「年収5000万円と聞いてたのに…」結婚相談所で会った相手と結婚! 高収入は事実なのに“生活に余裕がない”理由とは? 結婚前に確認すべきポイントを解説

配信日: 2025.09.21 更新日: 2025.10.21
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「年収5000万円と聞いてたのに…」結婚相談所で会った相手と結婚! 高収入は事実なのに“生活に余裕がない”理由とは? 結婚前に確認すべきポイントを解説
経済力だけが全てではありませんが、結婚相談所で「年収5000万円」と聞けば、多くの人が「裕福な生活ができそう」と期待するでしょう。マイホームの購入、子どもの教育費、海外旅行、そんな豊かな未来を描く人も少なくないのではないでしょうか。
 
ところが、実際に結婚してみると「思ったほど生活にゆとりがない」ケースがあります。なぜ、高収入なのに生活が苦しくなるのでしょうか。
 
実は、その背景には、「年収」という言葉への大きな誤解が隠れているのです。本記事では、年収5000万円でも生活が厳しくなる実態を分かりやすく解説し、結婚前に確認しておきたいポイントを紹介します。
竹下ひとみ

FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。

現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。

「年収5000万円」とは必ずしも可処分所得ではない

まず理解しておきたいのは、「年収5000万円」という言葉が、必ずしも「自由に使えるお金」を意味しないという点です。特に個人事業主やフリーランスの場合、「年収」とは売上高、いわゆる「年商」を指すことがあるのです。
 
例えば、飲食店を経営している人が「年収5000万円」と明言していたとしても、実際はお店の売上が5000万円というだけの可能性があります。この場合、店舗の家賃、人件費、仕入れ代などで年間4000万円の経費がかかれば、残る所得は1000万円です。
 
そこから所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金などの社会保険料を支払うと、実際に生活に使える金額はさらに減り、700万円ほどになるケースもあります。そのため、数字だけ見れば「年収5000万円」ですが、実態はごく普通の会社員家庭と変わらない場合すらあるのです。
 

生活に余裕がなくなる具体的な理由

「高収入なのに苦しい」と感じる背景には、次のような事情が考えられます。
 

・経費で消えるパターン

年商が大きくても、オフィスの賃料や人件費、仕入れ、広告費などがかさめば、手元にはわずかな所得しか残りません。
 

・不安定な収入

個人事業主の収入は、景気や契約次第です。仕事が減れば、一気に収入が落ち込みます。そのため、生活費よりも貯蓄を優先する人もおり、日常のゆとりは意外と小さいのです。
 

・信用維持の出費

清潔感のある身なりや小ぎれいな装いは、ビジネスにとって必須条件とも言えます。業種によっては、高級車やブランド品が信頼の証として扱われることもあるでしょう。
 
こうした出費は必要な投資ですが、結果として家計を圧迫する出費にもなりえるのです。これらの事情が重なることで、「5000万円=ぜいたくできる」とは限らないのが現実です。
 

結婚前に確認すべき「実際に使えるお金」

では、結婚を考えるときに、どうすれば相手の本当の収入を見極められるのでしょうか。ポイントは「年収の額面」ではなく、実際に生活に使えるお金、つまり手取りや課税所得を確認することです。
 
 

・個人事業主の場合

確定申告書の控えを見せてもらうのが、一番確実でしょう。確定申告書には、売上と経費、最終的な所得が記載されています。これを確認すれば、実際にどのくらいの利益が残っているかが一目瞭然です。
 

・会社員の場合

源泉徴収票を見ると、手取りの目安がつかめます。総支給額と控除後の金額が記載されているため、実際に生活費に回せるお金がどの程度なのかが分かるのです。もっとも、実際には直接「収入を見せて」と言いにくいものかもしれません。そこでおすすめなのが、ライフプランの話を切り口にする方法です。


「将来の教育費をどう見込んでいるか」
「住宅購入やローン返済をどう考えているか」
「毎月どのくらい貯蓄しているか」

こうした会話から、相手の家計にどの程度余裕があるのかを推測できます。正確な数字までは分からなくても、生活に直結する実際の収入を知る手掛かりになるのです。
 

まとめ

「年収5000万円」と聞くと、うらやましい気持ちになるものかもしれませんが、それがそのまま、ぜいたくな暮らしを保証するわけではありません。特に個人事業主の場合は、経費・税金・社会保険料を引いた後に残る手取りは、想像以上に少ないこともあります。
 
結婚は、生活を共にする大きな決断です。金銭面についてしっかりと確認し、現実的なライフプランを描けるかどうかを判断することが大切です。
 

出典

国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
 
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

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