【ランキング】東京23区でもっとも「高年収」な区は? 5位「目黒区」4位「中央区」3位以上は“平均1000万円”超!? データをもとに解説

配信日: 2025.10.22
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【ランキング】東京23区でもっとも「高年収」な区は? 5位「目黒区」4位「中央区」3位以上は“平均1000万円”超!? データをもとに解説
「東京23区」と一口で言っても、場所によって街の雰囲気は全く異なります。各地域における住民の年収額と、住宅の家賃相場に相関はあるのでしょうか。
 
今回は、東京23区住民の「年収と家賃」にまつわる実態を、公式データから調べます。総務省の統計から算出した「課税対象所得ランキング」と、大手不動産サイトを参考にした「家賃相場ランキング」を見ていきましょう。あなたの住む区は何位にランクインしているでしょうか。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

東京23区の「課税対象所得ランキング」を公開

まず、東京23区における納税者一人あたりの「課税対象所得額」を調べてみましょう。総務省の作成した「令和6年度 市町村税課税状況等の調」から、「第11表 課税標準額段階別令和6年度分所得割額等に関する調(合計)」を参照して割り出したランキングが図表1です。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
1位の港区と23位の足立区では、課税対象所得に4倍以上の開きがありました。特にトップ3区(港、千代田、渋谷)は他の区の所得額を大きく引き離しており、「都心」とそれ以外のエリアで明確な収入の壁が存在することが分かります。
 
トップ3の港区、千代田区、渋谷区には、いくつかの共通点があります。
 
・大企業の本社集中エリアであること
これらの区には、日本を代表する大企業の本社や、外資系企業の日本法人が集中しています。当然、そこで働く役員や管理職、高給与の専門職が多く住むことになり、区全体の平均年収を押し上げています。
 
・経営者・富裕層が多く住む高級住宅街の存在
番町(千代田区)、麻布・白金(港区)、松濤(渋谷区)など、誰もが知る超高級住宅街を抱えているのも特徴です。企業の経営者や創業者一族、医師、弁護士といった高所得者が多く居住しています。
 
・タワーマンションの林立
近年、これらのエリアでは大規模な再開発が進み、数億円単位で取引されるタワーマンションも多く建設されました。節税対策や資産としてタワーマンションを購入する富裕層が増えたことも、高所得者層の流入を加速させています。
 
また、最近はさらに都心部の不動産相場が高騰していることもあり、居住用不動産を持つ層と「賃貸派」の層の資産格差が広がっています。
 
高年収エリアは「稼げる職場」と「ステータスある住居」が密接に結びついた場所であり、それらが相互に作用しあって高所得者層を惹きつけていると言えるでしょう。
 

「家賃相場ランキング」と「課税所得ランキング」を並べてみると

次に、東京23区における「家賃相場ランキング」を見てみましょう。
 
大手不動産サイトSUUMOを参考にして作成した、「2LDK/3K/3DKマンション」の家賃相場ランキング(2025年9月23日時点)は以下のとおりです。
 
図表2

図表2

筆者作成
 
さらに、「家賃相場ランキング」と前述の「課税対象所得ランキング」を並べてみると、図表3のようになります。
 
図表3
図表3

筆者作成
 
年収ランキングと家賃相場ランキングは、驚くほど似通った順位となっています。特にトップ1~5位、ワースト1~5位の顔ぶれがほぼ同じであることは、注目すべき点でしょう。トップクラスとワーストクラスにおいては、課税対象所得・家賃相場がともに3倍以上の開きがあることも興味深いです。
 
これは「家賃は収入に応じて決まる」という、市場の流れがシンプルに表れた結果と言えるでしょう。高い年収を稼ぐ人が住みたいと願う街は、当然ながら家賃が高騰するようです。
 
ただ筆者としては、これらのランキング下位のエリアが「劣っている」というわけでは決してないと強調したいところです。
 
足立区、葛飾区、江戸川区といったエリアは、手頃な家賃でありながら都心へのアクセスが良く、昔ながらの商店街・飲食店や充実した子育て支援制度など、それぞれの区に独自の魅力があります。
 
高い家賃を払って都心に住むのではなく、あえて少し郊外に住むことで固定費を抑え、その分を貯蓄・投資や趣味、自己投資に回すというのも、非常に賢い選択です。
 

まとめ

10年ほど前になりますが、アメリカの大学教授が執筆した「年収は『住むところ』で決まる」という本が出版されて評判になりました。
 
現在は「知識経済」と呼ばれ、IT関連などの高度な知識や技術を持つ労働者が経済成長の基盤になっていて、彼らを引き寄せる都市とそうでない都市との間は大きな格差が広がる、という内容でした。今回の調査はこの説を裏付けるような結果だと言えるかもしれません。
 
ただし今回示したデータは、東京23区の一面でしかありません。このデータを参考に、「自分はどんな暮らしをしたいのか」「何にお金をかけたいのか」を改めて見つめ直し、自分にとっての「住みやすい街」を探すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

総務省「令和6年度 市町村税課税状況等の調」〔市町村別内訳〕第11表 課税標準額段階別令和6年度分所得割額等に関する調(合計)
SUUMO 関東版 東京都の市区郡から賃貸家賃相場を調べる
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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