東証プライム上場企業の「2025年夏のボーナス」平均支給額は過去最高の86万円!? 増えたボーナス、どう使うのが正解?
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
2025年のボーナスは増加傾向
一般社団法人労務行政研究所の調査によると、東証プライム上場企業114社の夏季ボーナスの平均額は、86万2928円となっています。これは、前年に比べて3.8%アップで、1970 年の調査開始以来、過去最高額となりました。
また、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が4月にリリースした「2025 年夏のボーナス見通し」によると、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは、前年に比べて2.6%アップと4年連続で増加が見込まれています。そして、平均支給額の見通しは42万5373円となっています。
2025年の夏は、上場企業やそれ以外の企業も、全体的にボーナスが上がると考えられています。
公務員のボーナスは大幅アップ
次に、公務員のボーナスについてチェックしていきます。内閣人事局によると、国家公務員の夏のボーナスについて、管理職を除いた職員(平均年齢33.1歳)の平均額では、約70万6700円となっています。これは、前年比べておよそ4万7300円アップ、7.2%アップと大幅増加となりました。
公務員のボーナスも、ここ3年間増加傾向が続いています。
賢いボーナスの使い方
ボーナスが増えることは、家計にとって大変うれしいニュースです。しかし、最近の日本の急激な物価高を考えると、ボーナスの増加は物価高を反映しているともいえます。つまり、会社員や公務員のボーナスアップは、物価高に私たちの収入が少しずつ追い付いてきていると考えられます。
ただし、最近の物価事情を考慮せず、ボーナスをすべて自分のご褒美として散財してしまうと、すぐにお金がなくなってしまう危険性があります。ボーナスは、計画的に管理するのがおすすめです。
まずボーナスは、全額生活費用の口座から貯金用の口座に移してしまいましょう。そうすることで、いつの間にかお金を使ってしまうという状況を回避することができます。
そして、住宅ローンが残っている場合は、繰り上げ返済を行うのがすすめです。支払わなければならない金利を減らし、家計の借金を軽減できます。
また、ボーナスの使い道が決まっていない方や、当面大きなお金を使う予定がない方は、資産運用に挑戦してみましょう。特に、非課税で投資ができるNISA口座を活用するのがおすすめです。
もちろん、投資なので損をする可能性もあります。しかし、長期運用を行えば、銀行の普通預金口座に預けておくよりも、お金が大きく増えることが期待できます。ボーナスはあくまでも臨時収入なので、投資の元本に活用するにはぴったりだといえるでしょう。
さらに、ボーナスの一部を自分へのご褒美に使っても構いません。ただし無計画な散財は危険です。ボーナスのうち、いくらご褒美に使うのか、事前に予算を決めておき、それを超えないように注意しましょう。
まとめ
ここ数年、ボーナスは増加傾向が続いています。物価上昇で家計が苦しいと感じていた方にとっては、大変ありがたいニュースです。増加したボーナスを有効に使うには、計画性や予算を決めることが大切です。いつの間にかお金を使い切ってしまうことがないよう、注意しましょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2025年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 2025 年夏のボーナス見通し
内閣官房内閣人事局 令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
