兄弟で相続した「5000万円」の土地と家に私が住むことに。兄の相続分と、不要になった私の土地を交換すると税金はかかりますか?

配信日: 2025.07.29
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兄弟で相続した「5000万円」の土地と家に私が住むことに。兄の相続分と、不要になった私の土地を交換すると税金はかかりますか?
土地を相続した場合、元々住んでいた土地が必要なくなる場合もあるでしょう。その場合、家族間や友人間で土地同士、建物同士の交換をすることがあるかもしれません。同じ固定資産同士で交換をした場合、特例が適用されるケースがあります。
 
今回は、土地同士を交換した場合に税金がかかるのか、課税された場合の税額例などについてご紹介します。
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いらない土地を交換すると税金はかかる?

譲渡ではなく交換の形で土地や建物を譲ると、譲渡所得とは判断されない場合があります。固定資産の交換の特例と呼び、一定条件を満たしていれば適用されます。本特例を受けるための条件は以下のとおりです。

●交換する資産がどちらも同じ種類の固定資産
●どちらの資産も1年以上所有している
●交換を目的として資産を取得していない
●交換する資産は交換する前と同じように使用する
●交換する資産の差額が高い方の資産に対して20%以内である

なお、土地や不動産を相続した場合、所有期間は亡くなった人が所有していた期間がそのまま引き継がれます。そのため、相続時点で被相続人が1年以上保有していた土地や家であれば、交換の特例の対象になるでしょう。
 
特例を適用したいときは、譲渡所得の内訳書を添付して申告を行います。なお、交換の際に、同じ種類の固定資産以外に金銭で交換差分を受け取った場合、受け取った金銭分は譲渡所得として計算されます。
 

譲渡所得とみなされるといくら課税される?

固定資産の交換の特例では「種類が同じ固定資産」が条件なので、土地と建物をまとめて別の土地と交換したとき、土地は交換の特例が適用できますが、建物は通常の譲渡をしたとして扱われます。また、土地と建物を別の土地と交換した際に、建物の価格が土地の価格の20%を超えている場合は、どちらにも交換の特例は適用されません。
 
以下の条件で、兄が保有する土地と建物を、自分の土地と交換した場合に発生する譲渡所得を計算しましょう。

●兄から3000万円の土地と2000万円の家を受け取る
●自分は3000万円の土地を渡す
●同じ年にほかの譲渡はないものとする
●それぞれの資産は所有期間が5年以上とする
●特別控除は適用されない
●譲渡費用はない

まず、土地代はどちらも同じなので特例が適用されます。
 
家は土地と同じ種類の資産ではないので、家に対してのみ交換の特例が適用されません。また、所有期間が5年以上なので、家の売却により兄が得る所得は長期譲渡所得です。
 
特別控除と譲渡費用が適用されない場合、長期譲渡所得の課税金額は「譲った価格-取得費」で求められます。取得費が分からなかったり取得費が譲った価格の5%より少なかったりすれば、5%として計算が可能です。
 
今回のケースだと、長期譲渡所得額は「2000万円-(2000万円×5%)」で1900万円です。また、長期譲渡所得では所得税率が15%、住民税率が5%課されます。そのため、兄が支払う長期譲渡所得にかかる税額は、所得税が「1900万円×15%」で285万円、住民税は「1900万円×5%」で95万円です。
 

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申告の方法

交換した資産すべてが交換の特例の適用対象となると、譲渡所得が発生しないので所得税もかかりません。しかし、交換の特例を適用させるためには申告が必要なので、税金が発生しなかったとしても、確定申告を忘れないようにしましょう。
 
手順としては確定申告書を作成したあとに、譲渡所得の内訳書を記入し添付します。手書きでも申告書は記入できますが、スマートフォンやパソコンなどオンラインでの作業も可能です。マイナンバーカードを保有している場合はe-Taxを利用すると手軽に申告ができます。自分にとって使いやすい方法で申告するとよいでしょう。
 
申告期限は確定申告と同様で、原則として翌年の2月16日~3月15日(土日祝の場合は翌平日)です。
 

土地同士の交換のみであれば税金がかからない可能性がある

同じ固定資産を交換する場合は、固定資産の交換の特例が適用され、譲渡所得として課税されない可能性があります。ただし、土地と家をまとめて土地のみと交換すると、家の金額に対する譲渡所得が発生する場合があります。
 
もし譲渡所得と判断されると確定申告と同じ期間に申告が必要です。申告の方法はオンラインや郵送など、自分にとってやりやすい方法を選ぶとよいでしょう。また、少しでも税金の負担を軽減したい場合は、同じ種類の固定資産同士で交換するようにしましょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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