母の遺品整理中に床下収納から「300万円」を発見!存在も知らなかったのですが、これも相続財産になるのでしょうか?
今回は、タンス預金も相続財産になる理由や相続税の計算方法、タンス預金がよく隠されている場所などについてご紹介します。
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タンス預金も相続財産になる
相続は、基本的に亡くなった本人が所有していた財産すべてが対象となるため、タンス預金も相続財産として加算されます。相続財産は金額によっては相続税の課税対象となるため、すべて確認して状況によっては申告が必要です。
もし、あとから見つかった財産によって相続税の金額が変わる場合は、相続税の訂正申告や修正申告が必要です。税金が増えることになるので、申告と同時に不足分の納付を必ず行いましょう。
相続税額の求め方は以下の手順です。
(1)銀行の貯金以外にも不動産や有価証券、タンス預金など亡くなった人のすべての財産を合計する
(2)お葬式の費用や債務などを総額から引く
(3)(2)から基礎控除額を引く
(4)(3)の金額を法定相続分通りに相続したとして各法定相続人に分ける
(5)(4)の金額で法定相続人ごとの税額を求める
(6)(5)の金額を合計する
(7)(6)の金額を実際に相続もしくは遺贈した金額の割合で分ける
(8)必要に応じて控除を適用した金額が支払う相続税額
例えば、法定相続人が子ども一人のみで遺贈を受けた人もおらず、タンス預金が見つかる前の相続財産が合計4000万円だったとしましょう。相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人数」なので、400万円に対して課税されます。税率は10%のため、相続税額は40万円です。
しかし、追加で300万円が見つかると相続財産は合計4300万円になります。課税される金額が700万円となるため税率は10%、支払う相続税額は70万円に増えるでしょう。
今回のケースでは、最初に申告した相続税額よりも支払うべき税金が増えているため、申告期限前であれば訂正申告、申告期限後であれば修正申告が必要になります。
修正申告の手続き
修正申告は、相続税の申告期限後に新たに相続財産などが見つかり、相続税が変わる場合に行う申告です。通常の相続税の申告書と同じ書類で申告できます。申告書のなかに修正申告について記載できる項目があるので、必要事項を記入しましょう。
なお、修正申告の時点で期限を過ぎているため、場合によっては加算税や延滞税などが課される可能性があります。状況によって、課されるかどうかや金額は変わるので、分からない場合は専門家や税務署などに確認するといいでしょう。
タンス預金がよく隠されている場所とは?
あとから財産が見つかって修正申告が必要という事態を防ぐためには、最初の相続税を申告する前に、タンス預金を始めとする家族も知らない財産が隠れていないかよく探しておくことが大切です。タンス預金の隠し場所は人によってさまざまで、隠し場所の例としては以下があるようです。
・タンス
・冷蔵庫
・仏壇
・カーペットの裏
・自宅の金庫
・床下
・天井裏
・庭の土の中
・ベッド
・服のポケット
・額縁
・座布団やクッションのカバーの中
・鉢植えの中
土の中や座布団カバーの中などは、自宅によっては家族が多くすべて探しきれない場合もあるでしょう。複数人で手分けして探したり専門業者に依頼したりすると、より効率よく探せます。
ただし、立ち会う人や依頼する専門業者はよく調べてから決めましょう。自分にとって信頼できる人物に依頼することをおすすめします。専門業者に依頼するときは、業者の作業実績や口コミなどを見て判断することが大切です。
たとえ存在を知らなくても相続財産に加算される
存在を知らなかった財産が出てきた場合、金額によっては相続税の訂正申告や修正申告が必要です。亡くなった本人が所有していた財産は、基礎控除を超えていればすべて相続税の課税対象となるので、申告を忘れないようにしましょう。
タンス預金がよく隠されている場所としては、タンスのほかにも冷蔵庫やベッド、座布団カバーの中など、可能性のあるところは多岐に亘ります。相続税を申告する前に、見落としている財産がないかよく探してみるといいでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー