基礎控除額が4800万円なら、課税対象はいくら?相続の手続きで「遺留分を請求できる」と聞きました。「法定相続分」と何が違うのでしょうか?

配信日: 2025.07.01 更新日: 2025.07.02
この記事は約 3 分で読めます。
基礎控除額が4800万円なら、課税対象はいくら?相続の手続きで「遺留分を請求できる」と聞きました。「法定相続分」と何が違うのでしょうか?
相続をするときに「法定相続分」「遺留分」という用語を聞くことがあります。それぞれの意味を知っておくことで、相続時に自身の相続がなかった場合、遺産の一部を請求できる可能性もあるでしょう。
 
また、相続の話し合いでトラブルを防ぐためにも、相続に関係する用語や法律を知っておくことが大切です。今回は、法定相続分と遺留分の概要や、遺留分を受け取ったときの相続税などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

法定相続分とは

法定相続分は、民法で定められた各相続人の相続分のことです。
 
法定相続分は、誰が相続するかで変わります。ケース別の法定相続分の例は表1の通りです。
 
表1

法定相続人 法定相続分
配偶者と子ども 配偶者 2分の1
子ども 2分の1(人数分に分ける)
配偶者と兄弟姉妹 配偶者 4分の3
兄弟姉妹 4分の1(人数分に分ける)
配偶者と直系尊属 配偶者 3分の2
両親 3分の1(人数分に分ける)

※国税庁「財産を相続したとき」を基に筆者作成
 

遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人が最小限の遺産を受け取ることができる割合のことです。
 
例えば、亡くなった人に配偶者と長男、次男がおり、遺書で「遺産はすべて配偶者に譲る」と記されていたとしましょう。もし遺言通りだと、長男と次男は遺産を受け取れません。
 
しかし、法律で遺留分が決められていることで、長男と次男は最低でも遺留分は請求することができます。民法第1042条によると、遺留分を受け取れるのは兄弟姉妹以外の法定相続人で、割合は以下の通りです。

●直系尊属(両親や祖父母)のみが相続人のとき:被相続人の財産の3分の1
●それ以外の場合:被相続人の財産の2分の1

なお、相続人が複数人いる場合、先述した遺留分の割合に法定相続分をかけた割合が実際の遺留分です。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

遺留分を受け取ると相続税の課税対象になることがある

遺留分を受け取ると相続をしたことになるので、金額によっては相続税の課税対象です。例えば、相続税の申告期限前に子どもが遺留分を請求し、受け取ったとしたときの税額を求めましょう。条件は以下の通りです。

●相続人は配偶者と子ども2人
●遺産総額は6000万円
●配偶者が遺言ですべてを相続した
●子ども2人が遺留分の請求をした

子ども2人の遺留分の割合は、8分の1ずつです。そのため、遺留分で750万円ずつ受け取ることになります。
 
相続税は、まず法定相続分で相続したと仮定して各相続人の税額を計算しましょう。合計したあと、実際の相続割合で分けて負担する税額を求めます。
 
今回の場合、基礎控除額は4800万円なので、1200万円が課税対象の財産です。計算をすると、法定相続分で相続した場合の税額が配偶者は60万円、子どもは30万円ずつです。合計した120万円を実際の相続割合で分けると、配偶者は90万円、子どもは15万円ずつになります。ただし、配偶者には配偶者の税額軽減があるため、今回は税金負担はありません。
 

遺留分は最低保障額を示している

法定相続分は、民法で定められた各相続人の相続分のことです。一方の遺留分は、一定の相続人が最小限の遺産を受け取ることができる割合のことです。
 
ただし、遺留分は請求しないと使えず、時効も定められているため、請求したいときはできるだけ早く行った方がよいでしょう。
 
また、遺留分を受け取ることで相続税の課税対象となる可能性があります。課税対象となったときは申告、納税を忘れないようにしましょう。
 

出典

国税庁 財産を相続したとき
e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問