婚活で「自分より高年収な人」は“高望み”ですか? 30代「年収800万円」以上の男女割合はどのくらい? 統計をもとに検証

配信日: 2025.08.31 更新日: 2025.10.21
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婚活で「自分より高年収な人」は“高望み”ですか? 30代「年収800万円」以上の男女割合はどのくらい? 統計をもとに検証
婚活において、相手の収入は重要視される条件の1つです。特に将来の生活設計のため、自分より高収入の相手を希望する人も少なくはないでしょう。
 
実際に自分より高年収な人、もっと希望を上げて「年収800万円以上」という条件は、婚活市場ではどの程度現実的なのでしょうか。本記事ではアンケート調査や公的統計をもとに、希望条件と実際の年収分布・未婚率を比較します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

婚活女性の理想年収は500~600万円が最多

婚活支援サービスのオミカレが行ったアンケート調査では、女性の約半数(52%)が結婚相手に望む年収として「500~600万円」を挙げています。このゾーンは婚活市場で最も多く選ばれる理想額で、生活費や将来の教育費などを見据えた際に安心感を与える水準と考えて良さそうです。
 
一方、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、30~34歳の女性給与所得者の平均年収は345万円、35~39歳では336万円にとどまります。つまり、多くの女性は自分の年収よりも年収が150万円~250万円ほど高い相手を希望していることになるのです。
 

男性の平均年収と“条件を満たす未婚者”の少なさ

では、女性が相手に求める年収のボリュームゾーンである「年収500~600万円」やさらに高望みした「年収800万円以上」の男性は、実際にどれくらいいるのでしょうか。
 
国税庁の同調査によれば、30~34歳男性給与所得者の平均年収は492万円、35~39歳では556万円です。女性が希望する500~600万円は、30代前半では平均よりやや高め、30代後半ではほぼ平均水準ということになります。また、800万円以上は平均の1.5倍程度の水準です。
 
同調査では30代の年収分布は明らかにされていないので、dodaの調査で30代の年収分布をもう少し詳しくみていきましょう。
 
dodaの調査によると、30代の年収分布は500~600万円未満が15.8%、600~700万円未満が9.0%、700~800万円未満が4.3%。800万円以上では、800~900万円が2.3%、900~1000万円が1.2%、1000万円以上が1.8%です。
 
30代で年収500万円以上の割合は全体の34.4%にとどまり、800万円以上はさらに少なくわずか5.3%に過ぎません。
 
上記は男女合算の数字であるため、男性に限ると少しは割合が大きくなると予想されますが、それでも500万円以上の男性は少数派である可能性が高いでしょう。
 
また、内閣府の分析では、男性は年収が高くなるほど未婚率が低下することが分かっています。年収別の未婚率(2022年、30代有業者、男性)は、年収300万円台が50.5%であるのに対し、500万円台は26.9%、800万円以上では17.3%にまで下がっているのです。
 
この数字を前記の年収分布と掛け合わせると、「800万円以上かつ未婚」の30代はほんの一握りであることが分かります。
 

データだけをみると年収800万円以上という条件は高望み

さまざまな調査結果を総合的に分析すると、30代の婚活市場において、年収800万円以上はもちろん、女性の半数が望む「年収500~600万円」という希望を満たす男性は、決して多くないことが分かります。
 
希望条件を持つことは大切ですが、現実のデータを踏まえて条件の優先順位や幅を柔軟に見直すことが、出会いのチャンスを広げる近道です。
 
例えば、現在の年収だけでなく将来の収入増が見込める職業や、価値観・生活スタイルの一致といった要素も重視することで、より現実的なマッチングができるかもしれません。婚活における「理想」と「現実」を数字で可視化することが、納得のいく選択につながるでしょう。
 

出典

株式会社オミカレ 「結婚とお金」に関する意識調査(PR TIMES)
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
パーソルキャリア株式会社 doda 平均年収ランキング(年齢別・年代別の年収情報)【最新版】
内閣府 令和5年度年次経済財政報告 第2-2-6図 男女別にみた年収区分別の未婚率
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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