最終更新日: 2020.12.22 公開日: 2020.12.14
相続

孫への贈与、相続税を抑える方法とは?

相続対策って何から始めたらいいの?
 
このように思われている方も多いのではないでしょうか。一般的に相続対策は、状況に応じて次の3つの対策が必要と思われます。遺産分割対策、納税資金対策、相続税の軽減対策です。
 
今回は、相続税軽減対策として、お孫さんへ生前贈与した場合のメリットや注意点について解説してみたいと思います。
 
廣重啓二郎

執筆者:

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

廣重啓二郎

執筆者:

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

孫への生前贈与の2つのメリット

(1)3年以内の加算適用なし
亡くなった日(相続開始日)前、3年以内に「相続人」が贈与を受けた財産については、相続財産に加算され相続税の計算対象となります。つまり、相続開始日前、3年以内の生前贈与はなかったことになります。
 
一方で、「相続人ではない」孫へ生前贈与をした場合は、このような相続開始日前3年以内の贈与財産の加算はされません。よって、孫への生前贈与は、相続税を軽減できる有効な対策と考えられます。
 
(2)相続税を一世代飛ばせる
通常、相続は父から子、子から孫へ財産が相続される場合、その都度相続財産には相続税の課税対象となる場合があります。一方で、父から孫へ生前贈与をしておくことで贈与された財産については、子の死亡時、孫の相続税の対象となりません。つまり、将来の相続財産を目減りさせることで有効な相続税対策と考えられます。
 

孫への生前贈与を非課税で行うやり方

(1)暦年贈与として生前贈与
贈与税には、毎年110万円を上限に基礎控除があります。つまり、毎年110万円までは非課税で贈与を受けることができます。なお、孫が複数いる場合は、それぞれ毎年110万円ずつ非課税で贈与することができます。
 
(2)教育資金として生前贈与
教育資金の生前贈与の最大のメリットは、何といっても1500万円を非課税で一括贈与できることです。教育資金が必要なタイミングでその都度贈与しようと思っても、亡くなってしまった場合は非課税で贈与できず、相続税の課税対象となってしまいます。なお、学校外の習い事などについては、500万円までが非課税の限度となります。
 

適用条件
  • 2021年3月31日までの贈与であること
  • 孫の年齢が30歳未満であること
  • 孫の所得が1000万円以下であること
  • 金融機関で専用口座を開設すること
  • 教育資金として使用したことがわかる領収証を金融機関に提出していること

 

注意点

・孫が30歳までに贈与された資金を使い切らなければ贈与税が課税されること
・教育資金を使い切る前に祖父母が亡くなった場合は、亡くなった時点の残高は相続財産になること

 
(3)結婚・子育て資金として生前贈与
20歳以上50歳未満の孫に結婚・子育て用の資金とし1000万円まで非課税で贈与できる制度です。
 

ポイント
  • 非課税になる1000万円のうち、結婚資金に使える金額は300万円までの制限があること
  • 結婚・子育て贈与専用口座を開設し、金融機関に領収証を提出する必要があること
  • 孫の所得が1000万円以下であること

 

注意点

・孫が50歳までに贈与された資金を使い切らなければ贈与税が課税されること
・結婚・子育て資金を使い切る前に祖父母が亡くなった場合は、亡くなった時点の残高は相続財産になること

 
(4)住宅取得等資金として生前贈与
住宅取得等資金非課税制度を利用して、孫に対して住宅の取得や増改築にかかる資金を非課税で生前贈与できる制度です。この制度を利用することで、最大1500万円までの贈与にかかる贈与税が非課税になります。
 

孫への生前贈与の注意点

前述したとおり、「相続人ではない」孫に対して行う生前贈与にはメリットがあります。一方で、以下の場合は注意が必要です。
 
(1)孫が祖父母の法定相続人になる場合
例えば、祖父母が孫と養子縁組をしたり、祖父母の相続開始前に子が亡くなっている場合など
   
(2)遺言書に孫が財産を受け取ることが明記されている場合
    
(3)祖父母の生命保険(死亡保険金)の受取人が孫になっている場合
 
このような場合は、生前贈与を行なって3年以内に贈与者が亡くなった場合は、相続財産に加算されてしまいます。
 
今回は、相続対策の中でも相続税の軽減対策として、お孫さんへの生前贈与の有効性について解説してきました。当然のことながら、相続対策は節税だけでなく、「争族」にならないために事前のコンセンサスも大切なことも付け加えておきます。
 
出典 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
※2020/12/22 表記を一部修正させていただきました。
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
 

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