会社員で「月収65万円超」だけど、4月から「子ども・子育て支援金」が引かれ、2027年9月には「社会保険料の上限」が引き上げに! これから“手取り”はいくら減る? 増える負担を確認
そんな中、2026年4月には「子ども・子育て支援金制度」が始まり、さらに2027年9月からは厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げが予定されています。会社員の間では、「また社会保険料が増えるのでは?」という不安も広がっています。
本記事では、制度改正の内容と、実際にどれくらい負担が増えるのかを分かりやすく解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金制度」
2026年4月から、少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金制度」が始まりました。
これは医療保険料に上乗せする形で徴収され、会社員の場合は健康保険料とあわせて給与から天引きされます。こども家庭庁によると、被用者保険の支援金率は2026年度で0.23%、負担は労使折半です。
例えば、標準報酬月額65万円の場合、本人負担分の目安は以下のようになります。
65万円×0.0023÷2=747円
毎月、およそ750円程度の負担増となる計算です。年間で約9000円の固定支出は、負担に感じる家庭もあるでしょう。
2027年9月から何が変わる?
さらに、2027年9月から、厚生年金の標準報酬月額の上限が見直されます。
標準報酬月額とは、社会保険料を計算する基準となる給与額のことで、現在の上限は65万円です。2027年9月から、この上限が段階的に引き上げられます。
具体的には、以下のように順次引き上げられる方向です。
・2027年9月:68万円
・2028年9月:71万円
・2029年9月:75万円
そのため、現在の上限を超える高所得会社員は、厚生年金保険料の負担が増える可能性があります。
2027年9月からは高所得会社員の負担が増える可能性
では、実際に負担はどの程度増えるのでしょうか。
例えば、2027年9月に上限が65万円から68万円へ引き上げられた場合、これまで保険料計算の対象外だった部分も算定対象になります。厚生年金保険料率は18.3%ですが、会社員本人の負担は半分です。仮に3万円分が新たに算定対象になる場合、本人負担分の増加額は概算で次のようになります。
3万円×0.0915=2745円
毎月、およそ2700円の負担増となる可能性があります。
年間では、2745円×12=3万2940円
約3万3000円の手取り減少につながる計算です。
なぜ「給料が増えても苦しい」と感じるのか
最近、「昇給したのに生活が楽にならない」という声をよく耳にします。背景にあるのは、税金や社会保険料の増加です。
例えば、月給が1万円上がっても、そのまま1万円手取りが増えるわけではありません。所得税や住民税、社会保険料が差し引かれるため、実際に自由に使えるお金は想像より少ないです。
加えて近年は、食費や電気代、ガソリン代など生活コストが上昇しているため、以前は気にならなかった数千円の社会保険料などの増加でも、家計への影響を強く感じるでしょう。
特に、住宅ローンや教育費の負担が大きい30代~40代では、「頑張って働いても手取りが増えない」という不満につながりやすいです。
社会保険料は節約しづらい固定費
食費や娯楽費であれば工夫次第で調整できますが、社会保険料は給与額に応じて自動的に引かれるため、自分でコントロールしにくい支出です。そのため、最近では、通信費の見直しやサブスク整理、ふるさと納税やNISAの活用など、「手取りを守る工夫」を意識する家庭も増えています。
今後も社会保険制度の見直しは続く?
今回の改正は高所得会社員向けですが、今後も社会保険制度の見直しは続く見込みです。背景にあるのは少子高齢化で、医療費や年金給付が増える一方で、それを支える現役世代は減少しています。
また、短時間労働者への社会保険適用拡大も進められており、将来的には企業規模要件の撤廃も予定されています。そのため、「今は対象外でも、将来的には負担が増えるのでは」と不安を感じる会社員も増えるでしょう。
今後のためにも、まずは給与明細を確認し、毎月どれくらい社会保険料が引かれているのかを把握しておくことが大切です。
まとめ
2026年4月から子ども・子育て支援金制度が始まり、さらに2027年9月には厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げも予定されています。今回は高所得会社員の負担が大きいですが、一般的な会社員でも社会保険料がじわじわ増えていく感覚を持つ人は増えそうです。
月数千円の負担増でも年間では数万円となり、家計への影響は無視できません。突然手取りが減ったと感じて家計のやりくりに困らないように、制度改正の内容を早めに理解し、自分への影響を確認しておく姿勢が重要です。
出典
厚生労働省 厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引き上げについて
国税庁 No.9205 延滞税について
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
