今どき「管理職=高年収」はもう古い? 現役世代からは「責任重くてコスパ悪い」「報酬が見合わない」の意見も…“係長・課長・部長”の平均収入は? 管理職になるメリット・デメリット
管理職は、年収が高くなるケースが多い一方で、部下の育成や上層部との板挟みになりやすい傾向があります。本記事では、管理職の仕事内容や平均年収、メリット・デメリットなどを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
管理職の仕事や平均収入
管理職とは、企業のなかで一定の権限と責任を持ち、部下やチームのメンバーを指導、統括しながら組織の目標達成を目指す立場です。一般的には係長・課長以上の役職を指すことが多く、人材育成と業務管理が主な仕事になります。
厚生労働省の資料によると、管理職の平均月収は以下のとおりです。
・係長:39万9200円
・課長:52万9200円
・部長:63万5800円
当然ですが、上の役職になるほど月収が高くなり、部長クラスになるとボーナス抜きで年収が約750万円になります。課長クラスでも月収50万円を越えており、一般的な会社員よりは多くの収入を得ているケースが多いでしょう。
管理職なりたくない人が27%との結果に
前記のとおり、管理職になれば多くの収入を得られます。しかし近年では、今後のキャリアにおいて、管理職に昇進したくないと考えている人が一定数います。人材紹介業の株式会社ワークポットがアンケート調査を実施した結果、管理職になりたい・なりたくないと回答した結果は、次のとおりです。
・積極的になりたい:31.8%
・機会があればなりたい:44.9%
・あまりなりたくない:20.2%
・絶対になりたくない:3.1%
およそ4分の1の人が「管理職にはなりたくない」と回答しており、管理職離れが進んでいることが分かります。同アンケートにおける、「管理職を希望しない理由」の結果は以下のとおりです。
・報酬が見合わない:27.0%
・私生活への影響:25.5%
・現場業務へのこだわり:17.5%
・人間関係のストレス:16.1%
・ロールモデルの不在:5.1%
・その他:8.8%
約3割が「報酬が見合わない(責任だけ重くなり、コスパが悪い)」との理由で、管理職にはなりたくないと回答しています。私生活への影響(ワークライフバランスが崩れる)や現場業務へのこだわりなどが続きますが、管理職になることで自分のストレスが増すのを懸念している人が多いと思われます。
また、「どのような条件があれば管理職を引き受けるか」とのアンケートには、72.4%の人が「責任に見合う報酬」と回答していました。責任や業務が増す管理職ですが、「今の会社の報酬では引き受けたくない」「自分の生活を大事にしたい」と考える人が多いと想像されます。
管理職のメリット・デメリット
「なりたくない」という人が一定数いる管理職ですが、悪いことばかりではありません。管理職の主なメリットは、次のとおりです。
・年収がアップする
・裁量権が大きくなる
・経営に近い仕事ができる
・マネジメント経験が転職市場で評価されやすい
管理職になれば、一般会社員のときより年収がアップし、比較的自由に仕事を進めやすい点が魅力でしょう。部下からの信頼があれば、仕事をしやすいチームをつくれて、成果を出しやすくなる点もメリットです。
一方、管理職のデメリットは次のようなものがあります。
・部下の育成やメンタルケアが必要
・人手不足の穴埋めをする場合もある
・ハラスメント対応が必須
・部下と上司の板挟みになりやすい
・残業代がつかない
特に、マネジメントをしながら現場作業をしなければならず、残業代がつかないところが管理職のデメリットです。実際に「残業代がつかないのに仕事量が増えた」「平社員のほうが時給換算でよかった」といったケースもあります。
当然ですが、すべての会社で「管理職=損」なわけではありません。成果報酬型の企業や外資系では、年収が大きく上がりやりがいを感じることもあります。ただし、日本の企業では「業務・責任の増加ほど報酬が上がらない」会社もあるため、管理職にはなりたくないと考える人が一定数いる実態となっています。
まとめ
近年、「管理職になりたくない」と考える人が約23%おり、管理職離れが進んでいます。「報酬が見合わない」のが一番の理由ですが、自分のライフスタイルを壊したくないと考える人もいるのが実情でしょう。
企業は、たくさんのチームの集まりで成り立っています。管理職を希望する人や、現場仕事に集中する人がバランスよく協力し合い、日本を盛り上げていってほしいと思います。
出典
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
株式会社ワークポート 管理職志向に関する調査
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
