更新日: 2024.08.13 贈与
競馬で「100万円」勝った父。50万円を私と弟に分けてくれるそうなのですが、税金がかからずに受け取れるのでしょうか?
もし知り合いが払戻金の一部を自分にくれるときは、課税対象になっていないかなどを確認しておきましょう。今回は、競馬などのギャンブルが課税対象になる条件や、払戻金で得たお金を贈与された場合の税金などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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競馬などのギャンブルも課税対象?
競馬やオートレースを始めとする公営ギャンブルで勝ったお金は課税対象です。払戻金は一時所得として扱われるため、払戻金の額によっては所得税の申告をする必要があるでしょう。
一時所得には50万円の特別控除があるため、課税所得金額が50万円を超えていなければ課税の対象にはならない場合もあります。国税庁「払戻金の支払を受けた方へ」によると、払戻金の課税所得金額は以下の手順で求められます。
(1)払戻金に係る年間受取額を計算する
(2)払戻金に係る年間投票額を計算する
(3)(1)-(2)-50万円した金額を計算する
(4)(3)×2分の1した金額を計算する
100万円の当たり馬券の税金はいくら?
以下の条件で、馬券が当たったときの所得税額を計算してみましょう。
●当たった金額は100万円
●当たり馬券に投じた金額は500円
●1回の当たり馬券以外に当たった馬券はない
●一時所得は払戻金のみ
●給与所得が300万円ある
●上記以外の所得はない
●所得控除は考慮しない
払戻金の課税所得金額は「(100万円-500円-50万円)×2分の1」で求められ、24万9750円です。給与所得が加わるため、所得税の課税金額は「300万円+24万9750円」で324万9750円、1000円未満を切り捨てるため324万9000円になります。
今回のケースだと所得税の税率は10%、控除額は9万7500円なので、所得税額は22万7400円です。
なお、はずれ馬券は払戻金から引く馬券の購入金額には含められないようで、当たり馬券のみで計算する必要があります。年の最後にまとめて計算しようとすると、当たった合計金額や購入金額が分からなくなるので、当たるたびに開催日や払戻金額、当たり馬券の購入金額を表などでまとめておきましょう。
国税庁では集計用のフォーマットが公開されているので、表作りが苦手な方は利用をおすすめします。
競馬で勝ったお金を贈与したときの税金はどうなる?
競馬での払戻金を誰かに贈与すると、渡した相手に対して贈与税が発生する可能性があります。贈与税は基礎控除額が110万円なので、110万円を超える金額を贈与すれば課税対象です。もし100万円勝ったうちの25万円を贈与した場合は、基礎控除額に満たないため課税対象にはなりません。
ただし、贈与税は1年間でもらった金額すべてを合算して求めます。例えば、父親からもらった払戻金25万円のほかにどなたかから100万円を受け取っていれば、合計金額は125万円になるため課税対象です。基礎控除額を超えた15万円に対して贈与税がかかります。
贈与税の計算をするときは、自身が成人しているか、また、贈与してもらった相手が父や祖父といった直系尊属かで税率が変わるケースがあるため、計算をするときは注意しましょう。
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競馬で勝ったお金も課税対象になる
競馬で得た払戻金は一時所得になるため、1年間で勝った金額が50万円を超えていれば所得税が課されます。年間の合計払戻金額を基に計算するため、競馬で勝ったときは日時や購入金額、払戻金額を忘れずにメモしておきましょう。
また、払戻金を贈与した場合は相手に対して贈与税がかかります。贈与税も1年間で贈与された合計額を基に計算するため、1回の贈与額が少なくても1年間の合計金額が基礎控除額を超えていないか確認が必要です。
出典
国税庁 払戻⾦の支払を受けた方へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー