2024年の「新卒の年収」は前年より「13万2000円増」!? 「業種別」に金額の違いはある?
本記事では、2024年の新卒者の収入を紹介するとともに、前年度・前々年度からの推移や、業種による金額の差、増加した理由として考えられるものについてもまとめています。
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目次
新卒者の年収の推移はどのくらい?
2025年3月に厚生労働省より公表された、「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」によると、新規学卒者の平均賃金は大学卒の場合で24万8300円(男女計)です。
2022年から2024年までの新卒者の収入の推移は、表1のようになっています。
表1
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|
| 新規学卒者の平均賃金 (大学卒) |
22万8500円 | 23万7300円 | 24万8300円 |
※筆者作成
2022年と比較すると2024年は平均賃金が1万9800円、2023年と比較すると1万1000円増加しています。1年に換算すると2022年と比較して23万7600円、2023年と比較すると13万2000円の増加となります。
ただし、上記は1ヶ月の給与のみのデータで賞与は含まれていません。そのため、賞与も考慮すると差が変わってくる可能性があるでしょう。
新卒者の収入に業種による差はある?
新卒者の収入は業種によって差があるため、どのような業種が最も高く、ほかの業種とどのくらい差があるのか確認してみましょう。
令和6年度の産業別にみた平均賃金のうち、大学を卒業した新卒者が多く含まれると予測される「20~24歳」の層で最も高かったのは「鉱業、採石業、砂利採取業」の26万7400円です。次いで「不動産業、物品賃貸業」の25万9600円、「金融業、保険業」の25万500円となっています。
一方、20~24歳の層で平均賃金が最も低かったのは「複合サービス業」の21万3500円で、次いで「製造業」の21万6800円、「宿泊業、飲食サービス業」の22万1000円となっています。
平均賃金が最も高い「鉱業、採石業、砂利採取業」と最も低い「複合サービス業」の差は、5万3900円です。これらのことから、新卒者の収入は業種別に金額の差があるといえるでしょう。
新卒の収入が増加した理由として考えられるもの
企業が初任給を引き上げている背景には、少子高齢化や働き方の多様化などによる人材不足があると考えられます。優秀な人材を確保するために他企業よりも賃金を高くし、新卒採用市場での競争に勝つ必要があるのでしょう。
初任給を引き上げることは、企業のブランディング戦略にも深くかかわってくる可能性があります。
また、物価上昇への対応として初任給を引き上げている企業もあると考えられます。給料がほとんど生活費に消えてしまうようでは、働くためのモチベーションにも影響するでしょう。新入社員が安心して生活できるようにすることは社員の定着率を上げることにもつながる可能性があります。
2024年の新卒者の収入は前年より13万2000円増加|最も高い業種は「鉱業、採石業、砂利採取業」
近年、新卒者の収入は年々増加傾向にあります。2024年の平均賃金は大学卒の場合で、24万8300円です。賞与を除いた年収ベースでは、前年より13万2000円増えていることが分かりました。
また、業種による違いもあり、最も高いのは「鉱業、採石業、砂利採取業」、次いで「不動産業、物品賃貸業」となっています。企業が初任給を引き上げている理由には、少子高齢化などによる人材不足の中、優秀な人材を確保しようとすることや、物価上昇への対応などがあるでしょう。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
