夫が係長から「課長」に昇進! 昇給を期待していたら「年収が下がるかも」と言われビックリ。責任が増したのに、年収が下がることがあるのでしょうか?
配信日: 2025.03.27

ただ、実際には管理職になることで残業代が支給されなくなり、年収が昇進前よりも低くなるケースがあります。責任が増したのに年収が下がるのはなぜなのでしょうか。
本記事では管理職に残業代が支給されない理由と、その根拠に関わる管理監督者の定義について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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一般的に「管理職」に昇進した場合は残業代が支給されない
会社組織において、一般的には昇進すればするほど、基本給が上がって年収が高くなっていきます。ただし、課長やマネージャーなど「管理職」に該当する場合は、一般的に残業代が支給されません。
管理職に残業代が出ない根拠となっている法令は、「労働基準法」です。労働基準法41条の2号で「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)」に該当する場合、労働時間や休憩、休日に対する適用が除外されると定められています。
多くの企業では課長などのいわゆる「中間管理職」になると「管理監督者」に該当するとみなされ、一般的に残業代は支給されなくなります。
仮に係長から課長に昇進して月の基本給が5万円アップしても、係長時代に毎月8万円分の残業をしていたケースでは月収が3万円低くなることもあります。
管理職=管理監督者ではない
一般的に課長などの管理職に残業代が出ない理由は、課長が「労働基準法上の管理監督者」に該当しているとみなされているからです。
管理監督者とは、労働条件の決定や労務管理について、経営者と一体的立場にある人のことを指します。
管理監督者に当てはまるかは、肩書きではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様などの実態に基づいて判断されます。そのため、中間管理職なら直ちに残業代を支給しなくて良いわけではありません。
例えば肩書きは課長でも、業務内容が一般職と何ら変わらない、会議で発言権や決定権がない、管理監督者に見合った報酬や待遇でないなどの場合は、管理監督者に該当しない可能性が高いです。
管理監督者でなければ残業代の不支給は違法であり、残業代を請求できる可能性が高いです。
自分が管理監督者に該当するかをチェックするポイント
管理職になり、残業代を得られないことに不満を感じている人は、念のため「自分が管理監督者に該当するか」を確認してみましょう。
まず、管理監督者は採用や解雇、配下の社員の人事考課や労務管理といった重要な職務内容を有し、幅広い権限と責任を有しています。自身の業務内容が一般社員と変わらず、特段の権限もない場合には「名ばかり管理職」であり、残業代を請求できる可能性があります。
また、管理監督者は経営者と一体となり、時を選ばず経営的な判断や対応を求められます。一般の従業員と同様、出退勤の時間が決まっていて、遅刻や早退などが厳格に決められている場合は管理監督者とはいえません。
そのほか、重要な任務に就いていることに対して、一般の労働者と比較して相応の待遇がなされることも管理監督者に該当する要件です。支給された賃金の総額が一般の従業員の賃金と同じくらいの場合、管理監督者とはいえない可能性があります。
まとめ
一般的な企業で管理職になると残業代が支給されませんが、残業代の不支給が法的に問題ないのは管理職が「管理監督者」に該当する場合です。
業務内容や出勤時間帯の定めが一般社員と変わらず、課内の人事や労務管理に権限を有していない場合は「名ばかり管理職」に該当し、残業代を請求できる可能性があります。
昇進したのに残業代がなく年収が減ってしまったという人は、自身が管理監督者に該当するかどうか、今一度確認してみましょう。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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