から支払われる基本給です。前述のとおり、国立大学では公務員に準じた給与体系で、私立大学では大学の財政状況により異なります。
 
2. 講演料・セミナー報酬
 
教授は専門分野の知識を生かし、企業や学会で講演を行うことがあります。講演料の具体的な金額は状況によって異なりますが、1回数十万円、年間で数百万円の副収入を得るケースもあります。
 
3. 書籍の印税
 
専門書や一般向けの書籍を執筆することで、印税収入を得ることも可能です。特に人気のある教授は年間数百万〜1000万円以上の印税を得ることもありますが、学術書はあまり売れないため、多くの場合、印税は微々たるものでしょう。
 
4. 研究費・助成金
 
研究を行う教授は、国や企業から研究費や助成金を受け取ることができる場合があります。研究活動を支える重要な資金源となりますが、直接の給与とは異なるため、個人の収入にはなりません。ただし、大学によっては、専任教員に対して個人研究費を支給しているところもあります。
 

大学教授の年収は高いが、条件によって異なる

大学教授の年収は1000万円程度が一般的ですが、大学の種類や規模、教授の経験や役職によって異なります。国立大学の教授は安定した給与体系ですが、私立大学の教授は大学ごとに給与水準が異なります。
 
また、大学教授は給与以外にも講演料や書籍の印税などの収入源があるため、副収入によって年収が大きく変動する場合があります。
 
大学教授の年収は一般的に高い傾向にありますが、その分研究や教育活動に対する高い責任が求められる職業でもあります。大学教授を目指している場合は、収入面だけでなく、どのようなキャリアを築きたいのかを考えながら進むことが重要です。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 第1表、第5表
文部科学省 学校教員統計調査 令和4年度 第2部 大学等の部 教員個人調査 大学
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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