「一時払い終身保険」が「相続対策」に向いているというのは本当ですか? 「メリット・デメリット」を詳しく教えてください。

配信日: 2025.03.18

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「一時払い終身保険」が「相続対策」に向いているというのは本当ですか? 「メリット・デメリット」を詳しく教えてください。
相続対策に役立つ方法の1つとして「一時払い終身保険」が注目されています。一時払い終身保険は、資産を効率よく引き継ぐための選択肢として活用されていますが、本当に相続対策に向いているのでしょうか。この記事では、一時払い終身保険とはどのような保険か、そして相続対策におけるメリット・デメリットを詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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一時払い終身保険はどのような保険か

一時払い終身保険とは、契約時にまとまった保険料を一括で支払い、生涯にわたって保障が続く保険のことです。通常の終身保険とは異なり、月払い・年払いではなく「一時払い」という形では全額一括払いです。これにより、保険料をその後支払う必要がなくなり、保障が一生涯にわたり続きます。特徴としては、次の点が挙げられます。

● まとまった資産を運用できる:一時払いのため、資産を保険の形で効率的に管理できます
● 死亡保険金が非課税枠に適用される:相続時には一定額まで非課税枠があるため、相続税の軽減が期待できます
● 元本保証商品も存在:金融商品としての側面も持ち、元本が保証されるタイプの商品もあります

このように一時払い終身保険は、資産を守りながら次世代に引き継ぐことを目的とした保険です。
 

一時払い終身保険を相続対策に使うメリット

一時払い終身保険を相続対策として活用するメリットは多岐にわたります。ここではメリットを4点紹介します。
 

1. 相続税の節税効果が期待できる

相続税は3000万円+600万円×法定相続人の人数まで基礎控除額があります。それとは別に一時払い終身保険は、死亡保険金が相続税の非課税枠の対象です。具体的には、被相続人1人につき500万円×法定相続人の数まで非課税となるため、現金や預金をそのまま相続するよりも税負担を軽減できる可能性があります。
 

2. 資産の早期分割が可能

死亡保険金は、遺産分割協議を待たずに速やかに受け取れるため、葬儀費用や当面の生活費の確保に役立ちます。これにより、相続発生後の資金繰りの心配を減らすことができます。
 

3. 資産の目減りを防ぐ

現金や預金をそのまま所有していると、将来的なインフレーションや資産の減少リスクがあります。一時払い終身保険を利用することで、一定の運用が期待できるほか、元本保証があるタイプなら資産を安全に管理できます。
 

4. 遺族間の争いを防ぎやすい

保険金の受取人は契約時に指定できるため、遺産分割のトラブルを回避しやすくなります。遺族間での争いを防ぐためにも効果的な手段です。
 

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一時払い終身保険を相続対策に使うデメリット

一方で、一時払い終身保険を相続対策として利用する際には、注意する点もあります。デメリットを4点紹介します。
 

1. 初期費用が高額

一時払い終身保険は、契約時にまとまった資金を一括で支払う保険商品です。最低契約金額が数百万円以上になる場合も多く、手元に十分な金融資産がなければ契約が難しいかもしれません。
 

2. 途中解約のリスク

一時払い終身保険は長期間保有することでメリットが得られる商品です。しかし、途中で解約すると解約返戻金が支払った保険料を下回ることがあり、元本割れのリスクが生じる可能性があります。
 

3. 運用益が限定的

元本保証があるタイプの場合、大きなリターンを期待することは難しいでしょう。資産運用の目的で利用する場合、他の金融商品と比較して運用益が低い場合があります。
 

4. 医療検査や告知義務がある場合もある

契約時に健康状態の告知が必要な場合があり、持病や健康状態によっては契約できないことがあります。この点は契約前にあらかじめ確認しておく必要があります。
 

相続対策としてメリットが大きいがデメリットもある

一時払い終身保険は、相続対策として多くのメリットがある一方で、デメリットも存在していることを紹介しました。相続税の軽減や資産の早期分割、遺族間のトラブル防止など、さまざまな利点がありますが、契約時にまとまった資金が必要であることや健康状態の告知、途中解約リスクにも注意が必要です。
 
一時払い終身保険がご自身の状況に適しているかを判断するためには、専門家に相談しながら慎重に検討することが大切です。
 

出典

国税庁No.4155 相続税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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