更新日: 2024.08.16 贈与

お盆で帰省したら、母に「毎年贈与するから、銀行で新しい口座をもう1つ作っておいて」と言われました。複数口座を作るのって問題ないんですか? なんだか悪いことをしている気分になるのですが…

お盆で帰省したら、母に「毎年贈与するから、銀行で新しい口座をもう1つ作っておいて」と言われました。複数口座を作るのって問題ないんですか? なんだか悪いことをしている気分になるのですが…
一昔前までは同じ銀行で複数の口座を持つことは容易でした。年齢層の高い世代はいまだにその感覚が強く、お盆に帰省した際などにお金を贈与した後の管理面から、複数の口座を持つことを勧めてくることもあるかもしれません。
 
しかし、昨今は同一銀行で複数の口座を作る機会が減り、「なんだか悪いことのような気がするけど大丈夫?」と心配になる人もいるでしょう。
 
本記事では同一銀行で複数の口座を作っても大丈夫なのか、作ることのメリットやデメリットについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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同一銀行で複数の口座を作ることは違法ではないが難しい

同一銀行で複数の口座を制限する法律はありません。しかし、実態として多くの銀行では複数の口座を持つことを制限しています。そのため、いくら口座をもう1つ作りたいと銀行に申し出ても、「銀行の決まりとしてできません」と言われることもあるでしょう。
 

同一銀行で複数の口座を作ることに制限があるのはなぜ?

同一銀行で複数の口座を作ることに制限があるのにはいくつかの理由があります。代表的なものを見ていきましょう。
 

理由1 犯罪を防止する

銀行口座はときに犯罪に利用されることもあり、複数の口座を持つことで犯罪行為がされやすくなる可能性があります。
 
銀行は顧客の資金を守らなければなりません。大切な顧客の財産を守るべく、不正利用や犯罪への対策として同一銀行で複数の口座を作ることを制限している側面があります。
 

理由2 銀行の管理負荷を減らす

銀行からすると、口座が増えれば増えるほど管理負荷も増えてしまいます。例えば複数の口座があり、あまり活用されずに休眠口座の状態になっても、銀行は口座が存在している限りは管理しなければなりません。
 
口座が増えれば、無駄な管理が発生するリスクも増えるといえるでしょう。
 

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銀行や理由によっては複数の口座を作ることができる場合もある

基本的には同一銀行での複数の口座開設は難しいですが、必ずしもできないというわけではありません。
 
例えば、三井住友銀行では、ホームページにて「多数の口座を開設されることはご遠慮ください」とする一方で、利用目的によっては複数の口座の開設ができる場合があるようです。
 
また、常陽銀行でも「原則として1人1口座」としつつ、利用目的によっては2口座目の開設が可能な場合があるとしています。同一銀行で複数の口座を持ちたい場合は、ホームページや最寄りの支店で確認しましょう。
 

同一銀行で複数の口座を作ることのメリット

そもそも、複数の口座を作るメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
 
代表的なメリットとしては、用途ごとに資産を分けられる点です。使い慣れた銀行で複数の口座を持っていれば、投資用や貯蓄用、日常使い用などと用途を分けての管理がしやすいでしょう。
 
また、一般的には振込手数料も同一銀行宛のほうが他行宛よりも安いです。例えば、三井住友銀行からキャッシュカードにて3万円以上振り込む場合の手数料は、同一支店宛は無料、三井住友銀行の同一支店以外宛では110円、他行宛では330円かかります。
 

同一銀行で複数の口座を作ることのデメリット

同一銀行で複数の口座を作るとデメリットもあります。まずは、口座が増えれば、管理が困難となってしまうかもしれません。同一銀行で同じ見た目の通帳がいくつもあると、どれがどのお金用だったのかが分からなくなる可能性もあります。
 
管理が大変なためいつの間にか放置して休眠口座となると、その口座が犯罪に使われるといったトラブルに巻き込まれていても気が付かない可能性もあります。
 

まとめ

親から同一銀行で複数の口座を持つよう言われ不安に思ったとしても、同一銀行で複数の口座を作ることについては、法的な問題はありません。しかし、多くの銀行では制限を設けており、また複数の口座を持つことにはデメリットもあります。
 
同一銀行で複数の口座を持つ場合、メリットとデメリットを把握したうえで、作れるかどうかを銀行に確認しましょう。
 

出典

三井住友銀行 口座を開設されるお客さまへのお願い(個人)
常陽銀行 【口座開設】普通預金をもう1口座作りたい。
三井住友銀行 振込手数料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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