都営霊園の抽選倍率は「10倍超え」も⁉やっと当選しても、使用料のほかに「年間管理料」がずっとかかるって本当?

配信日: 2025.07.27 更新日: 2025.07.28
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都営霊園の抽選倍率は「10倍超え」も⁉やっと当選しても、使用料のほかに「年間管理料」がずっとかかるって本当?
東京都が運営する「都営霊園」は、毎年の抽選によって利用者が決まる仕組みです。
 
場所によっては、抽選倍率が10倍を超えることもあるため、事前の情報収集が重要となるでしょう。また、当選した場合も「使用料」に加えて、毎年の「年間管理料」が発生する点には注意が必要です。
 
今回は、都営霊園の抽選倍率や応募から抽選までの流れ、費用の内訳について解説します。
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都営霊園の抽選倍率は最大12.5倍

令和5年度の一般埋蔵施設・芝生埋蔵施設・立体埋蔵施設における募集では、都心に位置する「青山霊園」が最も高倍率で、応募受付数748件に対して募集枠数は60件、倍率は12.5倍でした。
 
次いで倍率が高かったのは、年間管理料がかからず比較的安価な「染井霊園」の立体埋蔵施設。応募受付数301件に対し募集枠数は25件と少なく、倍率は12.0倍となっています。
 
一方、倍率が低かったのは「多磨霊園」で1.7倍、次いで「八柱霊園」が1.9倍となりました。なかでも「八柱霊園」は、応募受付数が623件と青山霊園に次いで多かったものの、募集枠数も325件と比較的多かったため、倍率はおさえられる結果となりました。
 
このように、都営霊園の抽選倍率は、募集枠数や応募受付数によって大きく異なります。応募を検討する際は、倍率の傾向も含めて総合的に判断するといいでしょう。
 

応募から抽選までの流れ

抽選は1年に一度行われます。
 
申し込みはインターネットと郵送の両方で受け付けており、インターネット申し込みの方にはEメールで、郵送申し込みの方にははがきで抽選結果が通知されます。
 
抽選は、抽選器を用いて玉の番号をランダムに抽出し、その番号をコンピューターで規則的に組み合わせることで当選番号および順位を決定する方式が採用されています。
 
抽選の様子は、公益財団法人東京都公園協会の公式YouTubeチャンネルにてライブ配信されますので、観覧も可能です。また、抽選結果は都立霊園の公式ホームページで公開されるほか、都立霊園の窓口や東京都公園協会本社の窓口でも閲覧できます。
 
万が一、当選者が辞退したり書類審査で失格となった場合は、補欠順位の上位の方から順に繰り上げ当選が行われます。これにより、できるだけ多くの申込者へ公平に当選のチャンスが提供される仕組みとなっています。
 

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使用料と年間管理料の内訳

都営霊園を利用する際には、初期費用としての「使用料」と、施設の維持にかかる「年間管理料」の両方を支払う場合があります。これらの金額は、霊園の立地や施設の種類、区画の大きさによって異なるため、事前によく確認しておく必要があります。
 
使用料とは、墓地の土地を“購入する”のではなく、永続的に使用する権利(使用権)を得るための一括費用を指します。
 
一方、年間管理料とは、墓地の清掃や植栽、施設の維持管理などのために毎年支払う費用です。金額は、施設の区分・面積によって金額が異なります。なお、合葬墓や樹林型墓地など一部の形態では、年間管理料が発生しないケースもあります。使用料と年間管理料の相場を表1にまとめました。
 
表1

種類 使用料(目安) 年間管理料(目安)
一般埋蔵施設 20万5000円~297万円/平方メートル 750円/平方メートル(1年)
芝生埋蔵施設 23万6000円~95万3000円/平方メートル 930円/平方メートル(1年)
壁型埋蔵施設 60万8000円~168万3000円/カ所 2920円/カ所(1年)
立体埋蔵施設 34万4000円~89万5000円/カ所 管理料不要
合葬埋蔵施設 3万7000円~11万7000円/1体 管理料不要
樹林型合葬埋蔵施設 2万7000円~18万7000円/1体 管理料不要

出典:公益財団法人東京都公園協会「東京都霊園使用料・管理料・手数料一覧表」を基に筆者作成
 
最も費用をおさえられるのは合葬型や樹林型の墓地で、初期費用のみ・数万円から利用が可能です。一方、一般埋蔵施設では面積や立地により費用が大きく変動し、最大で300万円近くかかる場合もあります。
 
例えば、30年間使用した場合の総額費用は以下の通りです。

●一般埋蔵施設(1平方メートル):22万7500円~299万2500円
●芝生埋蔵施設(1平方メートル):26万3900円~98万900円
●壁型埋蔵施設(1カ所):69万5600円~177万600円

このように、使用料に加えて年間管理料が発生する場合、総額で数万円〜数十万円の追加費用がかかることになります。また年間管理料だけを見ても、一般埋蔵施設と壁型埋蔵施設では、30年間で6万5100円もの差が生じます。
 
こうした点からも、初期費用だけでなく、長期的な維持コストも踏まえたうえで、ご自身の希望や将来的な継承のしやすさなどを総合的に検討することが大切です。
 

都営霊園は、使用料と年間管理料で総額300万円以上かかる可能性がある

都営霊園は「安くて安心」というイメージを持たれがちですが、実際には高倍率をくぐり抜けなければならない場合があります。
 
都営霊園にかかる費用は、場所やお墓の形態によって大きく変動しますが、とくに将来の負担を見据えるなら、年間管理料が不要な墓地を選ぶという選択肢も有効です。
 
年に一度しかない応募機会を逃さないためにも、思い立ったときが検討のタイミングです。将来の安心のために、早めの準備をおすすめします。
 

出典

東京都建設局 公益財団法人東京都公園協会 令和5年度 都立霊園公募受付状況と抽選会について
公益財団法人東京都公園協会 東京都霊園 使用料・管理料・手数料一覧表(令和6年4月1日現在)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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