母が生前紛失したという「タンス預金300万円」。遺品整理で見つけたのですが、このままもらってもよいのでしょうか?

配信日: 2025.05.16 更新日: 2025.07.02
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母が生前紛失したという「タンス預金300万円」。遺品整理で見つけたのですが、このままもらってもよいのでしょうか?
故人が保有していたタンス預金が、亡くなってしばらく経ってから見つかるケースがあります。今回の事例では、母親が生前紛失したというタンス預金300万円が遺品整理時に見つかったとのことですが、人によってはすでに相続税の申告もしたし、もらってもよいのではと考える方もいるかもしれません。
 
しかし、あとから見つかった場合でも、状況によっては税金の申告が必要です。今回は、あとから見つかった遺産の取り扱いや、申告期限後に課税対象となる財産が見つかったときの税金などについてご紹介します。
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遺品整理であとからタンス預金が見つかったらそのままもらってもよい?

相続税は、故人の保有していたすべての財産が対象になります。タンス預金も例外ではありません。もし、申告せずに勝手に使用すると、税務署から指摘される可能性があるだけでなく、ほかの相続をした遺族との間でトラブルにつながる可能性もあります。
 
タンス預金が見つかったら隠さずに相続人間で共有し、必要に応じて申告をしましょう。もし、すでに申告をしていた場合は、修正申告が必要です。
 
さらに、相続人が複数いて遺産分割協議が実行されていた場合は、原則として新たに見つかった分に関してもう一度行う必要があります。
 
なお、タンス預金以外にも故人が亡くなる直前に親族により引き出され、病院代や葬儀代などで使いきれなかった分のお金も相続税の課税対象になる場合があります。亡くなった方の預金通帳などを確認して、亡くなる前にお金が引き出された形跡がないか確認しておきましょう。
 

タンス預金以外にも相続財産があったときの税額の計算方法

まず、相続税を計算する前にすべての故人の財産を合計します。すべての財産を確認できたら、各相続人の税額を計算しましょう。なお、相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人数」です。
 
仮に、3500万円の財産を1人で相続した子どもが、新たにタンス預金300万円を見つけたとしましょう。このとき、申告期限はきていないものとします。
 
法定相続人数が1人とすると、基礎控除額は3600万円です。また、今回のケースだと、もともと相続していた3500万円にタンス預金が加わるため、相続合計額は3800万円になります。基礎控除を引いた200万円が課税対象です。
 
国税庁によれば、このとき、税率は10%なので、相続税は20万円が課されます。
 

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もし申告期限後に見つかったらどうする?

もし、申告期限後に新たなタンス預金が見つかったときは、修正申告や期限後申告が必要です。
 
なお、修正申告や期限後申告をすると、法定納期限を超えた日数に応じて「延滞税」が課される可能性があります。国税庁によると延滞税は税率が2種類あり、以下の通りです。

●納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで:年2.4%
●納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降:年8.7%

ただし、この税率は令和4年1月1日~令和7年12月31日までの期間の場合です。期間が変わると、税率も変わる可能性があるため注意しましょう。
 
また、税務署から指摘後に修正申告をしたなど、一定条件を満たしていれば追加で無申告加算税や過少申告加算税も課される可能性があります。税金負担を少しでも軽くしたいなら、基本的には期限内に申告しましょう。
 

あとから見つかった遺産も相続財産として申告が必要になる可能性がある

相続税は、亡くなった方が保有していたすべての財産が課税対象です。基礎控除額を超えていれば、税金の申告が必要となります。あとから見つかった財産も対象になるので、タンス預金が見つかったときは必要に応じて申告をしましょう。
 
なお、申告期限後に見つかったときは税額の修正申告や期限後申告が必要です。修正申告や期限後申告では、延滞税が追加でかかるほか、状況によっては加算税が課される可能性もあります。期限内に申告できるよう、相続財産は相続した時点でほかにもないかよく調べておきましょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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