片道30分かけて「和歌山→大阪」のバイトに行く友人。最低賃金が“大阪1177円・和歌山1045円”ですが、「時給差132円」なら往復時間がもったいないですよね?

配信日: 2025.10.26
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片道30分かけて「和歌山→大阪」のバイトに行く友人。最低賃金が“大阪1177円・和歌山1045円”ですが、「時給差132円」なら往復時間がもったいないですよね?
アルバイトを探すときには、「仕事内容」や「勤務形態」などさまざまな条件をもとに決めていきますが、その条件として「時給」に重きを置いている人も多いでしょう。
 
時給はアルバイトの内容によって異なりますが、都道府県ごとに「最低賃金」が定められているため、同じ内容のアルバイトであっても、隣県で時給が異なることがあります。
 
一般的に「都市部」と言われる地方は時給が高く、地方では時給が安くなる傾向にあります。特に隣り合う地域で最低賃金の差が大きいのが大阪府と和歌山県です。もし「時給がいいから」と和歌山から大阪に越境してバイトに行く場合、収入にはどれくらいの差があるのでしょうか。
 
本記事では、大阪と和歌山の最低賃金で得た収入について、移動にかかる往復の時間も含めてシミュレーションしてみます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

大阪で働くのと和歌山で働くのではどちらが得?

最低賃金は都道府県ごとに定められているため、隣り合う地域でも金額が異なります。特に大阪と和歌山は差が大きく、2025年9月時点での最低賃金は、大阪が1177円、和歌山が1045円と、その差は134円です。
 
「時給」にだけ注目すると大阪で働くほうが効率的に稼げるように思えます。では、実際にシフトに入った場合の収入を計算してみましょう。それぞれ1日あたり5時間働いた場合の収入は次の通りです。
 

大阪:1177円×5時間=5885円
和歌山:1045円×5時間=5225円

 
つまり、単純に同じ時間働くのであれば、大阪のほうが1日あたり660円多く稼げることになります。
 

往復1時間の移動は収入にどう影響する?

住んでいる地域にもよりますが、県をまたいでアルバイトに行く場合、移動に時間がかかることが多いでしょう。今回は、和歌山から大阪に移動した場合の時間を往復1時間と仮定します。
 
一方、和歌山で働く場合、移動にかかる時間がほぼないと仮定すると、大阪への移動時間の1時間分もシフトに入ることが可能です。月に20日バイトに入った場合の収入も計算してみましょう。
 

・大阪で5時間働いた場合
1177円×5時間=5885円
5885円×20日=11万7700円
 
・和歌山で6時間働いた場合
1045円×6時間=6270円
6270円×20日=12万5400円

 

つまり、同じように「バイトに6時間あてる」場合、移動に1時間かけて大阪で働くよりも、和歌山で1時間長く働くほうが1日あたり385円、1ヶ月あたりだと7700円多く稼げることになります。そのため、大阪に通えば最低賃金の数字上は高いものの、移動を含めて考えると和歌山で働いたほうが実質的に効率が良いという結果になります。
 

時間の使い方をどう考えるか

時給の高い大阪でアルバイトをするメリットは「高時給で短時間勤務が可能」という点ですが、実際には往復1時間の移動が「もったいない」という状態になってしまいます。一方、和歌山での勤務は「移動に時間を割かずに済む」ため、結果的に効率的に稼ぐことができるのです。
 
しかし、大学や専門学校が大阪にある場合は、「わざわざ」アルバイトに行くのではなく、「通学のついで」なので、短時間で高収入が見込める大阪で働くほうがいいともいえるでしょう。また通勤時間を趣味や勉強にあてることもできるため、移動時間を逆手にとって有効活用することもできます。
 

まとめ

最低賃金は都道府県ごとに差がありますが、数字だけを見て「高いから得」とは言い切れません。今回の大阪と和歌山の例では、移動時間を考慮すると和歌山で長く働くほうが、収入は大きくなるという結果が出ました。
 
県をまたいで働きに行くかどうかを判断するときは、時給の差額だけでなく、「移動にかかる時間」と「働くことができる時間」を総合的に比較することが大切です。
 

出典

厚生労働省地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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