最終更新日: 2020.08.07 公開日: 2020.08.09
相続

土地を借りて家を建てた場合、相続財産は建物だけなの?

執筆者 : 宿輪德幸

土地を借りて自宅を建てて住んでいた場合、建物だけが相続財産ではありません。土地を借りる権利も相続財産として評価されます。都市部では土地を貸している地主よりも、借りている賃借人の評価額の方が高いこともあるのです。
 
宿輪德幸

執筆者:

執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)

CFP(R)認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
資料を画面共有しながら納得がいくまでの面談で、納得のGOALを目指します。
地域の皆様のかかりつけ法律家を目指し奮闘中!!
https://www.shukuwa.com/

宿輪德幸

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土地の評価

土地にはいくつもの評価額があります。評価額が1億円の土地であっても、買う人がいなければお金にはなりません。実際いくらになるか分からないとしても、評価をするための価格が必要です。代表的な評価額は以下の4つですが、相続税では路線価を基準として考えます。
 

基準日 主目的 評価の目安
公示価格 毎年1月1日時点 公共事業の保証金基準
基準地標準価格 毎年7月1日時点 一般の土地取引の指標
路線価 毎年1月1日時点 相続税、贈与税の課税 公示価格の8割程度
固定資産税評価額 3年に一度評価替え 固定資産税の課税 公示価格の7割程度

 
固定資産税評価額は、役所から毎年届く通知や名寄帳で確認できます。路線価は、国税庁のホームページで確認することが可能です。路線価が設定されていない場所は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて評価しますが、その際の倍率も国税庁のホームページでチェックできます。
 
以下で相続税の評価額について考えてみます。

借地の評価

土地を借りて使う借地権は、強力な権利です。その権利があるからこそ、大金をかけて家を建てたりできるのです。貸主の都合で簡単に明け渡しを強制されるようなものでは、自宅の建築なんて怖くてできません。
 
そして、借地権は財産として相続の対象になります。親所有の自宅とともに親の借地権を相続することで、相続人は自宅を使い続けることができるのです。
 
土地は親の所有ではなかったのですが、借地権は相続財産として評価されます。評価額は、所有者が自分で使う自用地評価額に借地権割合を掛けた額となります。
 
例)路線価1億円、借地権割合60%のAさんの土地に、Bさんの借地権が設定されていた場合
 
借主Bさんの借地権評価額=1億円×0.6=6000万円
地主Aさんの貸宅地評価額=1億円×(1-0.6)=4000万円
 
相続財産として評価すると、地主のAさんより土地を借りて使っているBさんの評価額の方が高くなります。親の所有ではないからと評価額を考えずに相続手続きを進めると、後で遺産分割協議のやり直しや相続税の発生など大変な問題が発生するかもしれません。

相続税対策でアパートを建てたときの評価

土地に借地権が設定されると評価額が下がり、相続税も下げることができます。賃料はもらえますが、所有者として土地を利用することはほぼできなくなってしまいます。
 
所有する土地に、地主所有のアパートを建てるとどうなるでしょうか。この場合、土地も建物も1人の所有ですが、部屋を借りる賃借人には部屋を使う権利が発生します。このため、貸家建付地として評価計算されます。
 
例)路線価1億円、借地権割合60%の土地にアパートを所有。賃貸割合1(満室)の場合
 
貸家建付地評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×賃貸割合×0.3)
=1億円×(1-0.6×1×0.3)=8200万円
 
アパートを建てることで、評価額を1800万円下げることができました。建設時の借金などにより相続財産を減額できるなど、土地評価以外でも節税となることがありますが、アパート経営を失敗すると負の遺産になりますので慎重な計画が必要です。

まとめ

相続が発生したとき、借りている土地ということで見落としているポイントがたまにあります。借地権は、場所によっては地主の持つ評価額より高い場合もありますので注意してください。
 
相続人がその土地を使い続けるなら簡単ですが、そうでない場合には、借地権をどうするのかが大きな課題となります。
 
参考 国税庁 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
 
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士

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