もうすぐ「夏ボーナス」が支給されるけど“社保・税金”はどれだけ引かれる? 2024年冬ボーナスの平均「50万2656円」を例に解説
本記事では、民間企業の冬の賞与の平均をもとに手取りについて解説するとともに、国家公務員の賞与についても紹介していきます。
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2024年冬の賞与の平均は?
「ジョブカン」の調査によると、2024年冬の賞与の平均は50万2656円でした。男性が平均61万8372円、女性が平均35万2329円となっています。
50万2656円は額面なので、社会保険料や税金が引かれてしまうので手取りは低くなります。手取りを計算する上で、ここでは東京都在住の40歳で扶養親族なし、毎月の給与を40万円として計算していきます。
健康保険料
健康保険料は協会けんぽの保険料額表と、賞与額から1000円未満の端数を切り捨てた額50万2000円で計算します。
40歳の場合は介護保険料もかかる介護保険第2号被保険者になり、保険料率は11.58%です。健康保険は企業と折半になるので、50万2000円×11.58%÷2=2万9065円となります。
厚生年金保険料
賞与の厚生年金保険料は、賞与額から1000円未満の端数を切り捨てた額に保険料率18.3%を乗じて算出します。
厚生年金保険料も健康保険料と同様に企業と折半になるので、50万2000円×18.3%÷2=4万5933円になります。
雇用保険料
雇用保険料は0.6%なので、50万2656円×0.6%=3016円です。
所得税
所得税は、前月の給与から社会保険料を控除した金額から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」によって所得税率が決まります。事例の場合は前月給与40万円に健康保険料が2万3739円、厚生年金保険料が3万7515円、雇用保険料が2400円なので、給与から社会保険料を引いた金額は33万6346円です。このことから所得税率は10.210%になります。
賞与50万2656円から健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を差し引いて算出される所得税は4万3355円です。
手取り額は38万1287円
賞与50万2656円から健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税を差し引くと手取り額は38万1287円になります。社会保険料や税金で12万1369円も引かれることがわかりました。
国家公務員の賞与は約65万円
国家公務員の2024年冬の賞与は平均で約65万2800円です。国支給月数は2.210ヶ月となっています。民間企業の平均は50万2656円だったので、その差は15万144円です。
何がどれだけ引かれているのかについても確認を
民間企業の冬の賞与の平均は前年よりも多く、今後も増加していくことが予想されています。しかし、社会保険料や税金が多く引かれてしまうので、手取り額は40万円弱ほどのようです。
現在は「103万円の壁」について与野党で協議されており、手取り額が上がる可能性があります。これは103万円を超えて働いている会社員についても関係することです。基礎控除の上限が上がれば、来年以降からは賞与についても手取り額が上がる可能性もあります。
まとめ
額面の金額が上がることは良いことですが、引かれてしまう社会保険料や税金も上がってしまうと実質的には収入が減ってしまうので注意が必要です。額面の金額だけでなく、何がどれだけ引かれているのかについても確認してみましょう。
出典
株式会社DONUTS 2024年の賞与支給実績(PR TIMES)
協会けんぽ 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
厚生労働省 令和6年度の雇用保険料率について
国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和6年分)
内閣官房内閣人事局 令和6年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
