義母は毎年、正月の挨拶に行くと「お年玉」として嫁の私に10万円をくれます。受け取る金額が大きいと贈与税がかかるのでしょうか?
配信日: 2025.01.25
今回は、両親・義両親から受け取ったお年玉にかかる税金の取り扱いについてご紹介します。受け取ったお年玉にかかる税金について興味のある方はぜひ、最後までご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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贈与税の仕組みについて
まず、贈与税について紹介します。贈与税とは、個人から贈与によって財産を取得した際に課される税金です。自分が持つ財産を誰かに贈る行為が贈与です。そのため贈与は、贈る側の意思表示と受け取る側の意思表示が合致しないと成立しません。
贈与税は個人から財産を贈与されたときに生じる税金であり、財産を贈与した側ではなく、贈与された側に納税義務が課される点が特徴です。また、国税庁によると、贈与税の課税方法には以下の2つの種類があります。
・暦年課税
その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額に応じて課税される課税方式
・相続時精算課税
贈与を受けた者(子や孫)が2500万円まで贈与税を納めず贈与を受け、贈与者(父母または祖父母)が亡くなった時点でその贈与財産と相続財産の価額の合計額から相続税額を計算し一括納税する方式
課税方法は大きく2種類ありますが、贈与税の原則として年間に受け取る金額が基礎控除額の110万円以下の場合は贈与税は課されないとされています。
なお、亡くなった方が自身を被保険者として保険料を負担していた生命保険金の受け取りなどは贈与税の対象ではなく、相続税の対象です。同じ財産を受け取る場合でも、かかる税の種類が異なる点に注意しましょう。
お年玉に贈与税はかかるのか
両親・義両親からお年玉を受け取った際、贈与税の対象になるかどうかは気になるところです。基本的に、お年玉について贈与税が課される可能性は高くないでしょう。理由としては、国税庁が公表している贈与税がかからない財産に以下の記載があるためです。
「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」
お正月に受け取るお年玉は、記載の年末年始の贈答に該当すると考えられ、基本的には贈与税の対象外となります。ただし、「社会通念上相当と認められるもの」と記載されている通り、受け取る額があまりにも高額すぎる場合は贈与税の対象になる可能性がある点には注意しましょう。
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そのほかの贈与税の例外規定
そのほか、贈与税がかからないとされているケースを2つ紹介します。
1つ目は、生活費や教育費として贈与を受けた場合です。生活費や教育費などの暮らしの中で必要とされるお金については原則、贈与税はかかりません。子どもへの仕送りなども生活費に該当するため、基本的に贈与税の対象外です。
2つ目は、住宅を購入するための資金として贈与を受けた場合です。子どもや孫が住宅を購入する際、資金援助し贈与を行った場合も一定の要件や上限はありますが贈与税は非課税となります。
社会通念上の範囲や一定の要件などについて、個々人での判断が難しいため少しでも悩んだ場合はすぐに税務署に相談しましょう。
仮にお年玉が高額で「社会通念上相当と認められない」場合は、贈与財産となり課税対象となるでしょう。ただ、贈与税には110万円の基礎控除があるため、同じ年(1月1日から12月31日まで)に受け取った財産を合計して基礎控除額以下であれば贈与税はかかりません。
両親・義両親から受け取るお年玉については原則、贈与税の対象にはならない可能性が高い
原則として贈与税の規定上、年末年始の贈答は贈与税の対象とはされていません。お年玉は性質上、年末年始の贈答に該当すると考えられます。そのため、お年玉を受け取った場合でも、社会通念上相当と認められる範囲であれば、贈与税が課される可能性は低いといえるでしょう。
また、今回のケースでは義母から10万円を受け取っているということなので、もし同じ年にほかの贈与がなければ、贈与税の基礎控除額110万円以下となるため、贈与税はかかりません。
ただし、贈与税の例外規定はあくまでも原則的な取り扱いのため、少しでも不安を感じた場合は税務署に相談しましょう。個人的な判断で終わらせてしまうと不要なトラブルを招く可能性があります。そうならないためにも、対策はきちんととっておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー