兄は「資産1億円」なのに、「移動は電車」「服はユニクロ」とのこと…減るのが怖いそうですが、使わないのは“もったいない”ですよね?「お金持ちなのにケチ」になる理由とは

配信日: 2026.01.30
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兄は「資産1億円」なのに、「移動は電車」「服はユニクロ」とのこと…減るのが怖いそうですが、使わないのは“もったいない”ですよね?「お金持ちなのにケチ」になる理由とは
資産1億円以上の「富裕層」というと、ブランド品を身に着けて高級車やタクシーで移動するなどの余裕ある生活していると想像しがちですが、実際は意外なほど質素な生活をしていることが珍しくありません。「お金持ちなのにケチになる」心理状態とは、どのようなものなのでしょうか。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

「質素な生活」をしているからこそ、富裕層になれたという人は多い

10数年前に発行された「となりの億万長者」という著作をご存じでしょうか。アメリカの研究者が1万人を超える「億万長者(当時で純資産100万ドル以上)」にインタビューし、大多数の億万長者が当てはまる以下の「7つの法則」を導き出して話題になりました。
 

【成功を生む7つの法則】

法則1. 収入よりはるかに低い支出で生活する
法則2. 資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している
法則3. お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
法則4. 社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
法則5. 子どもたちは、経済的に自立している
法則6. ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
法則7. ぴったりの職業を選んでいる

 
この7つの法則の筆頭である「収入よりはるかに低い支出で生活する」という項目は、言うまでもないことではありますが、いつの時代・場所においても当てはまる「富裕層になれる人の法則」です。
 
仮に世帯収入が年間1億円の家庭があったとしても、年間支出が1億円あったのでは全く貯金ができないままで、「富裕層」の定義(純資産1億円以上)にはいつまでも当てはまるようになれません。
 
この著書の中で典型的な「となりの億万長者」として紹介されているのは、高級マンションでなく下町のありふれた家に住み、安物のスーツを着て、頑丈で燃費の良い(中古の)車に乗っていて、周囲に住む誰もが「この家族は億万長者だ」と気が付かない、というような人物です。
 
質問者のお兄さんの「移動は電車」「服はユニクロ」という生活ぶりに、重なる部分が多いのではないでしょうか。「富裕層だから、倹約家」というわけではなく、「倹約家なので、富裕層になれた」という表現のほうが正しそうです。
 

「金融資本」だけで生活していると、「お金を使うのが恐ろしい」心理になりがち

日本において「純資産1億円以上」の富裕層とカテゴライズされるのは、野村総合研究所の調べによれば2023年で約165万世帯、世帯全体の約3%とされます。この調査は2023年のデータをもとにしたものなので、株式相場などの高騰が続く現在は、富裕層に当てはまる世帯の数はさらに増えていそうです。
 
特に最近は、「仕事は続けて堅実に稼いでいるが、それほど消費は行わず、保有していた株式などの金融資産が値上がりしたので、知らないうちに富裕層になっていた」というパターンも増えているようです。このような堅実な暮らしを続けている世帯では、「富裕層」になったからといって急に派手な消費をすることは少ないでしょう。
 
また、「若い時から投資などで財産を増やしてきたので、仕事を早めにリタイアし、保有資産が生み出す配当金などをもとに生活している」というパターンの世帯もいるでしょうが、筆者が見るところ、このパターンの世帯は富裕層の中でも一番「倹約家」になりがちです。
 
労働から得られる収入がない人の場合は特に、人間心理として「積み上げた財産が目減りすること」や、「株式などを売却して、そこから得られる配当金が減ってしまうこと」を恐れるようになる事が多いです。質問者のお兄さんも、もしかするとこのような心理状況になっているのかもしれません。
 
筆者としては、自分の世代が築いた財産を譲りたい子孫や団体などがないのであれば、徐々に財産を取り崩して自分のやりたかったことを少しでも若いうちに行い、人生の満足度を高めることをおすすめしておりますが、なかなか実現に踏み切ることは難しいようです。
 

まとめ

親からの相続などによらず純資産1億円以上の「富裕層」になる人は、ほぼ例外なく、しっかりとした稼ぎを得ながらも倹約を続けて財産を積み上げています。倹約生活を続けて富裕層になれた人や、積み上げた金融資産が生み出す利子や配当金などをもとにして生活している人は、富裕層であるからといって派手な消費をするようにはなりません。
 
周囲から「倹約家の富裕層」を見ると、「財産を持っていても、使わないのでは意味がないではないか」と感じることは多いかもしれませんが、富裕層には富裕層なりの悩みによって「倹約家」にならざるを得ない場合もあるのです。
 

出典

株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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