看護師はよく高年収と言いますが、「個人クリニック勤務で日勤のみ」と「病院勤務で夜勤あり」では、どのくらいお給料は違うのでしょうか?

配信日: 2025.06.22 更新日: 2025.10.21
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看護師はよく高年収と言いますが、「個人クリニック勤務で日勤のみ」と「病院勤務で夜勤あり」では、どのくらいお給料は違うのでしょうか?
医者や看護師など、医療系の職種は給料が高いといわれています。職場によって業務内容や負担の大きさに違いはありますが、人の命に関わるため、責任が重いことがその理由の一つです。
 
本記事では、看護師がどのような職場で勤務すると高収入を得られるのかを解説します。看護師として働きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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看護師の平均収入

総務省統計局が公表している「厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に算出すると、規模が1000人以上の病院で働く看護師の平均月収は38万7700円、年収は564万8400円です。
 
なお、看護師のお給料は継続年数や役職のみではなく、職場や勤務形態によっても差が生じます。
 

お給料の内訳

看護師の月収は、ベースである基本給に残業代・夜勤手当などの各種手当で構成されています。さらに年2回のボーナスを加えた額が年収となり、基本給以外の残業代や各種手当が多いほどお給料も高くなる傾向があります。以下で各項目の詳細を説明しましょう。
 

基本給

基本給は、経歴や継続年数などで決められており、各種手当を一切含まないお給料のベースを指します。公益社団法人日本看護協会が公表している「2024年病院看護実態報告書」によると、経歴ごとの初任給の平均基本給は大卒が21万5614円、高卒・3年課程卒が20万9697円です。
 
勤続10年目の非管理職の平均基本給は25万380円なので、経験を積み重ねると金額も上昇することが分かります。
 

残業代

残業代は、法定内外や深夜残業、休日出勤など種類によって金額が異なり、時間外残業は時給×1.25、深夜残業は時給×1.5で計算します。例えば前述の基本給を基に、大卒の人が1ヶ月(160時間と仮定)で法定外残業を5時間した場合の残業代は約8400円、全て深夜残業の場合は約1万円です。
 

夜勤手当

夜勤は3つの形態に分けられ、それぞれ金額が異なります。公益社団法人日本看護協会が公表した「看護職員の夜勤手当額(全体)によると、夜勤手当の平均額は、二交代制では1万1368円、三交代(準夜勤)では4234円、三交代(深夜勤)では5199円です。準夜勤とは夕方から深夜までの勤務を指し、深夜勤は深夜から朝方までの勤務をいいます。
 
1ヶ月の平均回数は二交代制では4、5回、三交代制では7、8回です。夜勤手当はお給料の中でも大きな割合を占めており、特に二交代制は長時間の勤務で負担が大きい分金額も高い傾向にあります。夜勤が多い職場では、月に4~5万円稼ぐことも決して珍しくありません。
 

ボーナス

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模計1000人以上の病院で働く看護師のボーナス平均額は99万6000円です。これは年2回(夏と冬)の合計額であるため、1回のボーナスは上の金額を二分して約49万8000円です。
 
ボーナスは基本給をベースに計算されるため、働き始めて数年は少なくても勤続年数に伴って上昇します。そのため、勤続年数が長いほど多くのボーナスがもらえます。
 

病院と診療所で年収を比較

看護師のお給料に関して理解した上で、最後に一般の病院と診療所で見比べてみましょう。表1は、開設者別で見る看護職員の平均給料です。一般病院と一般診療所で共通する項目を抜き出しています。
 
表1

平均月収 ボーナス 平均年収
一般病院:医療法人 約32万円 約78万3000円 約463万3000円
一般病院:個人 約38万8000円 約74万4000円 約539万9000円
一般病院:全体 約34万9000円 約102万1000円 約520万9000円
一般診療所:医療法人 約28万5000円 約67万5000円 約409万2000円
一般診療所:個人 約25万6000円 約60万円 約366万7000円
一般診療所:全体 約28万円 約67万5000円 約404万5000円

出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-令和5年実施-」を基に著者作成
 
一般病院(全体)と一般診療所(全体)で比較すると、月収には約7万円の差があります。この差が生まれる大きな要因の一つは、各種手当の多さです。
 
病院では残業と夜勤で月に4~5万円稼ぐことが可能なため、それがほとんどない診療所ではお給料は少ない傾向にあります。ボーナスも約30万円の違いがあり、全体の年収で比較すると、100万円以上の差が生じています。
 

高収入を得るなら大規模な病院勤務

看護師として高収入を目指す場合は、規模が大きく、夜勤や残業が多い職場への就職がおすすめです。仕事量が多く、必然的に夜勤も残業もすることになるため、各種手当によって高収入を得やすくなるでしょう。
 
一方で、お給料が高い仕事は心身への負荷が大きく、疲れをため込むと体調を崩しやすいことを理解しておいてください。大きい病院で無理のない程度に残業と夜勤を行い、手当を稼いで理想のお給料を目指しましょう。
 

出典

総務省統計局(e-Stat) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
公益社団法人日本看護協会
 2024年病院看護実態調査報告書(20ページ)
 2024年看護職員の夜勤手当額(全体)
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(297,298,306ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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