父が亡くなり“実家”を相続しました。「登記は義務じゃない」と放置してたら、知人に「10万円の罰金になるよ」と言われたのですが、なぜですか? 義務化の背景はどのようなものでしょうか?

配信日: 2025.07.27 更新日: 2025.07.28
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父が亡くなり“実家”を相続しました。「登記は義務じゃない」と放置してたら、知人に「10万円の罰金になるよ」と言われたのですが、なぜですか? 義務化の背景はどのようなものでしょうか?
実家を相続するにあたって、見落とされやすいのが登記です。相続登記は、2024年4月1日より義務化されており、申請を忘れてしまうと思わぬペナルティを背負う羽目になりかねません。
 
本記事では、登記の義務化の背景をはじめ、違反した場合のペナルティなどについて解説します。
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なぜ登記は義務化されたのか

登記が義務となった背景として、「所有者不明土地」の問題が挙げられます。登記が行われず、所有者不明土地が増加すると、公共事業や復旧事業の遅延、周辺環境の悪化などのトラブルにつながりかねません。
 
所有者不明土地が発生する原因ですが、その6割強を登記の未了が占めています。そこで、登記の申請を義務化することによって、国は所有者不明土地の数を減らそうとしているのです。
 

登記をしないとどうなる?

不動産を相続した場合、所有権取得を知った日から3年以内に登記の申請をしなければならず、不動産登記法164条で「正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処する」と定められています。科された過料を支払わない場合、財産を差し押さえられる可能性もあります。不動産を相続したら、登記は速やかに行ってください。
 

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登記がすぐにできない場合は?

不動産を相続したものの、諸事情で登記がすぐにできない人もいるでしょう。その場合は、以下の対処法を試してください。
 

司法書士に任せる

登記に必要な書類を用意したり、手続きを進めたりする時間がない場合は、司法書士に任せましょう。司法書士は登記の専門家であり、司法書士に登記を依頼すればスムーズかつ確実に登記を進められます。
 
どの程度の費用がかかるかは、依頼先の司法書士によって異なりますが、約5万~15万円が相場のようです。
 

法定相続登記を行う

相続人の間で遺産の分割協議がまとまっていない場合は、法定相続登記がおすすめです。
 
法定相続登記とは、民法で定められた法定相続分に基づき、不動産の名義を相続人に変更する手続きです。この手続きを行えば、一時的に相続登記の義務から免れられます。
 
なお、遺産分割協議が成立した場合、その日から3年以内に所有権移転登記を申請しなければなりません。
 

相続人申告登記を行う

相続人申告登記とは、以下のことを申し出る制度です。

●不動産の所有者が亡くなり、相続が発生したこと
●自分が相続人であること

この申し出によって、相続人は相続登記の義務を履行したものとみなされます。そのため、万一登記申請が期限に間に合わなくても、過料の対象にはなりません。
 
ただし、権利の取得や法定相続分の確定は含まれない点に注意が必要です。
 

相続土地国庫帰属制度を利用する

土地の価値が低く、相続そのものを放棄したい場合は、相続土地国庫帰属制度の利用も検討しましょう。これは、いらない土地を国庫に帰属させることができる制度です。
 
なお、同制度を利用するためには、土地評価に基づいた10年分の管理費用を支払う必要があります。負担金の額ですが、宅地や田畑などは原則20万円、森林は面積によって金額が変動します。
 

罰金を防ぐためにも、実家を相続した場合は登記を素早く行うこと!

相続登記の義務化は、所有者不明土地に起因する諸問題を解決するために始まりました。登記を忘れてしまうと、10万円以下の過料を支払わなければなりません。
 
そのため、相続が発生した時点で、可能な限り迅速に登記を行うようにしてください。もし登記する時間が確保できない場合は、司法書士に依頼する、相続人申告登記を活用するなどしましょう。
 

出典

法務省 相続登記の申請義務化について
東京法務局 相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう 所有者不明土地!~
e-Gov法令検索 不動産登記法
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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