「ボーナス支給日には退職してるから」と言われ、冬ボーナスが“支給なし”に! ボーナスは「4月~9月」の実績ですよね? 毎回80万円もらっていたのですが、本当に「ボーナス0円」なのでしょうか?

配信日: 2025.12.21
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「ボーナス支給日には退職してるから」と言われ、冬ボーナスが“支給なし”に! ボーナスは「4月~9月」の実績ですよね? 毎回80万円もらっていたのですが、本当に「ボーナス0円」なのでしょうか?
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる「2025年冬のボーナスの見込み」では、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の冬の賞与は前年比2.3%増の42万2989円、国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)の平均支給額は19.4%増の77万9500円になると予想されています。
 
しかしながら、人によっては約80万円にもなる大金が「退職日が1日早かっただけ」で0円になってしまうとしたらどうでしょうか。「ボーナスの算定期間はフルに働いたのだから、当然もらえるはず」と考えていると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があり注意が必要です。
 
本記事では、ボーナス特有の支給ルールと、損をしないための退職日の設定方法について解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

給与は「日割り」でもボーナスは「0か100か」

まず理解しておきたいのは、毎月の給与とボーナス(賞与)では、支払われる根拠が根本的に異なるという点です。
 
給与は労働の対価として法律で支払いが義務付けられており、「月末締め・翌月10日払い」の会社で11月30日に退職した場合、11月に働いた分の給与は12月10日に必ず支払われます。
 
仮に月の途中で退職したとしても、働いた日数分の給与は日割りなどで計算され、支払われるのが原則です。
 
一方で、ボーナスは法律で義務付けられたものではなく、支給条件は会社の就業規則によって決められます。厚生労働省のモデル就業規則でも算定対象期間と支給日を明記する形となっており、実際に筆者が在籍した会社では、冬のボーナスの算定期間は4月1日から9月30日、支給日は12月10日となっていました。
 
こうしたケースでは、算定期間に在籍していたのだから、支給日に在籍していなくてももらえるはずだと考えてしまうかもしれません。
 
ただし、多くの会社では「支給日在籍要件」を採用しており、モデル就業規則でもこれは有効とされています。これは文字通り「ボーナスの支給日に会社に在籍している人にのみ支給する」というルールです。
 
この規定がある場合、たとえ算定期間(今回の例なら4月~9月)にどれだけ成果を上げていても、支給日に在職していなければ、支給額は0円になってしまいます。たとえ前日に退社した場合も同様で、たった1日の違いでボーナスの80万円が受け取れなくなってしまうのです。
 

有給休暇消化中も在籍扱いになる

支給日在籍要件がある会社でボーナスを満額受け取ってから退職するためには、退職日(在籍最終日)を必ず「ボーナス支給日以降」に設定する必要があります。
 
例えば、最終出社日が12月5日でボーナス支給日が12月10日の場合、12月6日から数日間の有給休暇を取得し、退職日を12月10日(またはそれ以降)に設定すれば、支給日に在籍していることになり、受給権が発生するのです。会社側は原則として退職時の有給消化を拒否できないため、これは正当な権利行使といえます。
 

退職予定者のボーナスカットは許される?

前述した通り、ボーナスは月々の給与と異なり、会社が支給の有無も含めて自由に決められます。したがって、「退職予定者だから」という理由でボーナスを大幅に減額される、もしくはカットされることも問題ないように思えるかもしれません。
 
実際に過去の判例(ベネッセコーポレーション事件)では、賞与には「過去の功労」だけでなく「将来への期待」も含まれるため、退職予定者の賞与をある程度減額すること自体は不合理ではないと判断されています。とはいえ、減額できる幅には限度があり、大幅な減額や全額カットといった極端な扱いは許されていません。
 
実際、同事件では退職予定がない人と比べて支給額を約17%(8割以上カット)にまで減らすことが問題視され裁判で争いましたが、これは公序良俗違反で無効であると判断されています。判決では、減額幅は「非退職者の2割程度(つまり8割は支給する)」が相当であると判断されたのです。
 
退職予定であったとしても、支給日まで在籍していれば、ボーナスの大半が支給されるということは知っておきましょう。
 

まとめ

ボーナスをもらってから退職するには、就業規則の支給日在籍要件を必ず確認し、退職日が支給日より前にならないよう注意が必要です。1日の退職日の誤りで数十万円のお金を受け取れなかったという事態にならないように、有給休暇をうまく活用して在籍期間を調整しましょう。
 

出典

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2025年冬のボーナス見通し
厚生労働省 モデル就業規則
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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