「40歳・年収400万円」の片働き家庭。妻に「年収300万円くらい稼いでほしい」と伝えても、“周りでそんなに稼ぐ人はいない”とのこと。40代既婚女性で稼ぐ割合はどのくらいですか?

配信日: 2025.09.06 更新日: 2025.10.21
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「40歳・年収400万円」の片働き家庭。妻に「年収300万円くらい稼いでほしい」と伝えても、“周りでそんなに稼ぐ人はいない”とのこと。40代既婚女性で稼ぐ割合はどのくらいですか?
物価高が続く昨今、生活が厳しいため、扶養内で働く妻に「もっと働いてほしい」とお願いすることもあるかもしれません。例えば、現在パートで働く妻に年収300万円を稼いでほしいと願うことは、現実的なのでしょうか?
 
本記事では、子育て世帯の世帯年収や既婚女性の収入の平均値を紹介したうえで、夫婦でどう生活を改善すべきか解説します。
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子育て世代の世帯平均年収

厚生労働省の「2024(令和6)年国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯あたりの平均年収は約536万円です。そのため、夫が年収400万円の場合、妻が扶養内のパートで100万円ほど稼げば、世帯年収は合計で500万円程度になります。一見すると平均値に近い水準に見えるため、生活に大きな問題はないと考える人もいるでしょう。
 
しかし、これは「全世帯」の平均年収であり、子育て世帯に限定すると事情は変わってきます。同調査によると、「児童のいる世帯」の平均年収は約821万円です。世帯年収が約500万円では、子育て世帯の平均世帯年収から見れば低い水準だといえるでしょう。
 

妻に年収300万円を求めることは現実的か?

それでは、パート勤務の妻に年収300万円を求めることは現実的なのでしょうか?
 
マイナビによると、2025年6月のアルバイト・パートの全国平均時給は約1300円です。この時給で1日8時間働くと1万400円、1ヶ月(週5・20日勤務)では20万8000円、1年間(12ヶ月)では約250万円稼げます。
 
計算上は年収300万円にそこまで遠くはありません。しかし、子育てや家事をしながら、週5でこの時間働くことは難しい場合も多いでしょう。
 
実際、内閣府男女共同参画局が2022年に公開した「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、40代既婚女性で年収300万円以上稼ぐ割合は20%強程度しかいません。
 
そのため、妻が「周りに年収300万円も稼ぐ既婚女性はいない」と言ったとしても、その感覚は大きくずれてはいないでしょう。
 

夫婦で生活を改善する現実的な方法

それでは、家庭の収入構造を改善するためには、どうすれば良いのでしょうか。現実的な方法をいくつか見ていきます。
 
1. 転職・収入アップを目指す
夫または妻が、より収入の高い仕事へ転職するという選択です。
 
例えば、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、40~44歳男性の平均年収は612万円です。本ケースの夫は40歳で年収400万円とのことなので、同世代の平均年収と比べるとやや低いといえそうです。
 
平均年収は、勤める業界によって大きく異なります。夫が、スキルやキャリアを生かすことができ、年収アップが見込める会社へ転職することで、世帯収入の底上げが図れることもあるでしょう。
 
2. 副業や兼業を取り入れる
すぐに転職が難しい場合、副業や兼業も選択肢の1つです。クラウドソーシングなどを利用して月5~10万円程度稼ぐことができれば、年間にして60~120万円の副業収入となります。家計の収支は好転するでしょう。
 
3. 夫婦の役割分担の見直し
妻が働きやすい環境を整えるため、夫が家事・育児の負担を増やす、柔軟な働き方や勤務時間に変更するなど、夫婦間での協力体制を強化することも有効です。
 
4. 支出の見直し・家計の最適化
特に固定費(保険・通信費・住宅ローンなど)を削減することで「生活が厳しい感」を軽減し、収入に対するプレッシャーを和らげることが可能です。
 

まとめ

夫が年収400万円、妻が扶養内で働くパートという組み合わせでは、子育て世帯の平均年収を下回る可能性が高くなります。そのため「妻にも年収300万円ほど稼いでほしい」という思いが生まれるのは理解できますが、現実的には高いハードルがあります。
 
生活を改善するためには、転職によって収入を上げる、副業を取り入れて収入源を増やす、夫婦間の家事や育児の分担を調整して妻が働きやすい環境をつくる、さらには固定費を中心とした支出を削減するなど、さまざまな工夫が考えられます。
 
単に「妻がもっと稼げばいい」という発想ではなく、夫婦で協力しながら現実的な選択肢を組み合わせていくことこそが、家計の安定と生活の改善につながるでしょう。
 

出典

内閣府男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ
厚生労働省 2024(令和6)年国民生活基礎調査の概況
株式会社マイナビ マイナビキャリアリサーチLab 2025年6月度 アルバイト・パート平均時給レポート
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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