同居していた父が亡くなり「実家」を相続することに。そのまま住めば「相続税」が200万円以上安くなる場合も?実家相続で使える“減税ルール”とは

配信日: 2025.07.28
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同居していた父が亡くなり「実家」を相続することに。そのまま住めば「相続税」が200万円以上安くなる場合も?実家相続で使える“減税ルール”とは
同居していた親が亡くなり、実家にそのまま住んでいるという人もいるでしょう。亡くなった人と同居しており、その家をそのまま相続した場合、相続税の計算時に加算される金額を少なくできる場合があります。
 
少しでも相続税の負担を少なくしたい人は、特例の計算方法などを調べておきましょう。今回は、亡くなった家族と同居していたときに適用される特例について紹介します。
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高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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亡くなった家族と同居していたときは特例が適用される場合がある

相続した財産は、金額によって相続税が課されます。しかし、同居中の親が亡くなり、そのまま住んでいた家を相続したときは、「小規模宅地等の特例」が適用される可能性があります。
 
本特例では、一定条件を満たしていると相続税の計算に使われる課税価格の減額が可能です。居住用の家を相続した場合、330平方メートルの土地までは80%減額できる場合があります。
 
なお、住宅としてだけでなく、貸付事業以外の事業用としても家を使用していた場合は、限度面積400平方メートルまで80%減額され、合計で最大730平方メートルまでが特例の適用対象になります。
 

特例の有無で相続税額はどれくらい変わる?

今回は、以下の条件で土地と家を相続した場合の相続税額を求めましょう。
 

・住むために使われていた2000万円の土地と3000万円の家、1000万円の預金を相続
・土地の広さは330平方メートル
・法定相続人は子ども1人
・遺贈や相続時精算課税などで財産を受け取った人はいない

 
相続税の基礎控除は「3000万円+法定相続人数×600万円」です。そのため、今回の基礎控除は3600万円となります。もし小規模宅地等の特例が適用されないと、課税対象となる遺産総額は6000万円です。基礎控除を差し引いた2400万円に対して課税されます。
 
国税庁によると、2400万円のとき、相続税率は15%、控除額は50万円のため、相続税額は310万円です。
 
一方、小規模宅地等の特例が適用され80%減額されると、土地の課税価格は「2000万円×20%」で400万円になります。ほかに相続した家と預金を合計すると、課税金額は合計4400万円、基礎控除を引いた800万円に対して課税されます。800万円の場合、相続税率は10%のため、相続税額は80万円です。
 
今回のケースでは、小規模宅地等の特例により相続税額が230万円安くなります。
 

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相続人が複数の状態で実家を相続する前に確認しておきたいポイント

兄弟や姉妹がいる場合は、相続財産の分割内容について決めなければなりません。相続財産が現金のみの場合はお互いに分ければ問題ありませんが、実家を相続する場合、ほかの財産を相続した兄弟や姉妹と不平等ではないかとトラブルになる場合があります。
 
実家を相続する前に、トラブルを防ぐためにも相続する人物はよく話し合って決めましょう。相続に際して相続財産のなかでの実家の割合が大きい場合は、実家を相続した人が現金でほかの相続人に均等になるよう金額を支払う方法もあります。
 
実家を相続する人がどうしても決まらない場合は、相続人での共有名義で相続することも選択肢のひとつです。話がまとまらないときや分からないことがあるときは、弁護士や税理士などの専門家に頼るとよいでしょう。
 

親と同居していてそのまま住む場合は小規模宅地等の特例を利用できる場合がある

小規模宅地等の特例は、今回の事例のように、同居していた親が亡くなり、そのまま同居人の子どもが家を相続したときに、相続税の計算時に加算される金額を減額できる特例です。居住用の宅地であれば最大330平方メートルまで適用できます。
 
今回の条件では、特例があることで、特例がない場合よりも相続税額が230万円安くなりました。
 
なお、実家の相続にあたって、ほかにも相続人がいる場合は、トラブルを防ぐためによく話し合うことが大切です。誰が相続するか決めきれないときは共有名義で登記することもできます。必要に応じて専門家に頼るとよいでしょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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