34歳で「年収400万円」を超え喜んでいたら「平均以下」と知り絶句…! 貯金も少ないなら、65歳まで働いても“お先真っ暗”ですか?「年金受給額・生活費」をシミュレーション

配信日: 2025.07.23 更新日: 2025.10.21
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34歳で「年収400万円」を超え喜んでいたら「平均以下」と知り絶句…! 貯金も少ないなら、65歳まで働いても“お先真っ暗”ですか?「年金受給額・生活費」をシミュレーション
就職したときに比べて年収が徐々に高くなっていくのは、誰にとってもうれしいことでしょう。しかし、年収が400万円を超えたのに平均より下だと聞くと、少しガッカリするかもしれません。それどころか、貯金が少ないようだと老後の生活に不安を感じることもあるでしょう。
 
本記事では、年収400万円は多いのか少ないのか、また、その年収での年金受給額など、老後生活の収支がどのようになるのかも解説します。老後資金対策の一例も紹介しますので、参考にしてください。
松尾知真

FP2級

年収400万円は平均より少ないのか?

国税庁が公表している「令和5年分民間給与実態統計調査」によれば、民間企業の給与所得者で、1年を通じて勤務した人の平均年収は460万円です。そのため、年収400万円は平均に達していません。
 
ただ、年収は年齢や経験を重ねるごとに高くなる傾向があります。実際に同調査の平均年収を年齢別に見ると、20歳代後半では394万円、30歳代前半では431万円となっており、34歳で400万円を超えていれば、極端に少ないわけではありません。
 
また、年収の全体分布を見ても、年収400万円以下の人の割合はちょうど50%ぐらいです。したがって、年収400万円はむしろ平均的な年収と考えても差し支えないでしょう。
 

年収400万円なら老後は不安なのか?

では、仮に年収400万円でずっと働き続けると仮定した場合、老後生活の収支はどうなるでしょうか。受給可能な年金額と必要とされる生活費をもとに試算してみます。
 
前提として、国民年金は20歳から加入し、大学卒業後の22歳から年金をもらう65歳まで43年間会社員として働いたと仮定します。国民年金は20歳から60歳まで加入することで、老齢基礎年金は満額の83万1696円(令和7年度)を受給可能です。
 
次に、厚生年金の報酬比例部分は「平均標準報酬額×5.481÷1000×厚生年金加入月数」の計算式で算出します。
 
年収400万円での平均標準報酬月額は400万円÷12ヶ月=約33万3000円とみなすことが可能です。
 
そのため、報酬比例部分の年金額は33万3000円×5.481÷1000×516ヶ月=約94万円となります。老齢基礎年金と合わせた年金額合計は83万1696円+約94万円=177万1696円となり、月額では約14万7000円です。
 
一方、65歳以降にかかる老後の生活費は、総務省の家計調査報告から推測できます。
 
65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出は、図表1のとおり月平均14万9286円で、年金額と大きな差はありません。
 
図表1

図表1

 
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
 
もちろん、税金や社会保険料などの非消費支出に加え、万一の際への備えや自身の介護費用なども考慮すると、老後に向けたじゅうぶんな備えは大切です。しかし、退職金なども老後資金としてうまく活用できれば、「お先真っ暗」と悲観するほどの状況ではないでしょう。
 

30代であれば、老後に向けた選択肢は多い

まだ30代で、年金受給まで30年ぐらいの時間があれば、老後資金を確保するための対策には数多くの選択肢があります。1つのシンプルな例ですが、少し生活の収支を見直し、月2万円でも捻出できれば、30年の間に2万円×12ヶ月×30年=720万円もの貯蓄が可能です。
 
さらに、その貯蓄を積立投資に回し、NISA口座で30年間3%の利回りで運用すれば、図表2のとおり、運用益は非課税のまま1165万円まで金融資産が増やせます。
 
図表2

図表2

 
金融庁 つみたてシミュレーター
 
また、掛金が全額所得控除の対象となるiDeCoを活用すれば、運用しながら節税も可能です。
 
もちろん、運用にはリスクもあり、想定どおりにいかないことが多いかもしれません。しかし、時間は資産を増やしていく上で大切な要素になります。残された時間が多い30歳代の人で、一定の年収があれば、老後資金の対策は十分可能でしょう。
 

まとめ

自分の年収が、周りと比べて多いのか少ないのかが気になる人は多いしょう。400万円の年収は、平均より少ないといっても大きな差はなく、受給可能な年金額などを考えても、老後を悲観する必要はありません。
 
何より30代であれば、老後に向けた資産を増やすための選択肢は豊富にあります。まずは、生活の収支を見直してみるなど、できることから手を付けてみてはいかがでしょうか。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
金融庁 つみたてシミュレーター
 
執筆者 : 松尾知真
FP2級

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