互助会ってなに?葬儀費用とかがまかなえるの?知っておきたい仕組み
配信日: 2019.02.02 更新日: 2020.04.07
葬儀という人生最後のセレモニーにおいて、送る方も送られる方も後悔しないために、冠婚葬祭互助会(以下、互助会)について、今一度、確認してみましょう。
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/
互助会って? 保険や共済とどう違うの?
互助会とは、お互いを助け合うという主旨のもと、掛け金を月々積立て、冠婚葬祭の儀式の際に積立てた額に応じたサービスを受けることができるしくみです。
加入者は会員となり、葬儀だけでなく婚礼や七五三などの際に、各互助会独自の料金割引をはじめとしたサービスの提供を受けることができます。保険や共済のように金銭で受け取るのではなく、サービスを受けるという点がポイントです。
互助会をめぐるトラブル
前述の例では、お父さまは「子供たちに負担をかけないよう葬儀費用は準備しておこう」という想いから互助会に加入されたのでしょう。設定金額や口数にもよりますが、月々の負担は1000~5000円が一般的です。
今やインターネットで葬儀費用の相場の検索や比較検討が容易にできますが、親世代はそのようなことを調べるのは「縁起でもない」とタブー視されてきたために、葬儀費用が十分なのか不十分なのか知らなかったのではないでしょうか。
互助会勧誘員の説明が不十分だったり、一部では加入させるための虚偽説明が疑われる事例も見受けられます。
少ない負担金額、数年の積立てでは、通夜と告別式の費用を賄いきれません。また、基本プランに参列者の送迎用車代、通夜のふるまい料理や飲み物代が含まれていないなど、追加料金が遺された親族の負担となり、揉める原因になるようです。
積立て終了後、加入証が紛失してしまったり、加入していることさえ忘れてしまうケースもあります。解約をめぐるトラブルも頻発しています。
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解約できない?
結論からいうと、解約できます。ただし、解約手数料や複雑な手続き、勧誘員からの引き留めなどにより、見送るケースもあるようです。
金融商品と違い、積立て額に対して利息がつきません。前述のとおりサービスの提供ですので、物価上昇には対応できます(互助会加入のメリット)。
逆に互助会としては、前払い費用として受け取った掛け金を会館設立や整備、運営費用に充てつつ、将来の物価上昇に備えて運用しなければなりません。割賦販売法による前受金保全措置として、預かった掛け金の2分の1を保全する必要もあります。
相互扶助とはいえ、利益を追求する一企業です。そういった観点から、解約の申し出に対して渋るのも理解できます。とはいえ、不要な契約は解除すべきですし、支払った全額が戻らないとしても泣き寝入りは避けましょう。なお、解約規定は各互助会により異なります。
理解と納得のうえでの加入を
わずかな掛け金だから、友人が入っているから、という軽い気持ちで加入するものではありません。人生最後のセレモニーとして、どう送ってほしいのか、きちんと考えることが大切です。
基本プランに含まれているもの、含まれていないものの確認や、加入プランで葬儀を行った場合に追加料金なしで賄えるのか、不足分はどうするのか…。近隣の葬儀社でも見積もってもらうと、比較ができます。
遺される親族に想いを残しましょう。送る側としても、そのときに慌てないためにも想いを共有しておきましょう。一緒に窓口に出向いて話を聞くのもよいですね(説明や会話はメモで残しておきましょう)。
現役時代と引退後では、葬儀のカタチ(知らせてほしい人や数など)も変わってくるでしょう。見直しも大切です。
利用できる優待サービスなどもあります
互助会に絡むトラブルについてお伝えしましたが、決して否定しているわけではありません。
目的に合わせた積立ては、ファイナンシャルプランを考えるうえで最も大切なことです。内容を知ること、理解すること、そのうえで必要か不要かを判断しましょう。
そもそも、生命保険などで最終整理資金として備えていた場合は重複します。わずかな積立て金でも無駄なコストは切り捨て、有意義にお金を使ってみませんか。最後に、互助会の規模や地域によりますが、提携による優待割引など各種サービスが充実している場合もあります。内容を把握するとともに確認しておくことをおススメします。
出典
全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)「互助会のしくみ」
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士