更新日: 2024.09.11 その他相続
自宅に「500万円」の旧札があります。「一気に」新札と交換してもらうことはできるのでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2024年に新札が発行された
2024年7月3日に、1万円札、5000円札、1000円札の3種類の新札が発行されました。サイズはそれぞれの旧札と同等ですが、採用されている偽造防止技術や図柄が異なります。
1万円札の表面には、実業界で活躍した「渋沢栄一」、裏面には重要文化財に指定されている東京駅(丸の内駅舎)が描かれているのが特徴です。
5000円札の表面には、近代的な女子高等教育に尽力した「津田梅子」、裏面には古くから日本で親しまれている「藤の花」が描かれています。
1000円札の表面には、破傷風血清療法の確立、ペスト菌の発見などの偉業を持つ「北里柴三郎」、裏面には江戸時代の浮世絵師である葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」が描かれています。
また、それぞれの新札には偽造防止技術として高精細のすき入れ、ストライプ型の3Dホログラムが採用されています。特に、3Dホログラムは、最先端技術を用いており、銀行券への採用は世界初です。
新札への交換方法
旧札を新札へ交換する場合には、銀行で手続きします。銀行では、「両替依頼書」に持参金額、必要枚数、新札の希望有無などを記入し、提出します。
手続きを行う銀行の口座の有無によって手数料が異なるケースがあるため、通帳やキャッシュカードを持参しておきましょう。
銀行によっては新札の交換に手数料が発生します。多くの銀行では、口座やキャッシュカードを持っている場合には、1日あたり10枚~50枚程度の無料交換を行っているため、事前に確認しておくことが大切です。
また、銀行のATMコーナーに両替機が設置されている場合は、窓口に並ばなくても新札に交換できるケースがあります。両替機を利用する際は、「1万円のみ新札」といった条件が設定されていることもあるため、銀行の案内に従って交換手続きを行いましょう。
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郵便局やゆうちょ銀行では交換できない
ゆうちょ銀行やゆうちょ銀行と同様の対応を行う郵便局の場合は、通常の銀行とは対応が異なり、新札交換や両替を通常業務として行っていません。また、銀行に設置されている両替機もなく、ATMから新札を指定して引き出すこともできないため、注意が必要です。
ゆうちょ銀行で新札への交換を対応してもらえるかどうかは、店舗やタイミングによって異なるため、事前に電話で確認しておきましょう。
自宅の500万円を一気に交換すると問題になる?
大量の旧札を新札へ交換することで、税務署からの調査が行われるケースがあります。ただし、タンス貯金のような自分で貯めたお金を自宅に保管しているのであれば、タンス預金は違法ではないため問題はありません。
しかし、タンス預金が両親や祖父母などの自分以外の人が貯めたものの場合は注意が必要です。貯めた本人が亡くなったために自分のものとした場合は、預金や紙幣交換によって税務調査につながる恐れがあります。
故人のタンス預金を自分のものにする場合は、相続として申告するとともに相続税の支払いが必要です。
また、新札が発行されたからといって、旧札が使えなくなるわけではありません。紙幣は、日本銀行法において「無制限に通用する」と規定されており、法律上の特別な措置がない限り、旧札が使用できなくなることはないのです。
200万円を超える紙幣の交換に注意
銀行などで預金や紙幣交換するうえで、「犯罪による収益移転防止に関する法律」を把握しておかなければなりません。
一般社団法人「全国銀行協会」では、200万円を超える現金の受け払いに際し、「犯罪による収益移転防止に関する法律」に関連して、氏名や住所、生年月日などの確認を行っています。
この取り組みは、マネーロンダリングを防止することを目的としています。200万円を超える紙幣を新札へ交換する際には、本人確認を求められることを念頭に置いておきましょう。
出典
国立印刷局 新しい日本銀行券特設サイト
一般社団法人全国銀行協会 犯罪収益移転防止法に関するよくある質問・回答
e-Gov犯罪による収益の移転防止に関する法律
e-Gov 日本銀行法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー