土地や建物を相続したくない人は意外と多い! そんなときに知っておきたい相続放棄とは?

配信日: 2022.09.29

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土地や建物を相続したくない人は意外と多い! そんなときに知っておきたい相続放棄とは?
終活に関する情報を発信するメディア「終活瓦版」を展開する株式会社林商会が、2022年2月に行ったアンケート調査(調査対象:20代以上の男女150名)によれば、家族や親族から相続したくない財産の第1位に挙がったのが「土地・不動産」とのことです。調査に参加した150名のうち、54名(36%)が挙げる結果になりました。
 
メンテナンス代や固定資産税を考えると、損をする可能性もあるので、相続したくない人も多いのでしょう。
 
本記事では、相続したくない場合に利用できる制度として、相続放棄について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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相続放棄とは

相続放棄とは、預貯金や不動産などプラスの財産はもちろん、借入金などマイナスの財産も含め、一切相続しないことを指します。
 
なお、相続放棄をする際は、相続が開始された(亡くなった)ことを知った日から3ヶ月以内に手続きが必要です。被相続人の、最後の住所地を管轄する家庭裁判所で手続き(申述)をします。
 

相続放棄のメリット

相続放棄のメリットは以下の2つです。
 

マイナスの財産を相続しなくて済む

相続放棄すれば、マイナスの財産も相続しなくて済みます。亡くなった人がさまざまな場所・人から借金を重ねていたとしても、相続放棄してしまえば、一切返済しなくてかまいません。
 

もめごとに巻き込まれない

相続放棄をすると、もめごとに巻き込まれなくなります。相続放棄をした時点から相続人でなくなるため、親族間での話し合いが紛糾したとしても、一切関係ありません。
 

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相続放棄のデメリット

一方、相続放棄のデメリットにも触れておきましょう。
 

すべての相続財産を手放すことになる

相続放棄をしたら、すべての相続財産を手放すことになります。同居していた親が被相続人だった場合、相続放棄をすると家から出ていくはめになるでしょう。
 

やり直しができない

一度相続放棄の申述をしたら撤回はできません(民法919条)。被相続人が、実は多額の財産を持っていたのを知らなかった場合でも、撤回・取り消しはできないので損をする恐れがあります。
 

受理されないケースもある

相続放棄が受理されないケースもある点に、注意が必要です。以下のように、被相続人の財産を相続する行為があった場合は受理されません。

・被相続人に所有権のある不動産名義を相続人に変更した
・被相続人の預貯金を葬儀費用にあてた
・被相続人宛ての請求書代金を支払った

 

ほかの相続人ともめる原因にもなる

相続放棄により相続順位が変動するので、もめる原因にもなります。
 
例えば、生前に借金を重ねていた母親が亡くなったとしましょう。唯一の相続人だった息子が相続放棄をしたら、(存命であれば)祖父母や母親の兄弟姉妹(おじ・おば)に相続権が移ります。
 
身に覚えのない借金が降りかかるため、トラブルの引き金になるのは想定内でしょう。
 

不要な土地・建物を処分するには?

相続放棄にはメリットもある一方、デメリットもあるので慎重に進めたいところです。
 
仮に、相続放棄したい理由が「使いそうにない土地や建物を相続したくない」だったら、以下のように違う手段も検討しましょう。

・売却する
・不動産会社に買い取ってもらう
・建物を解体し、土地として売却する
・他人に貸す
・寄付をする

 

生前から相続について話し合っておこう

実際に相続が発生する=家族が亡くなってしまうと、遺族は葬儀の準備や遺品の整理など、やらなくてはいけないことに追われます。その中で相続放棄の手続きもするとなると、冷静な判断ができないかもしれません。
 
できれば相続したくない土地や建物を持つ家族がいるなら、生前から話し合いをし、相続放棄を含めた方針を決めましょう。
 

出典

裁判所 相続の放棄の申述
e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
株式会社林商会 【150人に聞いた】家族や親族から相続したくない遺産があると答えた人は80%!相続したくないもの第1位は〇〇?!(2022年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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