母の遺産分割協議後にタンス預金「3000万円」を発見!すでに相続税は支払ったのですが、今回も税金申告が必要なのでしょうか?
今回は、遺産分割協議後にタンス預金が見つかったときの相続税や、分割しなおしたときの計算例などについてご紹介します。
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
遺産分割協議後に見つかった財産の扱い
遺産分割協議後に見つかった財産は、税金に影響がなければあとから見つかった分のみに対して、ふたたび遺産分割協議を行えば問題ないでしょう。相続人が複数いる場合は、相続人全員で新たな財産の分け方を決めます。
ただし、あとから財産が見つかったことで相続税の金額が変わる可能性があるときは、税金の申告や修正申告などが必要です。例えば、以前の相続財産では非課税だったものの、財産が加わることで課税対象になる場合は、申告が必要です。
また、すでに相続税の申告をしているときは、財産が加わると税額も変わるので訂正申告か期限後であれば修正申告が必要でしょう。
もし、申告しないまま放置していると、無申告や過少申告として追加で税金が課される場合があるので、注意しましょう。課税されるか分からないときは、税理士など税の専門家に相談することをおすすめします。
財産を分割しなおすときの相続税の計算例
相続財産を分割しなおしたときの計算方法は以下の通りです。
(1)以前の相続財産と新しく見つかった相続財産を合計する
(2)(1)の金額から基礎控除額を引く
(3)法定相続分で分けたとして、各法定相続人の税額を求める
(4)(3)の金額を合計したあと、実際の相続割合に応じて税額を分ける
相続税の計算をしなおすときも、基本的には通常の相続税の計算と変わりません。例えば、以下の条件であとから相続財産が見つかった場合に、税額がいくら増えるのかを計算しましょう。
・法定相続人は子ども3人のみ
・最初に6000万円を相続し、申告後に3000万円が見つかった
・葬式費用などは考慮しない
・基礎控除以外の控除は考慮しない
・法定相続分通りに相続する
まず、相続税の基礎控除は「3000万円+法定相続人数×600万円」なので、今回だと4800万円です。相続財産が6000万円のとき、基礎控除を引いた1200万円に対して課税されます。
法定相続分で分けると、一人当たり400万円が課税され、税率は10%です。一人につき税額が40万円なので、相続税額は合計120万円になります。今回は法定相続分通りに分けるため、一人当たりの税額も40万円のままです。
次に、3000万円を追加した9000万円を相続した場合を計算しましょう。基礎控除を引いた4200万円が課税対象です。3人で分けると、一人当たり1400万円で税率15%、控除額が50万円になります。相続税額は一人につき160万円なので、合計で480万円です。
あとから財産が見つかったことで相続税は合計360万円増加しているため、修正申告が必要でしょう。
修正申告の方法
もし、申告期限を過ぎてから新たな財産が見つかったときは、修正申告を行いましょう。修正申告は、通常の相続税の申告書と同じ書類を使用して行います。記載項目に「この申告書が修正申告書である場合」と書かれた項目があるので、修正前の相続額や修正後の税額などを記載します。
なお、修正申告をすると、延滞税や加算税が課される可能性があるので注意が必要です。特に、延滞税は納付期限から遅くなるほど課される税額が多くなる税金なので、修正申告はできるだけ早く行いましょう。
税額が変わったならふたたび申告が必要
もし、相続税の申告後に新たな財産が見つかった場合、修正申告が必要です。申告を忘れていると無申告や過少申告と扱われる可能性があるので、注意しましょう。
修正申告は通常の相続税の申告書で行えます。修正申告用の項目が作られているので、記載内容に従って内容を記載してください。なお、修正申告に伴い延滞税や加算税が課される場合もあるので、税金負担を軽減したいなら、できるだけ早い申告が大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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