先月父が亡くなり「200万円」以上の葬儀費用を“父の遺産”から負担しました。相続税はきっかり取られますか?

配信日: 2025.07.04

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先月父が亡くなり「200万円」以上の葬儀費用を“父の遺産”から負担しました。相続税はきっかり取られますか?
ここ数年、葬儀の規模と費用はコロナ禍の縮小も影響して高騰傾向にあります。2024年の葬儀費用平均額は118万5000円という結果がでており、小さな出費とはいえないでしょう。
 
葬儀にかかる費用は、相続税の控除対象になる場合があります。制度を利用することで、経済的な負担を軽減できるかもしれません。本記事では、葬儀費用の相場と税制度について解説します。
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葬儀費用の平均は一般葬で「約161万3000円」

葬儀は、その規模からいくつかの種類に分類できます。表1は、それぞれの葬儀にかかる費用の平均額をまとめたものです。
 
表1

名称 割合(パーセント) 平均額 通夜の参列者 構成
家族葬 50 105万7000円 親族、近親者 通夜・葬儀・告別式
一般葬 30.1 161万3000円 親族、近親者、知人など 通夜・葬儀・告別式
一日葬 10.2 87万5000円 なし 告別式
直葬・火葬式 9.6 42万8000円 なし 火葬のみ

出典:株式会社 鎌倉新書「【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)」を基に筆者作成
 
2015年の時点では、家族葬の選択割合が31.3パーセント、一般葬は58.9パーセントでした。しかし、コロナ禍を機に家族葬を選択する人が増え、上記の結果に落ち着いています。感染防止を呼びかける風潮の他にも、都市化や核家族化などの要因があると考えられています。
 

「葬式費用」は遺産相続から控除できる

葬儀にかかった費用は、相続税の控除対象です。通常、個人から財産を相続する際は金額に応じて相続税が発生し、相続財産に応じた税額を納付する必要があります。しかし控除した分は税額計算の対象外になるため、結果として税負担を減らすことが可能です。
 
以下は、控除対象となる費用の一覧です。これらは上限額が設定されていません。

●遺体の捜索、運搬代
●火葬、埋葬、納骨代
●遺体、遺骨の回送代
●通夜にかかる飲食代、交通費
●供養に対するお布施

以下は控除対象にならない費用の一覧です。故人の財産から支払うことは可能ですが、支払うと「相続した」とみなされるため、相続放棄を希望している場合は注意しましょう。

●法事代(初七日や四十九日、一周忌など)
●香典返し代
●墓石、墓地代

控除を受ける際に備えて、支払いの明細や領収書は忘れずに保管しておきましょう。
 
特に寺院への支払いはあくまでもお布施であるという扱いになるため、寺院側には領収書の発行義務がありません。そのため、こちらから発行を依頼します。領収書がない場合は、支払いに関する以下の情報をメモしておきましょう。

●日付
●お寺の名前、住所、連絡先
●金額
●目的(お布施で可)

 

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葬儀費用は「確定申告」の控除対象には含まれない

葬儀費用は相続税の控除対象ではあるものの、確定申告などで申請できる所得税の控除対象にはなりません。また、故人が対象の確定申告である、準確定申告においても控除の対象外です。
 
しかし、故人の医療費は確定申告の対象になるケースがあります。治療時に被相続人が故人と生計を共にしていた場合、被相続人の医療費控除対象となります。
 

まとめ

税制面の優遇においては対象となるものとそうでないものがあります。葬儀費用は金額に関わらず、相続税の控除対象です。申請手続きを行うことによって税負担を軽減できるため、葬儀費用の明細書、領収書はしっかり保管しておきましょう。ただし、確定申告に係る所得税の控除は対象外です。
 

出典

株式会社 鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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