地方で年収「450万円」の弟と、東京で年収「650万円」の兄。家賃や生活費を考えると、どちらのほうが余裕があるのでしょうか?
収入だけを見ると東京の兄のほうが大きく上回っています。しかし、生活のゆとりを考える際には、家賃や物価などの支出も含めて考える必要があるでしょう。
本記事では、平均給与や家賃、生活費の統計をもとに、地方と東京での生活コストの違いを整理しながら、実際の生活余力について考えていきます。
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目次
東京は平均給与が高い傾向にある一方、地域差も大きい
まず確認したいのは、地域ごとの平均給与です。
国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は全国平均で477万5000円となっています。
一方、国税局別では、東京が544万9000円で全国平均を大きく上回っています。これに対し、仙台は387万5000円、沖縄は393万2000円となっており、地域間で大きな差が見られます。
今回のケースでは、地方勤務の弟が年収450万円、東京勤務の兄が650万円ということですが、どちらもそれぞれの地域平均と比較すると一定程度高い水準にあるといえます。
もっとも、生活のゆとりは収入だけでは決まりません。次に、支出面を確認します。
東京は家賃負担が大きくなりやすい
生活費の中でも特に地域差が大きいのが住居費でしょう。
アットホーム株式会社「2026年3月 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」によると、ファミリー向きマンションの平均家賃は、東京23区で25万3534円となっています。
これに対し、仙台市では10万955円となっており、東京23区の家賃は仙台市の約2.5倍の水準です。
もちろん、実際には住むエリアや間取りによって差はありますが、東京では住居費が家計を圧迫しやすい構造にあることが分かります。
例えば、年収650万円でも高額な家賃を支払えば、自由に使えるお金は想像以上に減少する可能性があります。
消費支出も東京のほうが高い傾向にある
次に、日常生活全体の支出を見てみます。
総務省統計局「家計調査 家計収支編 総世帯 2025年」によると、勤労者世帯の1ヶ月の平均消費支出は、東京都区部で31万6724円となっています。
一方で、仙台市は26万3615円、那覇市は22万7000円となっており、東京は地方都市より支出水準が高い傾向があります。
食費や交通費、外食費など、さまざまな支出項目で地域差が生じやすいため、収入が高くても、その分支出も増えやすい点には注意が必要です。
「生活余力」は収入と支出の差で考える必要がある
では、今回のケースではどちらのほうに余裕があるのでしょうか。
単純な年収だけを見ると、東京で年収650万円の兄のほうが有利に見えます。しかし、東京では家賃や生活費が高いため、可処分所得から実際に自由に使える金額を考えると、差が縮小する可能性があります。
例えば、東京23区で高めの家賃を支払っている場合、年間では数百万円単位の住居費負担となることもあります。一方、地方では収入水準が低めでも、住居費を抑えやすいため、結果として生活に余裕が生まれるケースもあります。
もっとも、地方でも車社会による自動車維持費が必要になるなど、地域特有の支出もあります。このため、「地方だから必ず楽」「東京だから必ず苦しい」と単純にはいえません。
「どちらが豊かか」は生活スタイルでも変わる
今回のケースで重要なのは、「生活の余裕」は収入額だけでは決まらないという点です。
例えば、
・どの水準の住居に住むのか
・車を所有するのか
・教育費をどれくらいかけるのか
・外食や娯楽にどの程度支出するのか
などによって、家計状況は大きく変わります。
そのため、東京で高収入でも支出が大きければ貯蓄余力は小さくなりますし、地方で年収が比較的低くても、生活コストを抑えられれば余裕が生まれる場合があります。
まとめ
東京は全国的に見ても給与水準が高い一方で、家賃や生活費も高くなりやすい地域です。今回のケースでも、年収650万円の兄は収入面では有利ですが、住居費や日常支出を踏まえると、実際の生活余力は想像ほど大きくない可能性があります。
一方、地方で年収450万円の弟は、収入自体は兄より低くても、住居費を中心とした生活コストを抑えられることで、結果的に家計に余裕が生まれるケースも考えられます。
このため、「年収が高い=生活に余裕がある」と単純に考えるのではなく、収入と支出のバランスを含めて生活全体を見ることが重要といえるでしょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- (参考)国税局別表 第2表 国税局別及び事業所規模別の給与所得者数・給与額 その3 平均給与(243~244ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 表番号2 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 都市階級・地方・都道府県庁所在市別
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2026 年 3 月) 東京 23 区(3ページ)、宮城県仙台市(9ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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