【2025年】新卒入社で「ボーナス」は“16万円”でした。思ったより少ない気がしますが、「1年目なら普通」ですか?“冬ボーナスの平均額”を確認

配信日: 2025.11.29
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【2025年】新卒入社で「ボーナス」は“16万円”でした。思ったより少ない気がしますが、「1年目なら普通」ですか?“冬ボーナスの平均額”を確認
2025年4月に入社した新卒社員にとって、冬のボーナスは初めての賞与となるケースが多く、特別な期待を寄せる人もいるでしょう。
 
しかし、実際に支給額を見てみると「16万円」などで、ニュースなどで報じられる平均額と比較して少ないと不安に感じてしまうこともあります。本記事では、最新データをもとに、新卒1年目のボーナス事情と「16万円」が妥当なのかを解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

冬ボーナスっていくらくらい? 大手企業の妥結額と2024年冬ボーナスの平均額

一般財団法人 労務行政研究所がまとめたデータによると、東証プライム上場企業を対象とした製造業・非製造業を合わせた2025年年末賞与の平均妥結額は87万4214円です。
 
プライム市場の上場企業となれば従業員規模も大きく、業績が安定している企業が多いため、賞与水準も高めに出る傾向があります。特に製造業では景気動向が反映されやすく、好調な企業では100万円を超える水準となるケースもみられます。
 
一方で、大手以外を含む全体の冬ボーナスはどうでしょうか。バックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」が公表した2024年冬季賞与の速報値によると、全体の平均支給額は約50万2656円です。
 
大企業に比べて中小企業は賞与原資が限られるため、大手の妥結額と比べると水準は下がりますが、それでも50万円前後が全体の平均となっています。
 
この「90万円」「50万円」という数字だけを見ると、初めてのボーナスで16万円を受け取った新卒社員にとっては、大きなギャップに感じるかもしれません。しかし、大手企業の妥結額や全体平均を、そのまま新卒1年目のボーナスと比較するのは適切とはいえません。
 

新卒1年目は評価期間が短く、満額になりにくい

4月入社の新卒社員の場合、夏のボーナスは支給されない企業も多く、多くの新社会人にとって初めての賞与は冬になります。この冬のボーナスが「思ったより少ない」と感じてしまう理由の1つに、評価期間の問題が挙げられます。
 
ボーナスの金額は評価期間の働きぶりを元に決まる場合が少なくありません。しかし、新卒社員は4月に入社するため、評価期間の途中から勤務を開始することになり、満額の評価が反映しづらい傾向にあります。そのため、1年目の冬ボーナスは制度上、どうしても低くなりがちです。
 
実際の平均額を見ていきましょう。前出のジョブカンの年齢別データによると、24歳以下の冬季賞与は平均で30万円未満となっています。この年齢層には新卒1年目だけでなく、入社2年目・3年目の社員も含まれています。
 
それでも平均が30万円未満という点を踏まえると、最も賞与が少ないことが多い「新卒1年目」に絞れば、実際の水準はさらに低くなると考えられます。
 
そのため、新卒社員で冬の賞与が16万円という金額は決して珍しくないといえるでしょう。
 

1年目の賞与が低くなるのは「勤務期間」だけではない

新卒1年目の冬ボーナスが少なくなりやすいのは、評価期間の短さだけではありません。多くの企業では賞与を「基本給×支給月数×評価係数」で算定しており、新卒社員は等級が最も低く、基本給や支給月数も抑えられています。
 
また、冬の賞与は前年の業績をもとに配分されるため、前年に在籍していなかった新卒には、大きな原資が配分されにくい仕組みです。こうした制度上の特徴から、1年目の賞与は構造的に高くなりにくいという背景があります。
 
50万円や90万円といった金額は、勤続年数が長く、評価が積み重なった社員を含めた数字であり、新卒1年目とは前提条件がまったく異なります。比較すると低く見えてしまうのは当然のことであり、落ち込む必要はありません。
 

まとめ

大手企業の冬ボーナスは90万円前後、全体平均は50万円ほどと高く見えるものの、新卒1年目の冬ボーナスは評価期間の関係で10万~20万円台に落ち着くことも多くあります。
 
さらに、新卒社員は等級や基本給が低く、支給月数が抑えられやすいなど制度上の理由からも、初年度の賞与が高額になりにくい仕組みがあります。ジョブカンのデータでも24歳以下の平均が30万円以下であることから、1年目の16万円という金額は十分に妥当な水準といえるでしょう。
 
賞与は、勤続年数や評価が積み上がるほど伸びていく仕組みです。1年目で満額支給にならないのは制度上当然のことであり、2年目以降の夏・冬から大きく増えていくケースは珍しくありません。
 
そのため、初めてのボーナスが16万円だとしても、悲観する必要はありません。今後の働き方や成果に応じて、ボーナスは大きく変わっていくという点を認識しておきましょう。
 

出典

一般財団法人 労務行政研究所 東証プライム上場企業の2025年年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査
ジョブカン 2024年の冬季賞与平均支給額、速報値は「502,656円」
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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